作曲でよくある悩みの1つに
「メロディが複雑になってしまう」
これって結構あるんです。
理由はとってもカンタンで
「人の曲と差別化したいから」
僕も作曲を始めた最初の頃、
人と違った曲を書きたくて、メロディを凝ったものにしがちだったのですが、
いやはや、
そんなことをしてしまうと言うまでもなく「よくわからんメロディ」になってしまうことがほとんどでした。
今日はメロデイをシンプルにするメリットを書きます。
目次
- メロディをシンプルにする
- メロディを複雑にしまう理由
- メロディの出し方を考える
- 鼻歌
- スケール(音階)
- コード(和音)
- トライアドを軸にするメリット
- メロディはシンプルで、その他を凝ってみる
- 終わりに
メロディをシンプルにする
具体的にシンプルって言うとどれくらい?
「歌えるメロディ、覚えやすいメロディ」
基本なんですが、歌えるメロディがとっても大事なことだと分かっているにも関わらず、なぜメロディを複雑にしてしまうのか?
それも理由があります。
メロディを複雑にしまう理由
本人は無意識に複雑しちゃってることも多いんですが、理由としては
「シンプルなメロディは、曲が単調に聴こえてしまうから」
はい。僕もずっとそう思ってましたよ。
自分の経験でも言えるのですが、メロディがシンプルだとどこにでもあるような曲に聴こえてしまう、そう感じてしまう。
でも、、ある時、ちょっと違うって気がつきました。
よくよく自分が好きな曲を聴いてたらふと「メロディがすごくシンプルだな」って思ったんですね。
でもなぜかそう感じさせない。
それは「アレンジが凝っているから」だったんですね。
おそらく以前の僕は
シンプルなメロディが取られちゃってるから、自分は凝ったものにして個性を出さなければ、、、
そんな風に勘違いしていたんだと思います。
メロディは、シンプルに分かりやすく
アレンジは、自分が今できる範囲で工夫する
メロディとアレンジは別物であり、複雑、凝るべきは「アレンジの方」です。
メロディの出し方を考える
メロディを作るとき、いくつか方法があるんですが、ざっくり書くと
- 鼻歌
- スケール(音階)
- コード (和音)
基本的にはこの3つ。
慣れてくると3つ同時に操れたり、同時に考えることができるようになります。
順番に見ていきます。
鼻歌
鼻歌はあくまで「生み出す手段」であって、最終的にはきちんと音を確認して音符にしないといけません。
鼻歌で理解しておきたいことが
- 鼻歌を録音して、コードやキーを特定していくか
- コード進行を決めてから鼻歌を歌うか
どちらでも良いと思いますが、前者は後から色々確認することが増えますが、代わりに頭の中で作曲できるので場所を選びません。
ちなみに僕は作曲するときは「作曲するぞ」って決めて作るので、普段からメロディが降ってくる、と言うことは無いです。
意識してないから仮に降ってきてたとしてもキャッチできないんですね。
いつでもメロディが天から降ってくる人は、それだけ常に無意識に作曲を考えているのかもしれませんね。
スケール(音階)
スケールで曲を作るときにオススメなのが
「特徴的な雰囲気を出したいとき」
- ブルーズならブルーススケール(バーの曲)
- ジプシーならアラビアスケール(砂漠の街)
- 民族系や和風ならペンタトニック (ケルトやアジアン)
特定のジャンルの曲を作るとき、こういったスケールを使うと、曲つくりがうまくいきやすいです。
僕は上の3つのスケールはよく使うんですが、そう言う場面にドンピシャなのです。
他にも色々スケールはありますし、キーによっては名称が被るものあったりと複雑です。
ミクソリディアン
ドリアン
ナチュラルマイナー
ハーモニックマイナーなどなど
スケールを勉強して全部覚えてから作っても、発想が頭でっかちになってしまいます。
スケールだけ覚えても、ロボットみたいなメロディになりますからね。
そこで、慣れないうちは「コード」から作るといいです。
コード(和音)
実は、僕はコードからメロディを作ることが単調だと思ってました。
よく言われるのが
「コードの構成音だけでメロディを作ってみる」
「コードの構成音だけでアドリブをしてみる」
演奏でソロを弾くアドリブ、これは作曲と同じです。
僕はよくアドリブを弾くとき、コードの音を散らしてました。
Cのコードのときにドミソをアルペジオとかで弾く。
正直単調だし、ダサいと思ってました。
でもダサいのは僕でした(猛省)
使う音が少なくても「強弱、リズム」これだけ工夫するだけでも違うんですね。
3音だけではちょっと・・・って言う人にも、
例えばトライアド(3和音)を中心に、3音の前後、隣の音を経過音にしてメロディを考えてみるのは、すごくいいと思ってます。
トライアドを軸にするメリット
トライアドはコードの基礎。
コード進行で曲が作られている以上、トライアドには「安定感」があります。
聴いていて、不安にならないことがメリット。
つまり「わかりやすい」ってことですね。
7thなどテンションノートは、不安定な響きを持つので乱用するものではないと思ってます。
文字通り、いい場所でその音が来ないと、ただの不安定なメロディになってしまうから。
なんとなくじゃなくて、きちんと狙って使う意識が大事です。
そのためには、まずテンションじゃないトライアドで作ってみる。
使える音が少なくて単純だと思うんだけど、その分、7thや9thの持つ響きのありがたさ、効果を実感できます。
僕は楽器プレイヤーの時はそれが分からなくて、結構乱用してました。
GmでもGm7で弾いてたり、Gm9で弾いたり。
もちろん、それでオシャレになって「おお」ってなる曲もありますが、そうじゃないジャンルの曲だと「何してくれんねん」ってなっちゃいます。
メロディにぶつかったり邪魔してたり。
トライアドに敬意を払えば払うほど、7thや9th、テンションノートをどう言うときに使うのがいいんだろう、とよく考えるようになると思います。
メロディがいきなり7th、11thや13thみたいな感じにしてしまうと、聴いてる人がとても不安になります。
「このメロディ、どこに向かってるんだろう?」
僕はX JAPANが大好きなんですが、YOSHIKIさんの作る曲はどれを聴いてもキャッチーで、捨て曲が全くありません。
自分もこう言う曲の書き方をしたい、って思って分析してました。
メロディはシンプルに分かりやすくして、凝った作業は裏でしている、と言う具合。
その代わり、重ねる音やリフ、ドラムのリズムは全てメロディに対して生きるアプローチになってます。ここがすごいんですねXは。
全て計算し尽くされてる。
「メロディはシンプルに、アレンジは凝る」
それから僕自身も作曲の意識が変わりました。
メロディはシンプルで、その他を凝ってみる
曲を作るときに、メロディは他のトラックよりも音量バランスを大きめにします。
メロディを聴こえやすくするためです。
つまり、メロディは主人公
「バッキングトラックは、全てメロディの為に存在する」
主人公は分かりやすくて、はっきりしてるんですね。
その主人公に深みを持たせ、持ち上げるのが、バッキングトラック、仲間たち。
メインのメロディがシンプルであればあるほど、そのほかのラインが作りやすくなる傾向があります。
逆にメロディ自体が複雑だと、アイデアが絞られてしまったり、コードや他のラインも自由が効かなくなることが多かったんです。
まぁそれだと、結果的に編曲がさらに難しくなってしまうんですね。
作曲が上手な人だと、メロディを複数の楽器のフレーズ、リズムを絡ませて構成してますね。
終わりに
メロディをシンプルにする意識を持つ
僕はメロディがごちゃっとしてた曲を作ってたとき、他のパートもどう行ったアプローチをするべきか余計悩んでたように思えます。
結局それは
「自分の考えたメロディを、理解していなかったから」
息継ぎができるメロディ、数小節ずつ覚えれるメロディ、リズムで歌えるメロディ
そんな「歌えるメロディ」を意識してみると良いですね。