Photo by 花鳥風月
悩める未来のキーボード弾きのみなさん。
今日はバンドでキーボードを弾く時に色々と知っておいた方が良いことを書いてみようと思います。またバンドをやる上でのキーボードの役割や、メンバー内で意識することなどもそうですね。
それからキーボードを始める人はシンセサイザーとの違いが良く分からない方も多いと思うので、シンセサイザーについても少し触れたいと思います。
バンド、キーボード、シンセサイザーに関しては、どのテーマ一つとっても話が深い部分までいってしまいます。
本記事では、バンドに関するキーボードの役割や考え方などエントリー向けの内容について広く浅く紹介します。
↓こちらのサイトも少しずつ作ってますので、チェックして見てくださいネ。
目次
はじめに
キーボードをやろうとしているあなたはワクワクした気持ちでいっぱいだと思います。でもきっとそれと同じくらい色々と疑問もあるかもしれません。
キーボードに関する基本的な知識、バンドの練習のこと、キーボードとシンセサイザーの違いのことなど。
完璧には説明出来ないことは承知ですが、大まかにキーボードの魅力や役割などを書いてみたいと思いますので、少しでもバンドをやる上でのヒントになれば嬉しいです。
そこで先に予想されるであろう悩みをいくつかピックアップしてみます。
だいたい当てはまる項目がいくつかあったら記事を読み進めてもらって大丈夫かと思います。
前提として「ピアノを少しでもかじったことがある方に向けての内容」となっていますが、全く弾けなくても問題ありません。キーボードを買ったら後は練習するのみです。
ただ読み進めていくうちにピアノを経験しているかどうかで、理解し辛い表現が出てくるかもしれませんのでそこは想像でカバーしてください。
高校生問わず、学生、バンドでキーボードを始める方なら何か参考になると思います。(多分)
- バンドでのキーボードの魅力とは
- キーボードの音は本物の楽器と同じ音が出せるの?
- キーボーディストとしての方向性
- バンドでのキーボードの役割
- 生楽器って何?
- 曲から聴こえる音を全部弾かなくちゃいけないの?
- バンドで大事なこと
- ピアノとキーボードの違い
- キーボードとシンセサイザーの違い
- シンセサイザーってどんなことが出来るの?
- 憧れのバンドが使っているキーボードを買いたいけど最初は止めた方がよい?
- キーボード本体の重さは何キロくらいが適正?
- キーボードケースは必要?
細かくはまだまだあると思いますが、順番に見ていきましょう。
キーボードの魅力とは?
キーボードの最大の魅力は「多彩な音色を使えること」にあります。
どんな音色が出せるのかというと
- ピアノ
- エレクトリック・ピアノ
- チェンバロ (ハープシコード)
- クラビネット
- オルガン
- 弦楽器① (アコースティックギター、エレキギター、エレキベースなど)
- 弦楽器② (ヴァイオリン、チェロ、ハープなど)
- 金管楽器 (トランペット、ホルンなど)
- 木管楽器 (フルート、サックス、リコーダーなど)
- 打楽器 (ドラム、ティンパニ、木琴、シンバルなど)
- 民族楽器 (シタール、フィドルなど)
- シンセサイザー音 (合成音、電子音など)
- SE-サウンドエフェクト (波の音、鳥の声、歓声など)
まだまだ数えきれないくらいの音が出せます。どうですか、面白そうでしょう?
https://kids.wanpug.com/illust42.html
一つのキーボードからこれだけの音が出せることはすごく魅力的な事ですが、同時に「様々な楽器の知識が必要になる」ということも覚えておきたいです。
「音を出せること」と「弾けること」そして「音楽的に扱えること」は似て非なるものです。間違った使い方をすれば、曲に雑音を加えてしまうことになりかねませんので、これらの音をきちんと使ってきたいと思っている場合は「それぞれの楽器が曲の中でどう使われているか」も勉強していきましょう。でも細かいことはさておき、とにかく最初は色々弾いてみることが一番ですよ。
キーボードの音は本物の楽器と同じ音が出せる?
さて、キーボードは色々な楽器の音を出せますが、どの音も基本的には「鍵盤を弾いて音を出す」という形になります。ですが、色々な音が出せる代わりに本物の楽器の持つ音の表現力には負けます。
各楽器にはそれぞれ役目があり、音の力強さ、音のニュアンス、息遣いなどはもちろん、音楽を表現する上での様々な「奏法」が存在します。それらも含めて、楽器というのは各々に「特徴」を持っていますので、そこをしっかり理解した上で音色を操ることが必要になってきます。
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少し残念ですが、キーボードの音が本物のヴァイオリンの音に勝ってしまったらヴァイオリニストは何の為にヴァイオリン一本を極めようとしているのか分からなくなってしまいますよね? (笑)
もちろんキーボードでもヴァイオリンの音は出せますが、ヴァイオリンを弾くヴァイオリニストのようには弾けません。弓を擦る、鍵盤を押す、このように全く奏法が違います。
それらをイメージした音や特徴的な奏法音は入っており、ある程度まで似たような音までは出せますが、本物には敵わないということだけは理解しておきましょう。
キーボードで各音色を本物らしく表現したい場合
ですが最近のキーボードの性能には目を見張るものがあります。高額なプロ向けのキーボードを使い、各楽器に対する知識はもちろん演奏技術をも身につけた上で弾けば、ある程度そっくりな次元まで本来の楽器の表現力を引き出すことが可能となります。
このように、本来の楽器が持っている「〜らしさ」をキーボードで弾いて表現したい場合は、その音色を普通に弾くのではなく、その楽器の「ニュアンス」や「奏法」を意識してみると良いでしょう。それらを勉強するうちに楽器のイメージが明確になり、本来の楽器に近い表現が出来るようになります。
少し難しい話ですが、これらが出来るかどうかで「生楽器を表現するキーボーディストとしてのセンス」は雲泥の差となってきますので、頭の片隅にでも覚えていただければと思います。
ですが、必ずしも生に近づける事が正解ではありませんので、楽曲やバンドの方向性も考えた上で弾き分けていくのが良いでしょう。
キーボーディストとしての方向性
逆に上記のような生楽器の代行表現に関して下手に関心を持たず、ピアノ、オルガン、エレピといった元々が鍵盤楽器の音色だけを極める、という方向性もアリだと思います。キーボーディストは色々出来るが故に、将来的には自分の方向性を考えて取捨選択をしていかなければなりません。
初めはキーボードで出来る色々なことに関心を持ちつつも、最終的には器用貧乏にならないようにしていきましょう。キーボードをやってみたい、という最初の動機はもちろんあると思いますが、いずれは自分の好き嫌いをハッキリさせ、自分にあったスタイルを作っていくのが良いでしょう。また、それが分かってくると、自ずと自分にとって必要な機材なども分かってくると思います。
キーボードの役割
次にキーボードの役割について少し考えてみたいと思います。
例えば、やろうとしている曲に「サックスのソロ」が入っていたとします。それをバンドで表現したいけど、そもそもサックスを弾ける知り合いがいない。
こういった場合に、色々な音が出せるキーボーディストのあなたが「僕がサックスの音を使ってソロを弾くから任せてくれ」と、率先して対応します。
これを「アレンジ」と言います。
キーボードは色々な楽器の音を鳴らせますが、その中でも「生楽器」と呼ばれるカテゴリーがあります。(生楽器についてはまた後ほど)
各メーカーのキーボードにもよりますが、サックスは本来は生楽器であり「BRASS」といったカテゴリーに入っています。まずは音色を選んでフレーズを弾けるようになりましょう。
楽器のニュアンスを追求する
音を選んでフレーズを練習する、ここまではみんなやると思います。
ここで次に大事なのが「どうやったらサックスらしく弾けるだろう?」と考えてみることです。
もちろん選んだ音がサックスの音なので、聴く人に「サックスの音の代わりなんだな」と思ってもらえるとは思います。でも、どうせ弾くなら可能な限り「本物のサックスみたいだ!」と思ってもらいたいものです。
そこで動画を見て弾き方や鳴り方を色々調べてみたり、ニュアンスを研究してみたり・・・このように「自分が鳴らす楽器の音に関心を持つこと」を繰り返すうちに、キーボードの腕前がレベルアップします。
アレンジは「編曲する」という意味ですが、サックスの音をキーボードで弾くのはもちろん、ギタリストがギターの音でサックスのソロを代わりに弾く、ということも立派なアレンジです。
このように、率先して「曲をアレンジ」したり「臨機応変に自分の役割を変化させる」ことで、メンバーはキーボーディストであるあなたを頼りにしてくれるでしょう。
どんな楽器を「生楽器」と呼ぶの?
生楽器とは、簡単に言うと「電気を通さない楽器」「スピーカーによる音圧増幅が出来ない楽器」と言えば分かりやすいでしょう。アコースティックとも呼ばれます。
例えば、吹奏楽やオーケストラは全てスピーカーを通さずに楽器本来の「生音だけ」で演奏します。その為同じパートが複数混在しており、音圧を上げる役割や、人数感による独特の音の広がりなどを演出、表現出来るのが特徴です。
仮にオーケストラが音量を増幅させたい時、電子楽器のように一人一人の持つ楽器に直接ケーブルを繋げるわけにはいきません、そもそも穴が無いのでそんな事は出来ません (笑)
そこで「マイクで音を拾う」ということになるわけですが、同じ原理としてバンドでもそういった役割がいると思います。そうです、ボーカルやドラムも生楽器です。
バンドをやるなら音量バランスを気にするべき
ボーカルは基本的にマイクが無いとそれ以上音量は上げることが出来ません。電子ドラムはまた別ですが、生ドラムやパーカッションと呼ばれる打楽器全般も同様です。
このようにマイクで音を拾って音を増幅させる楽器は、基本的に全て生楽器と考えてよいでしょう。
反対に、ケーブルを直接楽器に繋ぎ、アンプを使って音量を増幅させれることが可能なエレキギター、キーボード、ベース、エレクトリックヴァイオリンなどは「電子楽器」と呼ばれます。
音量を上げれない生楽器は、そのままでは電子楽器の音圧に敵うはずもありませんから、マイクで音を拾い音量を増幅しなければ音がかき消されます。
このため「音量バランスをメンバー全員で共有すること」が、バンドをやる上での「必須条件」となります。
本来のバンドの音作りとは?
このように電子楽器は簡単に音量を上げれるので、生楽器であるボーカルの事を考えずに自分の音ばかりをどんどん上げる人がいます。
その結果「ボーカルの声が全く聴こえない」というパターンがあります。しかもそれを「ボーカルの声量が無いからだ」という理由にしてしまう事も少なくありません。これはボーカルからしたらたまったものではありませんね。
https://ha-chi.biz/big.php?no=324
自分の音が前に出てこない理由には、単純に音量の他にもリズムや演奏技術、音域などといった様々な問題があります。リズムが悪ければ音は埋もれてしまいますし、声が低ければ当然聴こえにくいです。
もちろんボーカルに関しても、声量の問題は多少なりとも音抜けに関係します。
ですが基本的には、
「一緒に音を出してボーカルに声量がある事が分かる」
↓
「そこで初めて自分たち (電子側) の音量も遠慮なく上げることが出来る」
これが本来の考え方だと思います。
ハウリングのこと
ならボーカルもマイクの音量を上げればいいのでは? という意見も出てきそうですが、マイクは基本的に声以外の周辺の音も拾ってしまいます。
従ってマイクのボリュームをミキサーでどんどん上げれば「ハウリング」を起こします。キーン、というやつですね。
ハウリングが発生する理由としては、声以外にもスピーカーから出た音をマイクが必要以上に拾ってしまうのが原因です。私もそこまで詳しくありませんが、いずれにしても部屋の構造やスピーカーの向き、立つ位置によっても発生条件が変わってきます。
例えボーカルに「基本的な声量」が無かったとしても、それも踏まえた上で自分たちの長所短所を理解しながら、メンバー全員でバランス良く音を作っていけることがベストだと思います。人のせいにすればもはやバンドではありません。
もちろんマイキングによって、マイクが声を十分に拾ってない場合はボーカルの問題になりますので、そこに関しては「もう少しマイクと口 (声) を近づけてみたら?」などと指摘してあげても良いでしょう。
ソロでは音量を上げる事が大事
このようにボーカルに合わせて音量バランスを考えていく、というのがバンドの基本的な音作りだと思います。
今度はそれを応用させて、ギターソロで音量を上げる、キーボードソロで音量を上げる、そして歌に戻ったら音を基本値に戻す、といった調整が出来るようになると、一曲の中でサウンドにメリハリが付くようになります。
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各楽器のソロセクションでは、歌ではなくその楽器が主人公です。なので音量もソロパートに合わせて上げていき、ソロを弾く人を思いっきりサポートしましょう。
音の大きさはタッチでも変わる
音の話ばかりですみません。というのも、音量の話をしてきましたが基本的にこれらは各楽器の「マスターボリューム」を調整する話になります。
これ以外にも楽器は「タッチで音の大きさをコントロールできる」ということを覚えておきましょう。キーボーディストなら鍵盤を押す力、ギタリストならピックで弦を弾く強さ、つまり「弱く弾く、強く弾く」という事ですね。
これは表現力にも影響するので楽器をやるなら是非覚えておきたいことです。
これが「基本的なボリュームは同じなのに、あの人が弾くと何で音がうるさくないんだろう?」といった疑問を解決する一つの理由です。
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Aメロは弱く弾こう、Bメロは少し上げ目で、サビでさらに上げてソロで爆発しよう、など各セクションでの弾くタッチ、音量をイメージすると良いでしょう。
音のバランスをしっかりと考えないと、聴いてくれるお客さんが「歌が聴こえない、ぐちゃぐちゃだ」と呆れて次のライブに来なくてなってしまいます。これは最悪ですよね?
そこで、練習の音を誰かに見てもらい、第三者に音量バランスを確認してもらうのも一つの手です。
ライブハウスでやる場合
ライブハウスであれば、PA (バンドの音を適正なバランスに施しオーディエンスへ届ける人) がバンドに合わせて音量バランスを調整をしてくれます。外に出ている音はもちろん、ステージでバンドメンバーが中でお互いの音を聴きながら演奏する時の音量も調整してくれますが、ライブハウスの特性、PA の技術次第では最悪なバランスになりかねませんので注意が必要です。
特にライブハウスによっては、バイトなどに PA の練習をやらせたりする場所もありますので、そういったところにハマると本番の中音、外音は最悪になります。それでもお客さんは事情を知らないし関係ありませんので、なるべく信頼できる PA に音を託したいものです。
逆を言うと、技術が高いベテランの PA にあたれば演奏しやすく、外の音も想像以上にバランス良く勝手に調整してくれます。ソロも本来自分でボリュームを上げるのですが、仮にまだ自分で音量調整できずそのままの音量でソロを弾いていたら、PA が「今はソロだな」と臨機応変に音を大きくしてくれたりもします。
このように、ライブでは自分たちの全ての音を PA に託すことになりますので、 PA とは仲良くなっておくと良いです。
また慣れてきたら色々なライブハウスで演奏してみて、自分たちがやりやすい場所を見つけていくのも大事だと思います。
プロを目指すというのであれば、どこでも、どんな条件でも適応していく必要はありますが、どうせならやり慣れた場所で最高の音でお客さんに聴いてもらいたいですよね。
何回も利用しているとライブハウスの人たちもバンドを覚えてくれます。すると音だけでなく証明などのステージ上での演出も注文しやすくなったりと、自分たちの特性やクセなどを理解してステージを作ってくれると思います。従ってライブハウスの人たちとコミュニケーションを積極的にとり、仲良くなるのも一つの手だと思います。
ここからはちょっと小難しい話になっていきます。
キーボードのプログラミング
パソコンで行うプログラミングのことではありませんよ? (笑)
キーボードは、音色を弾くだけではなく「音色を作ることも可能」です。音色を作るって聞くと「大変そうで難しそう」と思いますよね。一概に音色を作ると言ってもピンキリで色々な方法があります。
基本技その①【レイヤー】
例えば簡単なやり方の一つに「それぞれ別の音を組み合わせる」という方法があります。
これを【レイヤー】と呼びます。
- 【ピアノ】と【ヴァイオリン】の音を同時に鳴らす
- 【フルート】と【木琴】の音を同時に鳴らす
このように、ただ違う音色を足しただけですが、これも立派な「音色を作ること」と言えます。
基本技その②【スプリット】
その他には、【スプリット】という設定もあります。
- 右手の音域はピアノ
- 左手の音域はオルガン
このように、指定した鍵盤の範囲 (音域) に好きな音が鳴るように設定できることもキーボードならではの魅力です。
基本技その③【レイヤー】+【スプリット】
さらには【レイヤー】と【スプリット】を組み合わせることも可能です。
- 右手の音域は【サックス】+【フルート】=ソロを弾く
- 左手の音域は【ストリングス】+【オルガン】=コードを弾く
ここまで使いこなせることが出来れば、バンドのサウンドはとてもゴージャスで分厚くなり、あなた無しでバンドは成り立たなくなるでしょう。
こりゃすごいね、分かる人が見たら超カッコイイ!と思ってもらえるかも?
このようにプログラミングが出来るようになれば「バンドの世界観を広げることが可能」となります。これは是非身につけたい技ですね。
プログラミングの注意点
注意したいのは「曲を再現しようとあれもこれも音色をプログラミングしてしまうと大変」だという事です。これはカバー曲、コピー曲に限った話になりますが、曲の中で色々な音が鳴っている場合、キーボーディストは色々な音を出せるのでどの音を弾くか決めなければなりません。
基本的には印象的なフレーズを選定すると思いますが、プログラミングや音作りが出来るようになってくると色々な音を弾いて原曲に近づけたくなります。
そんな時には、ライブで本当に必要な音だけを弾くようにするという意識を持つことをオススメします。自分のパートの難易度を上げ過ぎて「弾く事だけで精一杯で余裕が無い」というような設定はなるべく避けましょう。
色々できることをアピールするのも良いですが、ピアノやオルガンなど音色一本だけで勝負するのもアリですし、その方が分かりやすくて「カッコイイ!!」とオーディエンスに伝えれる場合もあります。
プログラミングは、その時の自分自身の力量や曲の難易度によって使い分けると良いと思います。楽しく余裕に弾けてる方がカッコイイですからね。
ライブでは「余裕で弾けること」が前提
ライブでは基本的に100%以上の力を出すのは難しいです。体調管理や予期せぬトラブル、一つフレーズを間違えただけで頭が真っ白になる・・・などなど (笑)
先ほどのライブハウスの項目でも上げた、本番でのステージ内での音量バランスが最悪で、自分の出している音が聴こえない、ボーカルの声が聴こえない、といったことも起きます。酷い時にはケーブルが抜けてた・・・なんてことも。
本番に何が起こるか分かりませんし、様々なトラブルが発生した時に何を捨て、何が重要かを即座に判断しそれを優先しなければなりません。
例えば、PA のトラブルで自分の弾いている音は自分自身は聴こえないけど、外にはきちんと音が出ている。なら自分は聴こえないけど弾けば外に関しては問題ない。ならば無音で弾き、さもステージでは何もトラブルが起こっていないように振る舞ってみせよう(これはキツい)など。これは演奏に余裕が無いと出来ないことです。
ステージ上で「音が聴こえないぞアホ〜!」と PA を鬼のような形相で睨みつけてるのをお客さんが見たら、ちょっとガッカリですよね。まぁ PA も人間なのでミスはします。
このようにトラブルを分かりやすく伝えることも大事ですが・・・こればかりは何が正解とも言い切れません。もちろん全員ミスなく終えることが一番ですが・・・。
仮にもしこういった事を初めて体験したらその時は「この体験を次に活かそう」くらいの気持ちでいましょう。それらを重ねていくうちに、「ああなるほど、ライブでは完璧な状態で演奏出来ることはあり得ないな」という前提を持てるようになります。
そして、それも踏まえて自分の実力を冷静に吟味し、自分のパートのアレンジをなるべく簡単にしたり、機材や音色設定をシンプルにする、というスタイルに繋がっていきます。
まぁトラブルを嫌がっていてはライブ活動は出来ませんので・・・。
大抵は近くに PA と連携しているスタッフが待機してますので「ごめん音が出てないわ〜」って伝えるのが一番ですが、そういったライブハウスでない時はジェスチャーでアピールしましょう。こういったトラブルもライブの醍醐味と言えます。(いやだけど)
最後に
バンドのことなどは全て私のキーボーディストからの視点、経験談によるものなので、一概に全ての状況に当てはまるわけでは無いかもしれません。
基本的にキーボードは色々な音色を扱えるため、楽曲で足りてない表現を補えるポテンシャンルを秘めています。ギターがソロを弾いていればバッキングに回れるし、ソロも弾ける。バラードでドラマチックな音色が鳴らせる、など知識や技術があればあるほど頼りになる存在です。
ただ音量バランスについて少しくどいほど説明したのは、キーボードレスのバンドに比べてキーボードがいるバンドはバランス調整がさらに難しいからですね。
ボーカル、ギター、ベース、ドラムの基本構成であれば PA はミックスもしやすいのですが、PA によってはキーボードがいるバンドに慣れてない人もいたりします。その場合、キーボードの音を小さくしてしまう PA もいて「全然キーボードの音聴こえなかったよ」とお客さんや見に来てくれた人にライブが終わってから言われることも・・・。
当然ながら、キーボードを複数使う場合や、コーラス用のマイクも使うのであればもっとバランスにはシビアにならざるを得ません。当然バンド形態にもよりますが。
またライブハウスによってはチャンネル数に限りがあるので、上記のようにコーラスする人がいたり、キーボードを複数持ち込む場合は事前に会場へ問い合わせた方が良いでしょう。そういった場合は簡易的なミキサーを持ち運ぶ必要性も出てきます。
下記サイト「キーボーディストの巣」では、今後キーボーディストに関する知識や情報をまとめていこうと思ってます。
よろしければ応援よろしくお願いします!
バンドで活躍したい!全てのキーボード初心者へ捧ぐ - キーボーディストの巣
(筆者は同じです)
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