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ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」を運営する傍ら、キーボーディスト向け、ゲームミュージックの作曲に特化した専門的な内容を書いています。最近はアンビエント、ヒーリング・ミュージックを追求しています。2月はオーケストラ系の素材曲を作っています。

作曲を始めた方へ【ゲームサウンド制作に対する考え方と方向性】を提案

アレンジテクニック集 作曲テクニック集 ゲーム音楽アレンジ 作曲/編曲

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http://www.wanpug.com/illust255.html

このブログのメインコンテンツの一つとして「ゲーム音楽の作り方」を独自の視点で提案しています。まだまだコンテンツは少ないのですが、徐々に増やしていきます。

目的別によって色々な作曲、アレンジ方法などを書いていきたいと思っていますが、それらは私なりの"ゲーム音楽"を作る上での一つの方法論に過ぎません。なので参考程度に気軽に読んでいただけると嬉しいです。

目次

はじめに

ゲーム音楽を作る上で決まった方法論などは一切ありません

作曲だけでなく、ゲームに対しても様々な価値観や、文化、基準、思想、歴史がある中、かなり無謀ではありますが、作曲を始めたばかりで「ゲーム音楽を作ってみたい」と思っている方へ、少しでも何かしら参考となる部分やアイデアのキッカケになれば嬉しいです。また、単純に読み物として興味がある方も是非読んでみてください。

BGMの使われ方

この場面にはこういう音楽でしょ」という既成概念はゲームに限らず様々なコンテンツで存在しますが、特にこれと決まりきったような曲の使われ方、というのは存在しません。

極端な例えですが、シリアスなシーンにギャグ的な曲をはめ込む場合もあるわけです。これはもちろん狙いがあってそうするわけですが、各シーンにどんな音楽を充てるかは作曲とは違ったセンスが必要になります。チームで制作するならば、それは演出家の役目だったりします。

音楽の作り方は作曲者の数だけありますが、作品の作り方はクリエイターの数だけ存在します。曲を作るのは作曲家ですが、曲を活かすのはまた別の人間です。

先ほどの例えのように、どういった画面にどんな曲を充てるのか、その決まった考えは当然無く、演出家を始めとしたコンテンツを構成する人が持つイメージ次第で、曲の使い方は無限に広がるからです。

作曲の考え方

私は作曲を"想像と発見と実験の塊みたいなもの"だと思っています。

絵なども同様で、テーマや対象物、背景、ポーズ、アングルなど、構成力も含めてその人の持つ考えの集合体であると考えています。曲の作り方は、ある程度経験を積むとその人の独自の方法に依存します。

その理由として、先人たちの作った数えきれない膨大な音楽の中から偶然にも巡り会った曲たちに影響を受け、自分のものとして消化していく。それが結果的に、良くも悪くもその人しか作れない音楽、または個性の一つとなっていくと思っているからです。

曲作りの難しさ

作曲は、始めたばかりの時期がもっとも楽しく、また、もっとも難しいと思います。

曲のクオリティが一定の基準に達するまでは、喜びと自信を損失することの繰り返しです。クオリティの基準などは抽象的なもので聴く人次第な部分もありますが、「曲を作ること」と「聴くこと」は別物です。

他人の曲と自分の曲を比較する事これが技術を向上させる最初の一歩ですが、同時に悩みのタネを撒くことにもなります。ただ単純に比べるだけでは落ちこんだり、精神力次第では自信を失う要因にもなり得ます。

なので比べるだけではなく、同時に曲を「分析すること」もセットで考えましょう。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

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その際には「何が自分には足りていないのかを分析することに視点が行きがちですが、出来た自分の曲の中から「自分だからこそ出せた素材は何か」これも同じくらい考える必要があると思います。

技術に視点が行きだすと個性を失う要因にも繋がりますので、自然に自分から出てきたものも大事にしていきましょう。そして、悔しいくらいカッコイイ曲はとことん「研究材料」にしてやりましょう。

曲の技術的なクオリティを上げること自体は、研究と解析、努力でどうにでもなります。技術は悔しさや嫉妬をバネに強化していけます。

ですが、「センス音楽的視点を育てるには、曲をただ漠然と何回も聴くだけではなくこの作曲者は何を考えて、イメージしてこういう音にしたのだろう」という深い部分まで考える必要があります。

オーダーへ対応する難しさ

一つの作品を作る上で、曲を作れないプロジェクトリーダーなどが曲を作れる人へあれこれオーダーしたりしますが、決して「自分の方が音楽を知っているから、あの人は分かっていない」などと言った過信した考えは捨て去って良いでしょう。

役割が違うだけなのですから、そこを突くのは筋違いになってしまいます。

ここで伝えたいことは

音楽を作れない人を納得させることが出来なければ問題外」ということです。

これはなかなか難しい問題だと思います。

特に自分の曲を理解してもらえない疎外感と、苦労して作った達成感とはまるで水と油のような関係だからでしょうか。

一日かけて作った曲が微妙なのに、30分で作った曲が良いと言ってもらえた時には「聴く人は、何に対して"良い"と感じているのだろう?」こういった疑問が次々と浮上します。

好きな曲のコピー

初めは思ったようなオリジナル曲が作れないので、自分の好きな曲をコピーしたりします。または、それが目的で作曲ソフトなどを購入する場合もあると思います。

コピーはオリジナル曲を形にする上では必要な過程であり、音楽的な自信をつける第一歩だと思います。とりあえずやってみると案外形になるものです。

しかし、コピーとは曲の複写なので、よほど複雑な曲でなければコツを掴むか訓練さえすれば可能です。また、コピーに対する世間の評価は、曲自体の持つ力に依存します。

自分がどれだけ高度にアレンジしたり、または昔のゲーム音源の原曲を今のリアルな良い音源を使用して迫力のあるアレンジをしたところで、原曲の良さを改めて再提示するだけになります。

その為、コピー行為に関しては「自分なりの目的」を定めるべきだと思います。

コピーする多くの人は、原曲への深い愛や尊敬を持って再現している人が殆どなので「原作愛を示す」これもきちんとした目的の一つだと思います。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

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コピーの目的

となると、最終的にオリジナル曲の作曲を考えている人がコピーに求めるべき事の一つとして、自分のコピー能力の誇示ではなく、自分が良いと思った曲が、自分が好きになった曲がどういう風に作られているか曲の本質を探ることだと思います。

完全コピーをしても、採譜能力、コピー能力自体に賞賛は出来ますが、どこまで高度なアレンジをしても残念ながら自分の曲ではありません。

また、アレンジやカバーはまだ別ですが、フレーズだけの完全コピーに関しては絶対音感を持つ人で音楽の素養がある人からすれば、ただの採譜の作業と大差ありません。

コピーは、曲を再現することが最終的な目的では無く曲を再現する過程で曲の構成を理解したり、音の使い方を発見したりすることが重要で、それが最終的には自身の作曲の引き出しやアイデアへ繋がる行為だと思います。

フレーズのコピーだけでなく、何の音色を重ねていたり、どんなエフェクターを使って音を仕上げているのかなど、これらがある程度分かってくると「この曲みたいな雰囲気で」と依頼された時に、音色面などでつまづく事が少なくなると思います。

もちろんフレーズはもとより、音色までも「完全コピーを目指す、再現する」のが「目的」であれば、それも素晴らしいことだと思います。

これらは DTM だけに言えることではなく、バンドでライブをすることでも同じことが言えると思います。

コピーの需要

もちろんコピーの良いところはまだ他にもあります。

例えば、フレーズはそのままで、音色だけを変えたりするアレンジやコピーを希望するファンもたくさん存在します。このように「公式とは違った雰囲気のアレンジを聴きたい」という需要が考えられます。

そういった人たちが望むアレンジやカバーをすれば、ファンがそういった「自分たちが好きな作品のカバーをしている [あなた自身] に興味を持つ」ようになり、「最終的にはあなたの音楽を好きになったり聴いてくれるキッカケに繋がる」かもしれません。

このように、目的を持ってコピーやカバーをする事をオススメします。

音楽の三大要素

音楽には三大要素と呼ばれる属性が存在します。

  • メロディ (旋律)
  • ハーモニー (和声)
  • リズム

音楽を構成しているこの三大要素、これら「ハーモニー」「リズム」「メロディ」を一定の基準で操れれば、高い確率で曲を大衆的なイメージへと近づけることができるのではないか? というのが私の考えです。

ちなみにこの中で一番重要な要素は「リズム」であると私は思っています。意外とメロディでは無いのですが、結局メロディもリズムから作られている為です。

音の三大要素

今度は先ほどの"音楽"ではなく、の三大要素になります。

  • 音の強さ (大きさ)
  • 音の高さ (低音〜高音)
  • 音色 (楽器)

これらは全て「音の印象」を司る要素です。音色が違えば、音の高さが違えば、音の大きさが違えばその印象は全く変わります。

この三大要素も、大衆的なイメージに近づける為の大切な要素になってきます。また、これらの理解は好きな曲のコピーをする事で、早い段階で得られるスキルだと思います。

大衆的なイメージとは?

分かりやすく例えると

A君「この曲、バトルっぽい感じで作ってみたんだけど」

B君「どれどれ...あ、それっぽい。確かにバトルっぽいよこの曲」

 

誰かに曲を使ってもらうことが目的となる場合、作曲はこういった「自分が狙ったイメージを、なるべく多くの人に共有してもらえる確率を上げる」ことが重要になってきます。

1人がバトルの曲だと思うか、99人がバトルの曲だと思うか、その曲が使われた作品がさらに多くの人の耳に触れることを考えたらどちらが重要かは一目瞭然だと思います。

まずは、自分が作る曲を多くの人が持つ「大衆的なイメージに近づける」この作曲方法を考えていく事がこのブログの狙いです。

その理由として、音楽を聴く人には各々の人生経験により、音楽に対するある程度の決まった"イメージ"を持っているからです。これは「音楽に対する既成概念」とも言えます。

これを利用しない手はありません。

この事をしっかり考えて作曲していけば、聴いてくれる人と「イメージの共有」をする事が「高確率」で可能となります。

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場面のイメージに合っているかをまずは優先する

ゲーム音楽を作りたい」と思っているならば、シーンに合わせて音楽を作る事になります。なので「曲そのもののクオリティを上げる事」よりも、まずは「曲調が場面にあっているかどうか」を優先、目指した方が良いです。

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自分だけが「これは一見バトル曲っぽくないが、見方を変えれば新しいバトル曲だ」と考えるよりも、まずは誰もが「この曲は完全にバトル曲だね」と思ってもらえるような曲を作れる方が、自分の作った曲を多くの人と共有できると思います。

何とかその「共有さえしてもらえれば、あとはクオリティを上げていくだけ」です。

悲しい事に、どれだけ凄い曲を作っても、画面と合わなければ使えません

なので、クオリティよりも、まずは「画面とのマッチング」を目指しましょう。

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作曲方法は狭める方が有利

「0」から「1」にすること。無から何かを作ること。全てはそこからだと思います。

作曲は自由にクリエイトするものなので、最終的には広げることが有利です。また広がらざるを得ません、人はそれぞれ違うのですから。

ですが、自分だけの作曲法を見つけるまでは、作曲方法を広くするよりも、むしろ狭める方が有利だと思っています。その方が早く曲を形に出来る為です。

そして、その最初の入り口が、前述した「コピー」や「カバー」だと思います。

最初は入り口を決めて、個性を出すとか何も気にせず何かを作ってみる。それを色々繰り返すうちに自分のやり方が徐々に見えてきます。不思議と最初は何かを参考にしていても、慣れてくると自分で実験するようになり、堅実に作曲を続けていけば、いつの間にか自分だけのスタイルを確立しています

もちろんこの考えは「曲を作る上での一つの提案」でしかありませんので、「それは違うでしょ」と思えば、このサイトを閉じるのも一つの考えですし、「参考程度に見てみるか」くらいに思ってもらえたら幸いです。

「狭める」から「広げる」へ

冒頭で「ゲーム音楽を作る上で決まった方法論などは一切ありません」と書きました。

これはあくまで作曲におけるアイデアの話になります。

この音はこう使うべき、その使い方は間違っている」と言った「一般常識」「狭い作曲視点」の呪縛から解放する言葉だと思っています。

ですが、依頼者の期待通りの曲に近づけようと応えたり、作品の為に作ろうものなら話は違ってきます。

難しいですが、これらを踏まえた上で「作曲に対する発想を広げる」というのがベストではないかと思います。

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他人のスタイルから学ぶ

誰かが提案する方法やスタイルを学ぶ場合は、「その人のやり方をとりあえず参考にして作ってみる」のも一つの手だと思います。そして、「作ってから個性を出すにはどうすれば良いか」を考えていきたいものです。

作る前からあれこれ考える人がいますが、それではいつまで経っても曲は作れません。まずは無個性でも作りきる事、形にする事が大事です。これは私自身、身を持って経験しました。そうすると自信が身に付き、どんどん作れるようになります。

また、他の作曲者の作曲に対する考え方に関しては「共感出来る部分だけ共感すれば良い」です。つまり「拾える部分だけ拾う」という考えです。

人の価値観や考え方、感性はそれぞれ違うので、無理に全部を受け入れる必要はありません。

それからプロの曲だけを聴くのではなく、アマチュア〜セミプロなど、プロを目指している人達のレベルの曲を聴く事も勉強になると思います。

趣味とかアマチュアとかプロとか、音楽を作る上で気持ちの面では真剣であることには変わりありませんが、機材や作り方、仕上げ方など一人一人全く違うので、自分が好きなスタイルの作曲者を追いかけてみるという手もあります。

ゲーム音楽のような「サウンドトラック」だけでなく「歌もの」もそうですが、規模が大きいプロジェクトの作品のCDなどは、作曲、編曲とは別にミキシングは専門の人が行っていますので、それらも含めて参考にしてみると良いと思います。

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どうやって知識を得るのか?

センスがあれば自分が聴いてきた音楽だったり、イメージだけでどんどん斬新な曲を作れる才能を持った人もいますが、殆どの人は何かしら書籍を買ったり誰かから学んだり、自分で参考になるサイトを調べたりすると思います。

私も色々なサイトや書籍を見ましたが、書籍はともかく、参考になったサイトは残念ながらあまり多くはありませんでした。まだ見つけてないだけかもしれませんが・・・。

例えば、作曲や編曲がテーマのコラムに対して「文章で構成されているだけでは、作曲コラムとしては少し具体性に欠ける」と思っています。

アルペジオがどうの、ハーモニーがどうの、では中々伝わり辛いかと思いますので、「なるべく制作過程の音源や参考音源などは添えたい」と思っています。

(このブログを立ち上げたキッカケは、そういった視点や目標からスタートしていますので、役立たずなサイトにならないようにしていきたいものです・・・)

人は基本的に「一回見たり読んだりを体験するだけでも、何かしらの影響を知らず知らずに受けている」と思います。それは音楽に限ったことではありません。

あなたの人生体験、考えや価値観、その積み重ね全てが今の自分を形成しているはずです。それらが、最終的には最も強力な武器 (個性) となります。

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最後に

ゲーム音楽も映画音楽も CM も劇半も、大きなくくりで考えると「映像を引き立たせる存在の一つ」であることには変わりありません。

もちろんサウンドエフェクトや、演出面など、それぞれのコンテンツやメディアに適した音楽表現なども色々あるかと思います。

色々なジャンルの音楽がある中でも、私はゲームの音楽から影響を強く受けていますので、その理由から「ゲーム音楽をテーマにした作曲提案を書き残したい」と思いました。

当然ながら音楽を作る上では「ゲーム音楽以外の視点を持つ事も重要」ですので、その辺は臨機応変に思った事、感じた事を書いていこうと思っています。

というわけで、今回は当ブログの方向性を紹介するような内容となってしまいましたが、これからも時間が許す限り書いていきたいと思います。

「ゲーム音楽をテーマにした作曲方法」に興味がある作曲を始めたばかりの方や、単純に読み物として興味がある方はお付き合い頂けると嬉しいです。

オススメのゲームサウンド関連書籍 

これらの書籍はゲームサウンドの作り方だけでなく、チームで制作する場合の役割、注意点などが書かれていてオススメです。代表的なゲーム音楽の簡単な歴史や、各ゲームハードの仕様による様々な制限、現場のイメージをなんとなく知りたいという方へ。

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