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前回ではシンセサイザーの大まかな種類を簡単に紹介しました。
今回は現在主流である「デジタルシンセサイザー」についてザッとご紹介したいと思います。これであなたもシンセが好きになるかも!?
目次
- デジタルシンセサイザー
- ワークステーション・シンセサイザー
- デジタルシンセの音色
- デジタルの利点
- キーボードの種類
- ポータブル・シンセサイザー
- 中級向け ワークステーション・シンセサイザー
- 上級向け ワークステーション・シンセサイザー
- 最後に
デジタルシンセサイザー
現在主流なのは、その利便性から「デジタルシンセサイザー」なのは間違いありません。
前回でもお話した通りキーボードは色々な音が出せます。簡単に言ってしまえば「箱の中に入っている色々な音を引っ張りだして鳴らしている」というイメージです。
その過程は本当に複雑ですが、基本的に「内蔵されている音を選んで鍵盤を押す」たったこれだけの最小限の動作で色々な音が弾けるように設計されています。
PCM音源
PCM音源 とは、簡単に説明すると「色々な楽器の音を録音 (サンプリング) して鳴らす (再生する)」という仕組みになっている音源方式になります。リアルな楽器の音を始めとした、様々な音を鳴らせる現在主流のデジタルシンセ、ファミリーキーボードなどの代表的な音源とも言えます。
キーボードがピアノやヴァイオリン、ドラム、シンセの音が鳴らせる仕組みは、これら一つ一つ楽器の音を【波形】として録音し、鍵盤の各音域でそれぞれ適性な音、音程で鳴るように設定されている為です。
こちらは PCM音源 を普及させるきっかけとなった KORG M1 というシンセサイザー。
https://www.matrixsynth.com/2014/08/korg-m1-keyboard-synthesizer.html
今では実機は中古でしか入手できませんが、iPad のアプリで M1 を再現している動画をご紹介します。MIDIキーボードを iPad に繋げて音源を鳴らしています。左にあるシンセは本物の M1 になります。実機とアプリを実際に弾き比べていますので参考にしてみてください。
現在ではこのように昔のシンセサイザーの価値が見直され、デジタルでシミュレートし再現出来るようになりました。iPad のアプリで販売されている音源は限られていますが、これらのアプリは中古で実機を入手する敷居の高さを払拭したと言っても良いでしょう。当時のシンセの音に興味を持ったなら、是非入手して欲しいですね。
KORG iM1
実機と音源が同じでも、アウトプットまでの回路が違うこともあり完全に音は同じではないですが、弾き比べしない限りは分からないレベルです。
FM音源
冒頭で紹介した YAMAHA DX7 は「FM音源」と呼ばれる音源を採用、KORG M1 よりも5年ほど前に登場し、先行してデジタルシンセを普及させるきっかけになりました。PCM音源 とは違った音源方式ですが、音作りの幅が広く今でも人気の音源です。
金属的な音が特徴で、アタック感の強いエレクトリックピアノ、ベルサウンドなどの音色の表現を得意としています。
こちらは DX7 の上位機種である DX7ⅡD の動画です。
PCM音源 に比べると楽器の再現性では完全に劣りますが、音作りの幅自体は広いので、音を作ったりパラメータをいじって音色の変化を楽しんだりするだけでも楽しいですよ。またそういった演奏家以外の人たちにも愛されている音源です。
最近では FM音源 も音源の一つとして、KRONOS などの上位機種に搭載されています。
ベロシティ
楽器には基本的に「強弱による表現」もありますから、それらも出来るだけ違和感無く表現出来るよう「強く弾いた時はこの音、弱く弾いたときはこの音」といった具合に膨大な時間をかけて、様々な強さの音が録音されて作られています。
このタッチの強さによる表現を「ベロシティ」と言います。ファミリー向けのキーボードの名称で言うと「タッチレスポンス」という機能ですね。タッチレスポンスが付いていないキーボードは、どんな強さで弾いても一定の同じ音しか鳴りません。
またシンセサイザーはこういったベロシティ設定を任意で変更できます。
例えばキーボードには良く「Rock Piano」という音色が入っていますが、このピアノ音色は弱く弾いても大きな音が鳴るんですね。
これは文字通り、ラウドなロックサウンドでピアノの音がタッチの違いで埋もれないように、弱く弾いても強く弾いたときの最大の音が出るように設定された音色です。これなら常に強いタッチで弾いていなくても良いので手も疲れません。
ただ、当然タッチで表情をつけたいジャズやメロウなバラードなどの曲には向きませんので、曲やジャンルに応じて使い分けていくと良いでしょう。力強いロックバラードなら良いかもしれませんね。当然ですが、例えロックでもタッチで表情をつけたい場合は選択外としましょう。
基本的に音色はタッチ(ベロシティ)が大きければ大きい音が、弱ければ小さな音が鳴るように設定されています。
MIDI
デジタルシンセサイザーは、その名の通りデジタルと言うだけあり、電子制御によって音作りや演奏に必要な様々な機能がコントロール出来るようになっています。これらは「MIDI」と呼ばれる情報規格によって統一されています。先ほどの「ベロシティ」もMIDI情報の一種です。
音色を選んだら出したい音がすぐに鳴り、強く弾いたら大きく鳴る、というのは当たり前のようで実はすごい事なんです。
メモリー
デジタルシンセサイザーに最初から入っている音色は【プリセット音色】と呼ばれ、メーカーのサウンドプログラマーによって作られた様々な音色が入っています。
その音色数や音色の質などは、デジタルで制御する以上はメモリー容量に依存します。当然メモリーがたくさんあるシンセは、音色の表現力も高く、音色の種類も幅広いです。
ただ、メモリーが少なくとも音が良く聴こえる工夫はどのメーカーもしてきたことで、一概にメモリーがたくさんあるから良い音、とは言い切れません。この辺はサウンドプログラマーなどの技術者の腕に依存しますので、優秀な人が設計したものは小容量でも素晴らしい音が鳴ります。
KURZWEILのピアノ音源
PCM音源の中でも、ピアノの表現は最も難しいとされていますが、KURZWEIL というメーカーのピアノ音源はメモリー容量が少ないにも関わらず非常に評価が高く、当時他の機種よりも数段突き抜けていました。
KURZWEIL K2600X
https://en.audiofanzine.com/workstation/kurzweil/K2600XS/medias/pictures/a.play,m.227274.html
こちらは上記の KURZWEIL の当時のフラッグシップモデルであった K2600XS というシンセを使用するキーボーディスト「ジョーダン・ルーデス」のライブパフォーマンス。 彼は K2600 シリーズのチュートリアルビデオの解説もしており、このシンセの機能を最も使い倒したキーボーディストです。
ユーザー間では KURZWEIL のピアノの良さについて話題になり、また小容量のメモリーなのになぜこんなに良い音・・と言った声もありました。
その理由は KURZWEIL にはジョー・イエラルディというピアノ音源のプログラミングの天才が携わっていたからです。
https://www.watanabe-mi.com/shopping/list/p38459/
彼は KURZWEIL を辞めた後に、上記の「Ivory」というソフトウェアのピアノ音源を発表しました。Ivory はそのサウンドの高さから、プロアマ問わず世界中のミュージシャンより絶大な評価を得ています。
こちらはデモ音源になります。素晴らしいピアノ音源ですね。
Synthogy | Media Integration, Inc.
このようにプログラミングの技術や、各製品の音が外に出るまでの構造によっても音は変わってくるので、シンセサイザーやキーボードを選ぶときは、一概に値段やスペックなどに惑わされず、実際に音を自分で聴いてみてから判断する、ことが大事だと思います。
また、実際に楽器店へ赴く時はヘッドフォンを持参することをオススメします。
楽器店によっては適当なアンプに繋いであることも多く、まともな音が鳴らない店も多いです。また調整が酷くキーボードを試弾するコーナーに値しないような環境設定になっていたりする店も少なくありません。小さい音で鳴らしても正直確認になりません。
各ジャンルで求められる音
このように、PCM音源 は基本的に楽器の音を録音して鳴らす方式の為、各楽器の再現が一つの目的ではありますが、もちろんリアルな音ばかりを目指しているわけでは無いんですね。バンドで鳴らした時の感じや、または音楽的な表現でどうか、この音楽ジャンルではどうか、と言った価値観も存在します。
例えばピアノのリアルさを例に KURZWEIL を紹介しましたが、ちょっと前に動画で紹介した「KORG M1」のピアノ音色は、アコースティックピアノからはほど遠い音色ですが、トランスなどのジャンルを中心に、色んなミュージシャンに愛されています。
Roland JD-800
https://www.matrixsynth.com/2016/01/roland-jd-800-programmable-synthesizer.html
また小室哲哉さんが自身の曲で「Roland JD-800」というビンテージデジタルシンセのピアノ音色を積極的に使ったことによっても、このピアノ音色は人気となっています。
このように、メーカーが用意した音を誰がどう使うかによっても楽器のイメージや価値は変化すると言っても良いでしょう。人はイメージを持って製品を選んだりもしますので、憧れのアーティストが使っているから欲しい、というのも何かを始める初動としてはとても大事だと思います。
ワークステーション・シンセサイザー
冒頭で紹介した KORG KRONOS のような「ワークステーション・シンセサイザー」は、演奏、サンプリング、作曲、エフェクター設定など、音楽活動をする上で必要になるであろう様々な機能が凝縮されたシンセサイザーです。
エントリーシンセとしては価格も高く敷居が高いのですが、最終的に色々な事ができるので応用性が高い「61鍵盤数」のモデルを一つ購入しておくと、長く付き合える機種になります。
どのメーカーも基本的に大まかな機能は同じなので、デザインが似たような形になっていますが、デザインを統一することでどのワークステーションを触る時もボタンの配置や機能などが分かり易い、というメリットもあります。
このように、ワークステーションシンセは「デジタルシンセの中では何でも出来る中心的存在」なので、どれか一つ持っておくと将来的には色々とライブや制作にも対応出来るかと思います。
以下は全てピアノタッチの88鍵盤モデルになりますが、61、76(73)モデルも存在します。鍵盤が少ないほど価格も安くなります。
KORG KRONOS 88
KRONOS X Music Workstation|KORG INC.
YAMAHA MOTIF XF 8
MOTIF XF シリーズ - シンセサイザー - ヤマハ株式会社
Roland Fantom G 8
Roland Fantom-G6 | Music Workstation
これらは国内3大メーカーのワークステーションですが、外観の素材や材質は違えど基本的なデザインが似ています。それに比べるとアナログシンセなどは、やれることが限定される代わりに、個性的なデザインであることが強みだと思います。
デジタルシンセの音色
デジタルシンセサイザーには「STRINGS」「BRASS」「PIANO」などといったカテゴリーがあり、その中にはカテゴリーに応じた音色が色々入ってます。
それらは前述したように、そういった生楽器の【波形】を何重にも録音、設定されて音が作られています。(PCM音源、またはサンプリング音源と言います)
デジタルの利点
デジタルシンセはその名の通り、数値でパラメータを管理しています。
こちらに書いてある用に、アナログのような0と1の間のような表現を連続的に表現するには劣りますが (とはいっても最近のデジタルシンセも十分すごい) 、デジタルの良いところは数値を記憶しておけるという点です。
自分が作った音色をすぐに呼び出せることが今では当たり前ですが、当初のシンセサイザーはそうではありません。使いたい音色ごとに設定があり、その時その時でシンセサイザーのつまみやスイッチを回して作っていたのです。
今ではそのような作っている過程もすでに演奏、と言えるでしょうが、音楽のジャンルによっては一曲のパートごとに即座に求められる音色を弾かなければならないので、その場合アナログシンセ一台では対応しきれないのは確かです。
キーボードの種類
キーボードの機能やシンセの触りについて色々語ったところで、最後にキーボードの種類をざっと上げてみたいと思います。
大まかにシンセサイザーについてお話しましたが、恐らくキーボードを始めようとする人が最初に購入するであろう機種は「デジタルシンセサイザー」だと思います。色々な音が出た方が活躍出来る場面も多いはず。
その中でもデジタルシンセには、色々な種類があります。
現行機種を例に、おおまかにカテゴライズして少し説明を補足したいと思います。
- ポータブルシンセサイザー (軽量、簡易操作、即戦力音色)
- ワークステーションシンセサイザー (一台で音楽制作を完結、ライブもOK)
- コンボオルガン (オルガンを弾く事に特化した機種)
- バーチャルアナログシンセサイザー (アナログシンセをモデリング)
- ボコーダー (声を使った演奏表現)
重視する点は色々ありますが
- 値段 (コストパフォーマンス、やりたいことに対して適性か)
- 重さ (無理なく運べるかどうか)
- デザイン (あなたが惚れているかどうか)
- 音色 (メーカーにより同音色でも音が違う、内蔵エフェクターによっても違う)
- タッチ (シンセタッチ、ピアノタッチ)
- 機能 (何が強みなのか、何が出来るのか)
- 鍵盤数 (ジャンルがピアノスタイルでなければ基本61でOK)
基本的にはこれらがメインになってくると思います。
今回は現行モデルのオススメの「デジタルシンセ」を紹介したいと思います。
(アナログモデリングシンセサイザー、コンボオルガン、ボコーダーなどは今回は割合します)
ポータブル・シンセサイザー
各メーカーの可搬性が高い入門向けのシンセになります。とはいえ、音はすばらしいのでもはや弾き手の言い訳が出来ないクオリティです。上手い人が弾けばこれで十分です、というラインナップです。
このクラスに求められていることは「軽量」「即戦力の音色」「簡単操作」の三点です。昔はこのクラスだと何か一つくらいは欠点というものがありましたが、基本的にこの三点のコンセプトで考えると文句の付けどころががありませんので、最初から入っている音色が気に入ってデザインが良ければ買いでしょう。
また乾電池で騒動する機種もあるので、ストリートライブにも適してますよ。
個人的には「 Roland JUNO-DS61」がオススメです。
KORG KROSS シリーズ
とにかく軽量、カバンでも運ぶかのようにスタジオ、ライブへ持ち出せます。電池騒動も可能なので家でもヘッドフォンがあればどこでも弾けます。また KROSS はシーケンサーも付いているため音楽制作も可能です。
サウンドセレクターによる音色選択も魅力ですね。ピッチベンドホイール (音程を手動でコントロールする機能) 、モジュレーションホイール (音色の変化を設定できるコントローラ) が左上にあるので、そこをどうとらえるかによります。鍵盤は61、88の二種類あります。
KROSS Music Workstation|KORG INC.
YAMAHA MX シリーズ
この後に紹介するMOXFのエントリーモデルです。ライブにリハにそして、メインキーボードの二台目のサブキーボードとしても活躍します。ピッチベンドとモジュレーションホイールが左側にあるので、KROSS よりもシンセサイザー系の音色に関しては表情が付けやすいと思います。使い方によっては49鍵盤を選択するメリットは十分にあると思います。鍵盤は49、61の二種類です。
Roland JUNO-DS61
この価格帯、エントリーモデルでとてつもない人気を誇ったJUNOシリーズの最新作です。デザイン、操作性、割り切り性からして学生や趣味でバンドをやりたいと思っている人へ自信を持ってオススメ出来るキーボード。
乾電池でも騒動する他、重さは5キロ弱。すごい時代です。演奏することを重視して考えられた製品なのでライブ用と考えた方が良いでしょう。レイヤーして重ねた音色の音量調整がスライダーで出来る点はアドバンテージだと思います。鍵盤は61、88の二種類。
Roland JUNO-DS61 | Synthesizer
中級向け ワークステーション・シンセサイザー
この後に紹介する上級向けのワークステーションの一歩手間のグレードになります。
エントリーとしては「これで十分でしょ」というレベルです。シーケンサーも搭載してますので音楽制作も可能です。
それから当然軽いので、可搬性も上級向けのワークステーションに比べて良いです。デザイン、操作性、音色で選ぶことになりますが、KROME はカラーディスプレイでタッチビューなので完全にアドバンテージです。
生楽器の音は MOXF の方が優れていますが、ディスプレイが小さい上にボタンも多くタッチビューでは無いので操作性で KROME に劣ります。慣れれば問題ありませんのでお好みで。
KORG KROME シリーズ
タッチビュー画面は、KORGがいち早く取り入れた技術でこれが最強の武器です。さらにこのクラスでカラーLEDを搭載しているので、視認性が抜群です。そのため各モードの設定画面で自分が今どこにいるのかなど階層が把握しやすいです。それが結果的に音楽制作、音色設定のスピードを向上させ、ライブの暗がりでもカラーLEDが活躍します。音色も本当に素晴らしい。88鍵盤モデルでも15キロほどなのでピアノ重視の人にもオススメ。鍵盤は61、73、88モデルあります。
YAMAHA MOXF シリーズ
アルペジエーターが8000種類もあるので、音楽制作でこれらを使ったアイデアが欲しい人には飽きがこないと思います。即戦力の音色がたくさん入ってますので、ライブでも一応は活躍してくれるでしょう。ただボタンやノブが非常に多いので慣れが必要。生楽器系の音は惚れ惚れします。DAW との連携も良いので、基本的にはやはりライブよりも制作寄りになります。鍵盤は61、88の二種類のみ。
上級向け ワークステーション・シンセサイザー
中盤でも紹介したワークステーションシンセで、音楽制作に必要な機能を全て備えてます。作曲、演奏、プログラミング、エフェクター、サンプリング、数多の音源も内蔵されており、贅沢すぎるシンセです。新製品はとにかく高額ですが、それだけの価値がありますのでそんなこと言ってられません。
基本的にプロアマ問わず需要が高い機種のため、色々なユーザーに対応するべく鍵盤数は61、76 (73)、88と3種類あります。どれもメーカーの顔となるフラッグシップモデルになりますので、基本的に使いこなせば一台で一通りのことは出来ます。
ひとまず明確な目的が無いのであれば、まだ手を出さない方が良いでしょう。
すべての機能を簡単に使いこなせるほど甘くはないのですが、それだけ一生付き合っていけるレベルのシンセサイザーです。
KORG KRONOS シリーズ
TRITON、Mシリーズの現行機種。KORG の最強シンセ OASYS を超えたことで注目。9エンジンと呼ばれる9つの音源から音色作りが可能です。膨大なメモリーが武器で、全ての音色を贅沢に収録しています。今回 KRONOS で初めて73鍵はピアノタッチを採用しました。従って積極的なピアノアプローチ、可搬性にも十分対応できます。鍵盤は61、73、88の3タイプありますが、ライブで使用するなら61鍵、73鍵がオススメです。
KRONOS | MUSIC WORKSTATION | KORG
YAMAHA MONTAGE シリーズ
最近発売された MOTIF シリーズの最上位機種。Motion Control というエンジンを使用した最先端のシンセコントロール機能がウリです。新搭載スーパーノブは複数のパラメータを一気に動かすことができるコントローラ。未知の領域へ誘うシンセです。
ラインナップ的には MOTIF シリーズを超える最上位機種ですが、シーケンサーなども備えているものの、ワークステーションの位置付けではないようです。一応紹介までに・・・開発者的には、シンセサイザーとして扱ってほしいとのこと。
というわけで、最初に買うなら下記の MOTIF シリーズをオススメしたいです。鍵盤は61、76、88の三種類あります。
YAMAHA MOTIF XFシリーズ
MOTIFシリーズは、YAMAHAの昔からのフラッグシップモデルで、多くのキーボーディストが使用しています。デザインがスタイリッシュで、やはりアルペジエーターの内蔵数が多く EDM (エレクトリックダンスミュージック) などのジャンルに向いています。また、生楽器の音色も良いのでそのようなジャンルも攻めたいのであればオススメしたいです。鍵盤は61、76、88があります。
MOTIF XF シリーズ - シンセサイザー - ヤマハ株式会社
Roland FAシリーズ
中盤で紹介した Fantom シリーズが生産終了したのでこちらが現行機種となっています。音色は Roland の定番ものから最先端のものが搭載されていますが、最近の Roland は製品コンセプトが変わってきている為、KRONOS 、MONTAGE と比べるのは筋違いになるかもしれません。その為値段も安いです。88鍵、ピアノタッチでワークステーションの機能を一通り求めるならこれがオススメ。61鍵盤もあります。
Roland Synthesizer - Performance / Workstation
なお、記事中でも紹介した Fantom シリーズは中古でも人気の機種であり、比較対象としては YAMAHA の MOTIF クラスのワークステーションになります。以下に Fantom G の製品リンクを貼っておきますので参考にしてみてください。
Roland Fantom-G6 | Music Workstation
最後に
デジタルシンセについて簡単ですがザックリと紹介しました。
デジタルの利点は数え切れないくらいありますので、最初の一台はデジタルシンセで決まりだと思います。デジタルにも色々と種類がありますが、オススメはワークステーションシンセサイザーの61鍵盤か、76 (73) 鍵盤です。
一台あると長い目でみて便利だからです。
正直使い方は難しく中級者でも全ての機能を使うのは困難ですが、音色膨大なので選んで弾くだけも十分魅力的です。
エディットは少しずつ出来るようにしていければ良いし、エディット出来ないのにワークステーションを持っていることを気にする必要は全くありません。
誰でもみんな最初は何も分かりませんので大丈夫です。もし予算があれば視野に入れていきましょう。
次回はアナログシンセサイザーについて簡単に紹介しますので、こちらも是非目を通して頂ければと思います。