DAW武者修行13日目
作曲に関することを自分なりにまとめていく物語。
「とうとう修行も半分を越したか、宿に泊まるはずが肝心の金が足らずで結局野宿だ」
「兄ちゃん、せっかく宿を手配してやったのに金がないとは、迂闊だったぜ」
「雑魚モンスターをひたすら狩ってようやく一晩泊まれそうだ」
今日は使う音源を絞って作曲することについて考えてみたいです。
音源を絞る、制限したりするメリットは「複数曲からなる、各曲の雰囲気がまとまる」これに尽きると思っています。
すなわち、曲単体で考えるのではなく、コンテンツ全体で考える感じです。
色々な音源を集めていくと、同じ音量でも音の大きさはもちろん、レンジも違います。
そして当然ですがニュアンスも違うので、曲としてまとめる場合大変です。
「これは良いけど、なんかこれは浮いている」
すると複数のサウンドトラックで作品の統一性を出そうとする時に、仕上がりがバラついてしまうのです。
作品として考えた時、そこが一番気になるんですよね。
目次
使う音源を絞ると「まとまり」が出る
「使う音源を絞る」
一見、色々な音源を持っている身からすれば複雑な気持ちになりますが・・・
例えば、練習とか実験、と割り切って曲を作る場合をのぞいて、普通は色々と使う音色をこだわりたいものです。
以前(今も)、SF6と言うFF6の音源だけを使って曲つくりをした時
音源縛りによる曲自体の難しさを感じたものの、同じクラスの音源を使っている為「まとまり感」はすごいと思いました。
曲自体に問題なければ、まとまって聞こえるんですよね (曲自体に問題がなければ!)
一曲だけ作る場合は自由に作れば良いものの、サウンドトラックとしてのまとまりは複数の曲から雰囲気が作られます。
トラック数はもちろん、特に音色ですね。
必ずそうする必要性はなく、あくまでも「そのようなアプローチ」という話です。
しかし、曲のメロディだけでなく、音源の特徴から作品を思い出せる、と言うのはある意味特徴的で、強みだと言えます。
また、制限のなかで工夫する面白さもありますし、使えるものが固定されているなら作曲自体に集中できるとも言えます。
音源を固定するメリット
最初は思うように曲が作れないことが多いのですが、やはり慣れてくると、その状態でできるベストな方法を探そうとします。
考えてみたいのですが、
「この音源でできることがある程度明確になる」
これが大きいのかなと。
結局は使う道具(音色)に慣れてくると、普通に使うだけで精一杯だったものが、今度は「工夫」することが出来たりします。
散々同じ音色を使ってるので、何かアイデアを出さないと飽きてくるわけです。
もちろんそれは楽器ごとで許容できる範囲内の話ではありますが。
潜在性を引き出せない音源
たいてい音源と言うのは、その無限の可能性を提示されただけで、結局その可能性を模索する前に次の音源に目移りしたりします (もっと使い倒したいなぁ)
あるいは、ある程度自分の使い方、組み合わせが結局決まってきます。
曲を作っていると、自分がどう使いたいのか、と言うのは意識を変えない限り結構決まってくるものなんですよね。
言ってしまえば、これが今の自分の引き出しであり、何か意識を変えないとその引き出しが増えない一因になると思っています。
音源の可能性に頼らない場合、曲自体でなんとか試行錯誤する癖が身につきます。
そう、普通は音源でそれをしようとするんですよね。
「何か面白い音ないかなー」って。
でも、探しても探しても音がイマイチなものしか鳴らないとひたすら探すことになり、いつの間にか曲自体を音色からのきっかけに委ねてしまいます。
バランス的にはどっちも必要だと思いますし、それこそここが曲つくりの面白さです。
ずっとオーケストラだけ追求してた人が、バンドサウンドも融合させよう、と考えたら一気に編曲の幅は広がるし、表現力も展開も面白くなりそうですよね。
なんだか音源に頼っているようで、頼れない、そんな感じですが、作品の世界観を決めるためにテンプレートを作るのは、音源面での迷いをなくせると思います。
それは作曲自体に集中できる、と言うメリットだと思います。
終わりに
私は作品の世界を作る時には、まず使う音源の設定からだと思っています。
ただ、それが自分で全て決めれる場合は良いのですが、依頼だと難しいなと思っていて、結構それが今後の課題だったりします。
サウンドトラックとして全体で聴いた時、やはりまとまりがあると作品の世界観が出ているんですよね。
「自分だけの音源ライブラリーを意識していくこと」
今後はこれが必要だと思っていますが、来年の課題ですね。
「やっと風呂に入れるぅ〜〜」
「そうそう、散々野宿したんだ、前より風呂の素晴らしさがわかると思うぞ」
「あ、あなたは!?」
「わしか? わしはこの宿の主人じゃ。旅のモノ、ゆっくりしていけ」
「ありがとうございます!」
「(よかったな兄ちゃん)」
DAWの武者修行とは、今持っているものの価値に気づくことである。