最近アクセス解析してると「Roland RD 700」「ステージピアノ」経由のキーワードでこのブログに来てもらってる方が多いですね。ブログ立ち上げ当初、RDの記事を練習がてら書いてたのですが、今見ると超テキトーな感じなのでしたので改めて書いてみようと思います。
目次
- Roland RD 700NXとは
- RD-700NXの最大の武器はこの2つ
- RD-700NXの使用感
- 新機種「RD-800」が登場
- RDシリーズを選ぶ方へ
- RD 700NXを買う前にちょっとだけ考えてみる
- 88鍵でも音楽スタイルによって選ぶ条件が変わる
- ライブやスタジオで使う場合
- ピアノタッチ重視
- フットワーク重視
- ビジュアル重視
- 使いやすいかどうか
- RD-700NXをおすすめする15の理由
- 「何で迷っているのか」を改めて考える
- 楽器の「本質」を理解する
- 最後に
Roland RD 700NXとは
RDシリーズは国内の楽器メーカー Roland が販売しているプロ用のステージピアノ。
今までにRD1000 500 600 700 700sx 700gx 700nx 800と発売されてきました。
海外でも独自のラインナップがありますよ。
RD-700NX はステージピアノという名の通り、ライブなどにおいて真価を発揮するデザインになってます。「音を選ぶ」「音を混ぜる」「ピアノを弾く」この3点がトップレベルのインターフェースになっており、プロミュージシャンはもとより、専門学校でも導入されている人気モデルです。
特に音を選ぶ、混ぜるに関しては他のライバル機種に対しても素早く実行できるというアドバンテージを備えています。また、最低限のカテゴリーボタンと視認性抜群の画面、エフェクターやEQ補正のダイヤル、フェーダーなどのレイアウトなども、手放せない理由の一つです。
RD-700NXの最大の武器はこの2つ
上記に紹介した長所はRDシリーズのことですが、NX を選ぶ理由として注目したいのが「スーパーナチュラルピアノ音源」「エスケープメントピアノタッチ」この2点です。
スーパーナチュラルピアノ音源
RD-700NXは、高い評価を得ているSuperNATURAL Piano音源を採用しています。ローランド・ブランドが長年培ってきた88鍵ステレオ・マルチサンプリング技術と、究極のピアノ・サウンドとして呼び声の高いV-Pianoの先進技術を融合したSuperNATURAL Piano音源は、繊細なタッチの違いにもスムーズに対応する無段階の音色変化や、あくまでナチュラルな減衰音など、アコースティック・ピアノ本来が持つ表情豊かな音色と響きを再現しています。
SuperNATURAL Piano音源には、3タイプを搭載。オールマイティな Concert Grand、スタジオなどでのレコーディングに最適な Studio Grand、クラシック曲に新しい表現力を与える Brilliant Grandと、多彩なバリエーションをご用意しています。
エスケープメントピアノタッチ
RD-700NXは、音色面での向上はもちろん、V-Pianoと同じローランド最高峰のPHA IIIアイボリー・フィール鍵盤(エスケープメント付き)を搭載。リアルな音色を最大限に活かす演奏性のよさで、プレイヤーを力強くサポートします。
高精細なセンサーを搭載したPHA III鍵盤は自然なタッチと高い連打性を誇り、演奏者の微妙な演奏表現の違いも忠実に音色に反映させることが可能。アコースティック・ピアノとエレクトリック・ピアノ、両方の音色に合わせて最適なチューニングが施され、さらに音色ごとに鍵盤タッチを設定できるため、優れた演奏性でサウンドのポテンシャルを十分に引き出すことができます。
また、アイボリー・フィール仕様の鍵盤は手になじみやすく、吸湿性にも優れているので、いつでも心地よい演奏感を保つことが可能。まさにライブを考えた鍵盤です。
このように、いかにピアノを弾くこと、ピアノにこだわりを持つ人が弾くことを考えて作られているのが分かるかと思います。
これらの機能は、2つセットで真価を発揮すると私は思っています。スーパーナチュラルのピアノ音源を活かせるのが、エスケープメント搭載のアイボリーフィール鍵盤です。
RD-700NXの使用感
私は主にサウンドトラックの制作に RD-700NX を使用していますが、とにかくピアノが気持ち良く弾けます。良くピアノのソフトウェア音源も使用しますが、RD-700NX の内蔵音源も凄いですよ。スーパーナチュラルピアノ音源は「ベロシティ」の概念が無いので、無段階式でピアノの音を鳴らすことが出来ます。さらにはエスケープメント機能付きの鍵盤なので、ゆっくり弱く弾いたらアコースティックピアノ同様に音が鳴りません。ここまで再現しています。
それから、すぐレイヤー (音を混ぜること) が出来る点がこういったステージピアノの良いところ。ピアノはもちろん、様々な音色にもすぐエフェクターをかけられるので、作曲する時にも仕上がりに近いイメージの音で録音が出来ます。そういった私のような DAW などで打ち込み、作曲をする方にもオススメしたいキーボードです。とにかく音作りのスピードが違いますね。
新機種「RD-800」が登場
つい最近最新の RD-800 が出ました。こちらはデザインを重点にフルモデルチェンジしましたが、機能的には過去のRDシリーズを踏襲しています。デザインの好みは人それぞれ分かれるかと思いますが、基本的に機能やタッチは実用面では変わってません。
さすがにインターフェース面では進化してます、従って今から買う人は RD-800 でも良いと思います。とくに色々な音を調整するつまみがLEDで光るのがオススメです。伴奏でもソロでも素晴らしい音を聴かせてくれますね。
RD-700NX と RD-800 を聴き比べたい方へ。動画のピアノ音色では RD-700NX の方がクリアに聴こえますね。RD-800 は少しこもり気味な印象です。
私はピアノだけでなく、シンセ音色でも殆ど自分の好きなようにエディットしてます。
Roland RD-800
デフォルトの設定ではあまり参考にならないかもしれませんが、EQやトーンエディットなどでかなり印象を変えることが可能ですので、最初から入っているプリセットだけで判断するのは早計かもしれません。
ですが、自分好みの音でないならプリセットの好きな方を選択しましょう。
RDシリーズを選ぶ方へ
RDなどのステージピアノの購入を考えている方は、おそらく電子ピアノやその他のシンセサイザーの88鍵盤などと比較したりして、色々とデザインや価格、性能面で悩みもあるかと思います。
私から言える事は、ステージピアノはとにかく「ライブに強い」という事です。ボタン、フェーダー、つまみ、画面、これらのレイアウトが素晴らしい。本当に実用的で、かゆいところに手が届くデザインになっています。
まず使い勝手や性能面で悩んでいる方は、この点に関しては全く問題ないと思います。問題は「重量」「価格」「タッチ」「音色」だと思います。
RD 700NXを買う前にちょっとだけ考えてみる
あなたはシンガーソングライターか、もしくはキーボーディストでしょうか?
それによっても88鍵盤が必要かどうかも違いますし、機能や性能もあなたの音楽スタイルによって選択が変わってくるでしょう。なのでまず、あなたがライブで使いたいのか自宅の練習用で使いたいのか、それともあんまりよく分かってない、のかを考えていきましょう。
「重い」というだけですでに罪
まずこのステージピアノ、重たいです。
あなたは女性?男性?ちなみに私は男性ですが、男性でもこのRDをライブに持ち運ぶのは骨が折れます。気合いだけで持ち運んでいた時もありましたが、1人でスタジオやライブに何度も持ち運ぼうなら、いずれ確実に腰を痛めます。
20キロ超えますので、持ち運ぶなら車を持っている事が必須条件となります。よほどの力持ちでなければメンバーに手伝ってもらったりしましょう。
88鍵でも音楽スタイルによって選ぶ条件が変わる
例えば、あなたは子供の頃からクラシックピアノを習ったりしていて、ライブやバンドを組んでみることになった。そしてピアノのタッチに慣れているし、こちらの方が弾きやすいし、家でもこれで練習したい、という場合、上記の運搬条件を満たしていれば大変オススメしたいところです。
ただ88鍵でピアノタッチの製品でももっと安くて軽い機種ももちろんあります。
例えばこの CASIO というメーカーのピアノ。88鍵盤でピアノタッチ。重さは約11キロ。RD-700NX の約半分の重量です。
CASIO プリヴィア PX-160GD シャンパンゴールド
もしあなたが「値段が安くて見た目も気に入った。タッチもまぁまぁ良い。音も十分良いしスピーカーも付いてる。色々機能的にはRDに劣るかもしれないけどあんまり色々機能があっても使い切れないし、今の自分にとってはこれで十分、4万以下で買えるなら全然安い」と思ったならこれが今のあなたにとって最高のピアノです。
このクラスの電子ピアノで色々悩んでいる方はこちらの記事もオススメです。
こちらの記事では、5万以下〜4万円前後の価格帯の電子ピアノのオススメ機種はもちろん、なぜオススメなのかといった理由や、電子ピアノを選ぶ時に気になる基本的な要点なども詳しく書いてますので興味があれば参考にしてみてください。
ライブやスタジオで使う場合
スタジオやライブは限られた時間内で事を済まさないといけません。なので素早く準備出来ることが必須条件となります。これが重くて運んで疲れてしまったりしてセッティングの段階で疲労していては肝心な練習、ライブ自体に支障が出てしまいます。それでは本末転倒ですよね。
最悪の場合もう運びたくない、めんどくさい、ってなるかもしれません。そういう場合、鍵盤の数が61本の軽い機種などもあります。
重たいものを持ち運ぶのは本当に辛い
私は一時期「もう重いものを何台も運ぶのが嫌!」ということで、自分のライブスタイルを変えたことがあります。61鍵盤で曲が弾けるように音色や音域などを全てプログラミングし、音色も作ったものを順番に保存し、スイッチで切り替えて弾くようにしていました。
88鍵盤をライブやスタジオに持ち出したい方へ
確かに、軽いタッチでピアノを弾けるように練習したり、アレンジで表現を変えたりと色々考えることも多かったのですが、持ち運びがとにかく楽チンで行きも帰りも「ルンルン♪」な気分でした。ただ一つ、メンバーから不満が出ました。
「一つのキーボードで完結したのはいいけど、色々なキーボードを使っていた時と比べると、何か見た目の個性感が無くなったな〜」という悲しいクレーム。
分かっちゃいるけど、練習やスタジオ、ライブで88鍵盤、シンセサイザーはもちろん、スタンドまでも複数持ち運んでたら練習なんてしたくなくなります。スタジオから帰ったら車に積みっぱなしです。
ただしばらくすると、「セッティングも早いし、すぐ運べるしこっちの方が楽だな。今までようあんな重たいの運んでたな〜笑」とか言わたり。
と、まぁこのように色々語りだすとキリが無いのですが、「ほーこんなんもあるんか」「そんなスタイルもあるんか〜」って感じでスルーしてくださいね。
ピアノタッチ重視
もしあなたがピアノ畑出身で、ライブでも練習でも鍵盤のタッチにはこだわりたいのなら、迷うことなくRDシリーズを買いましょう。
キーボードやシンセサイザーを「バンドを組むことになってから初めて弾く」
このような場合、あなたは練習用の重たいピアノタッチの生ピアノ、電子ピアノのような88鍵盤のキーボードは持ってないかもしれません。
その場合、ライブなどは軽いタッチのシンセなどでカバーしたとします。しかし、最終的にピアノもきちんと弾けるようになりたいのであれば、そのソフトタッチの鍵盤だけで練習し続けるわけにはいきません。
ソフトタッチの軽い鍵盤だけで練習していると、それよりも重たいピアノタッチがいつまでも思うように弾けるようにならないでしょう。
もしくは、ピアノタッチの感覚がずっと経験できないままになります。従って、定期的にピアノタッチで練習もしないといけません。その場合においても、ステージピアノであるRDシリーズなら練習用としてもライブ用としてもバッチリです。
エスケープメントタッチである RD-700NX は、ピアノの鍵盤を一番下まで押す一歩手前で「カクン」というピアノ本来のタッチ感を搭載しているためです。
また、鍵盤も象牙のようなザラザラしたデザインになっており高級感もあります。これらは価格の安い電子ピアノには搭載していません。
フットワーク重視
あなたが「鍵盤のタッチを自在にコントロールできる」のであれば、ライブやスタジオへ気軽に持ち出せますので、軽いソフトタッチの61鍵盤がオススメです。
もしくは軽い61鍵盤はライブ用、重たいピアノタッチは自宅の練習用と分ける方法もオススメです。
ただタッチのコントロールは練習や慣れでクリア出来たとしても「鍵盤の数が少ないことで表現したい音圧や音域をカバーできない場合」もあるかもしれません。
そこは譲れない、というのであれば88鍵盤にしましょう。プログラミングでも何とかなる場合もありますが、低音と高音を同時に弾く場合は88鍵盤でないと表現的に無理な場合もあります。
ライブも絶対にピアノタッチで弾きたい、っていうあなた。迷いなくステージピアノを選択しましょう。あとは気合で運ぶだけです。ただ腰には十分注意してくださいね。
ビジュアル重視
バンドメンバーが使う楽器というのは「バンドのカラーを表す要素の一つ」です。誰かに憧れて音楽を始めた場合、自分の好きなアーティストは何の楽器の何のモデルを使っているか誰でも気になりますよね。
ではビジュアル面から考えてみる、と言うことについて少し書いてみます。
例えば、あなたがバンドをやる上で「このバンドはピアノ弾きがいるんだな」というしっかりしたイメージを見る人にアピールしたいのであれば、重かろうが何だろうがステージピアノをライブに運びましょう。
いくら準備が早い、持ち運びが楽、といって61鍵盤の軽くて小さいシンセを弾いていてはバンドのイメージが崩れてしまうかもしれません。
しかしそれは、あなたが裏方のサポートキーボードか、バンドのメインのシンガーソングライターかでも変わってきます。なので自分の立ち位置や、バンドの方向性も踏まえてよく考えてみてください。
例えキーボーディストでも、リーダーであったりバンドメンバーの軸となる存在である場合も多いです。あなたがもしそのくらい我が強いのであれば、自分のイメージしたビジュアル性をアピールできるデザインの楽器を選んでください。お客さんは意外とバックバンドもよーく見てますよ。特定の個性的な楽器、シンセサイザーを使っているだけで注目を浴びることもあります。
ちょっと寄り道「KURZWEIL」はご存知?
例えば、私は KURZWEIL という海外メーカーのピアノの音が好きで、K2600X、PC3X というシリーズを使用していました。これらをライブに持ち運んだ時は、PAやライブハウスの人から色々聞かれました。音が凄い、聴いたことがないような音、透明感のあるピアノの音など、評価も高かったです。
自分でもそれほど凄い音だったので無理して買ったわけですが、高額過ぎて気軽に持ち運べず心臓に悪かったですね・・・。もしステージピアノの購入を考えている方で KURZWEIL に興味があれば是非チェックをオススメします。ピアノの音は言うまでもなく素晴らしいですが、オーケストラの音色も凄いですよ。
マニアックで知る人ぞ知るメーカーですが、デザイン、音は本物なので資金に余裕があれば間違いなくオススメです。難点は、独特のインターフェースですのでエディット面で慣れが必要になります。
デフォルトの音源でも十分素晴らしいですが、深い部分まで手を出そうとすれば少し力を入れて向き合う必要が出て来る機種になります (それはどの機種も同じといえますが・・・)
海外メーカーなので国内で購入できる店舗が限られています。
使いやすいかどうか
使いやすさは何の製品でも重要です。
でもまずは「自分がこの楽器でどんなことをしたいのか」を考えてみると良いです。必要な機能やグレードの選択の助けになってくれます。
例えば
•ソロ活動です。一人のピアノ弾き語りなので音色はピアノの音しか使わない。けどピアノタッチで88鍵盤じゃなきゃダメ。ピアノで表現する私の世界観を見てほしい。
•メインはほぼピアノの音だけど、他の音色も使いたい。ピアノにストリングスとかを足してサビなどで壮大な感じで弾きたい。
•インスト(歌無し)バンドをやるので、色々な表現をしたいので音色はたくさん欲しい。そして音色をすぐに切り替えたい。
•家で作曲やBGMを作りたい。でも元々ピアノから始めたしピアノの曲も作りたいのでしっかりしたピアノタッチが良い。特に運んだりしないので重さは関係ない。
•私はサポートキーボードで色々なバンドを手伝っている。だからリハとかライブの数も多くて持ち運ぶ回数がとても多い。重いとやってられない。だからとにかく軽くてすぐにセッティングできる方が良い。タッチなどはどれでも対応できるから別に問題ない。
まだまだ他にも色々あると思いますが、人によって欲しい機能、重視する点が違います。自分が何をしたいのか、それがこの楽器で実現できるのか、または100の機能の内、よく考えたら20しか使わないのかなど、色々考えてみましょう。
RD-700NXをおすすめする15の理由
1、非常に頑丈である。ぶつけてもびくともしない
2、安心の日本メーカーRoland、サポートも万全、分からない事はサポートへ
3、ピアノの音、タッチに関しては他の機種の追随を許さない
4、1000を超える膨大な音がある。とりあえず普通に使う分で音に困る事はない。
5、音色を重ねたり、重ねた音色の音量調整が瞬時に可能
6、弾きながらイコライザーやエフェクトが瞬時に操作可能
7、サウンドフォーカス機能で音がバンドに埋もれない
8、演奏中どの音色を選んでいるか視認性抜群のLEDディスプレイでよくわかる。
9、音色ボタンがカテゴリーごと分かれていて、すぐ呼びだせる
10、自分だけのライブ音色セッティングリストを設定できる
11、スーパーナチュラルピアノ音源でピアノの音が無段階で表現できる
12、作曲時でも即戦力の1000音色群がイマジネーションをかき立てる
13、USBメモリーに自分の弾いた音を録音できる。このwav録音の音質が良い
14、シンセサイザー的な細かい設定も可能。プログラミング派のあなたに
15、ライブで音色を変化させる為に使うコントローラーにすぐアクセスできる
「何で迷っているのか」を改めて考える
何かを買う時に色々と迷う理由はだいたい決まってます。
「お金の問題=コストパフォーマンス」です。
(ぶっちゃけこの悩んでる時間が一番楽しいのですが笑)
とりあえず他にもキーボードを持っていて一通り機能とかだいたい知ってる方や、自分で調べたりお店に行って弾いたりして自分で決めれる方は大丈夫です。
そこまで行動力があれば問題ありません、あとは自分で決断しましょう!
問題は「ステージピアノを今まで買ったことがない人」なんですね。
とても不安だと思います。私も一番初めに楽器を買うときはとても不安でした。忘れもしません高校生の時、バイトで貯めたお金で生まれて初めてシンセサイザーを買いました。
KORGの「TRITON STUDIO 88 CD」という機種でした。当時約35万円もしました。
シンセなど知らない親は「なんだソレは、そんなもの買って本当に大丈夫なのか」と何度も止められましたよ。
高校生でバイトで貯めた自分のお金は自由に使える時代でしたので一括で買いましたが、中にはローンで買おうとしてる人もいるかもしれません。
ということで、少し製品を買う時の本質を考えてみたいと思います。
楽器の「本質」を理解する
この答えですが、私なりに言わせてもらうと、楽器は弾く人のレベルで決まります。なのであなたが成長さえすれば、最終的にはどれを買おうが必ず「値段分の価値」を引き出せるのです。
本質を理解している人は、どんな楽器でもある程度のところまでは使いこなしてしまいます。RD-700NX をずっと使ってくだけでもかなりのことが分かると思いますよ。
私はサウンドトラックやBGM制作などでこの機種の音色群から、ものすごいインスピレーションをもらいました。これで一つのサウンドトラックが出来たくらいです。
私も購入する前は「多分殆どピアノだけしか使わないけど、高いかな・・・」とか「ライブやらなくなったら売ろうかな」とか色々考えてました。
結果的にバンドを解散しライブをやらなくなりましたが、その時にずっとやりたかった「ゲーム音楽の作曲をやろう」と思いつきました。
その時に RD-700NX を売ろうか迷いましたが、売ってしまったらまたいつもと同じ流れだな・・・と踏みとどまり「よし、これだけで作曲してみよう」と決心したのを今でも忘れていません。
こちらはファンタジーRPGのゲーム音楽をイメージして作った曲です。
ほぼ RD-700NX の音色のみで作っていますので、もし音色に関して動画や誰かが弾いたりするような感じでは参考にならない、と迷っていたら是非こちらを参考にしてみてください。
90%は RD-700NX の音だけで作ってます。8%は Roland JUPITER-80 のヴァイオリン音源、2%は Minimoog Voyager を使用しています。
エフェクターは主にリバーブですが、 DAW のものと RD-700NX の双方を使用しています。この頃は MIDI 修正を使わずに手弾きで全て弾くことにこだわりを持っていたので、DAW を MTR のようにシーケンサー代わりにしてました。全てメトロノームを聴きながら練習して手弾きで打ち込みましたので、リズムの修正 (クオンタイズ) をしていません。従ってリズムがよれよれですが、そういった生々しさも表現したかったのでこれはこれで良い経験になったと思っています。
最後に
主に私の体験談からの感想になってしまいましたが、以上が RD-700NX を使用した一つの結果です。ライブにも、ピアノの練習にも作曲にも私は使用してきました。そのどれもが想像以上の働きをしてくれていますが、同時に「こちらもこの楽器とそれなりに向き合う必要がある」と思わされました。
特に作曲する前に売ろうとした時が岐路だったと思います。あそこでこれを売っていたら、上記の音楽が作られることは無かったと思うとゾッとします。この作曲が自分の自信に繋がり、現在の活動の基盤になってくれたことを考えると、切っても切りはなせない関係になってしまいました。恐らく壊れるまで使うでしょう。
というわけで、必ず使い込めば値段以上の価値を提供してくれるはずなので、一度ステージピアノを買うと決めたら「絶対使い倒してやる!」「気合いで持ち運んでやる!」「こだわりをアピールしてやる!」というくらいの気持ちでいきましょう。