ファイナルファンタジー3 のゲーム音楽レビュー
#9 封印の洞窟
この曲は基本的にはFF3のダンジョンで流れる曲ですね。
「クリスタルのある洞窟」の曲と比べて、暗く、ジメジメとした空間を感じさせる、まさにこれぞ「正統派ダンジョン」といった感じの曲です。
この曲も、前回の「ジンの呪い」と同様にそのまま封印の洞窟という曲名になっていますが、封印の洞窟だけでなくFF3のダンジョン全般で使用される曲になります。
(今回の事件で唯一呪いにかからなかったサスーンのお姫様サラ。彼女を呪いから救ったのがいつも身につけていた「ミスリルの指輪」だ。たった一人で洞窟に乗り込みむとはw。なんてお転婆なお姫様だ。)
プレイヤーの視点
この曲を聴くとマミー、レブナント、呪いの銅貨などアンデット系のモンスターを思い出す。怖いんだよねぇ攻撃力が高いからクリティカルが出ると瞬殺される時もある。赤魔導師の聖剣「ワイトスレイヤー」が唸る唸る。まぁモンクでゴリ押しでもいいんですが・・・。
封印の洞窟以外では「地底湖」で流れている時も印象深いですね。
地底湖っていう雰囲気まさに出てるし。ポタポタっていう水の感じ。
後半の曲の展開がちょっと怖い。。。
(分かれ道。片方は宝箱があるが、バトルで消費する体力とどちらを選ぶか。MPが少なく、脱出魔法などがない序盤では、この選択が命取りに成りかねない。サラ姫は最初のサブキャラだが、サブキャラに話しかけるとランダムな会話を楽しめる。結構これが一人じゃない感じがして心強い。主人公たちの後ろについてくる姫の動きが怖い・・・。)
奥へ進むと・・・
(こいつが今回の呪いの元凶「ジン」だ。隠しスイッチなどがある部屋を抜けた洞窟の最下層にいる。炎の力を操るのでサスーンの城にあった黒魔法「ブリザド」が活躍するが、祭壇の洞窟で手に入る「南極の風」でも効果は抜群だ。かなりブサイク。)
作曲者としての視点
曲構成は
主題→展開→リピート
イントロなどもなくいきなり主題から曲が始まる。
まさにファミコン時代のループ曲の基本的な構成ですね。
主題
三角波による8分音符の下り「んったんったんったんった」
このリフがまたコレ「こっちのがメロディじゃない?」っていうくらい印象深いんですね。
曲全般に言えることですが、三角波の音色の魅力を引き出す音域、フレージングがホントに考え込まれていますね。さらにPSG音源の特徴も相乗して余計に主旋律と同等な位置に君臨してる。
私が思うに、この三角波の音量がメロディと同じくらい大きいのも一役買っていると思います。好みもありますが、人によってはこのミキシングが「メロディより目立ってダメ」ってなる人もいるかもしれない。ちなみに私はかなり好きなミキシングだ。ベースのフレーズが良い曲は総じて曲も良い。
展開
このセクションでは音階などよりも、奥で鳴る矩形波によるクレッシェンドやデクレシェンドなどによる「音量調節」による演出で不気味さを表現している。
奥で矩形波がフェードイン、アウトを繰り返す中、矩形波、三角波による「た〜ら」という一定音量の合いの手フレージングが音量格差を生み出しており、それがメリハリ、雰囲気の演出に貢献している。