DAW武者修行11日目
DAW修行とはいえ、直接的にDAWじゃないことを呟くシリーズです。
今日は至極シンプルなテーマ。
「何故自分はゲーム音楽を好きなのか?」
これについて考えてみようと思います。
実はこれについては以前ブログで書いたんですよね。
懐かしいなぁ。
こうやって過去に書いた記事を見直せるからブログは良いと思っています。
当時の自分の考えと今の考え、それはどう違うのか。
変わらずなのか、それとも変化があったのか。
目次
- もう一度考えることになったきっかけ
- 理解できるかどうか
- 作曲をし始めたことが本当に大きい
- 多くのサウンドを扱うキーボード
- 音楽の聴き方の変化
- 前よりも音楽が好きになった
- 依頼を受けてから思ったこと
- 終わりに
もう一度考えることになったきっかけ
今も変わらずゲーム音楽を作っているのですが、一度自分が好きなことを決めてひたすらそれに向かっていると
「何故、自分はこれが好きなんだろう」
時にはふと立ち止って思い返す・・・誰でもあると思うんですよね。
先日、一緒にRPGツクールでゲームを作っている友人とこの話が出ました。
友人「そういえばお前って、ゲーム音楽に関しては絶対に嫌いとか言わんよな」
私「あーそ、そういえばそうだな。確かに嫌いなやつなんか・・・ないなw」
友人「何で? 普通好きな音楽、嫌いな音楽あるやろ」
私「確かにな、ちょっと考えてみようかな」
理解できるかどうか
テーマソングを除いて、インストから構成されるサウンドトラック。
ゲーム音楽とはなにか?
そう言われたら、もっと深堀はできると思いますが、一般的には「ゲームで流れるBGM」です。
ゲーム中で何回も聴くからその音楽を覚えて好きになる。
客観的に考えてみて、それがゲーム音楽を好きになる理由では妥当だと思います。
人は多くの時間を割いて関わったもの、それを好きになる傾向があります。
たくさんその時間に関わる、それはそれに関して理解が深まる、当然好きになるんですよね。
そう、人は「理解できないものは嫌い、もしくは興味がない」
でも、理解できるものに関しては「好き、もしくは嫌いではない」
理解できる、ということが前提にあるかどうか、もしくはしようとできるかどうか、それは本当に大きいと思っています。
作曲をし始めたことが本当に大きい
私はクラシックピアノから音楽を始めました。
ただ、鍵盤を弾いている時はあくまで既存曲の演奏です。
基本的には、
仕事や習い事、勉強以外で「自分が興味のない曲を弾くことはない」と思います。
目的を持って取り組む場合を除いて、おそらくは「好きな曲を練習する、弾く」ことになるんですよね。
で、演奏一辺倒だったバンド時代もそうなんですが、
その時はやっぱり好き嫌いってあったんです。基本的に音楽が好きとは言え、やりたくないジャンルは練習してやれないわけです。
でも、やらざるを得ない場面、勉強の為に挑戦してみる、などはあるとお思いますし、一応知識として聴いておく、というのはあると思います。
その中で、作曲を始めました。
もちろんきっかけは「ゲームの曲を作りたい」これが原点です。
作曲し始めてから私の中で色々と変わりました。
まず一番は「音楽の聴き方が変わった」ということ。
当然ですが、バンドや楽器をやっていてもその現象は起こります。
ギターを始めたら、ヴァイオリンを始めたら、ドラムを始めたら、その楽器の聴き方は当然ですが、変わります。
多くは、プレイヤー目線に移行していくと思います。
私にとって、ピアノやキーボードパートで鳴るサウンドなど、そのように変化していきました。
多くは「その音がどう使われるか」そういうことに興味を持つようになります。
多くのサウンドを扱うキーボード
キーボード、シンセサイザー
おそらく、この楽器を使って、あまたの音色に触れ始めたことも一因なのかなと。
ギターはギターだけですが、キーボードはあらゆる音を出せます。
ストリングス、ブラス、チャイム、マリンバ、SE、シンセサイザー、パッド、言ってしまえば、ほぼ全ての音を操れます。
他の楽器プレイヤーでも、音楽のバックグラウンドによっては自主的にこれらの音に興味を持つ人もいると思いますが。
ですが、キーボードはほぼ強制なイメージがありますw
これによって、これらの音を駆使して作られるサウンドトラックが、より身近なものと感じられたり、あるいは作曲へ興味を持つ架け橋になる場合もあるでしょう。
しかし、バンドでキーボードを弾いてた時の作曲のイメージと、作曲が当たり前になった今の作曲のイメージとでは、経験も当然ありますが、イメージは違うと持っています。
以前より、「イメージを具現化できるようになってきたのが大きい」のです。
つまりそれは言い換えると「理解できるようになった」ということだと思っています。
音楽の聴き方の変化
作曲をすると、曲の聴き方は本当に変わります。
もともとサントラは好きだったものの、改めてBGMに関しては好き嫌いで判別することはなくなった、自分でも本当にそう思います。
そういう目線ですでに聴いていないからですね。
それはすなわち
「そういうアプローチもあるのか」
「全部勉強になるなぁ」
「こうやってやるのか」
「どうやったらこのサウンドに鳴るんだろう」
もうそういう聴き方です。
研究とか、追求とか、今後自分の引き出しになる可能性がある要素がないか、極端な話、それはもう職業的な目線になっています。
それは、良くも悪くも、だと思っていて、知識を持って聴くことが、逆に偏った聴き方やマイナス要素に鳴る場合もあると思っています。
だからこそ、音楽をやらない人の意見、というのは非常に大事です。
前提として、
その音楽がどう優れているか、というのは、その音楽の用途や曲自体の持つ魅力、そして聴く人次第です。
それらが重なる部分を基本的には目指したい。
それは「共感を目指す」ということだと思っていて、それが「大衆的なイメージに近づけること」それだと思っています。
もう一度、この見出しの頭に話を戻すと、
作曲を初めて「曲の聴き方が変わってしまった」だから基本的に「嫌い」というのはないんだな、と思っています。
サウンドトラックというのは、キラーチューンもあれば、本当にメロディがないBGM的な曲も多いです。
人にもよりますが、通常聴かない曲はプレイリストに入れません。
その友人は
「俺はまず一度曲を全て聴いて、2度と聴かないだろうな、と思った曲は残さない」と言います。
自分は逆で「全てのトラックが作曲する上で参考音源になる、つまり宝の山だ」こういう考えです。
当然ですが、聴き方や価値が違うんですね。
ある人にとってはゴミに見えるけど、ある人にとっては宝。
手持ちの音源から参照する場合、すぐにイメージした近い曲へアクセス出来るようにしています。
前よりも音楽が好きになった
ゲーム音楽、サウンドトラックが好きな理由。
それは「理解できるから」だと思いました。
もちろん、理解できる、というのは自分目線の話です。
実際は理解できていないかもしれませんし、それは音楽をやってない人でも別に理解できることはあると思っています。
映像を作る時にも、それぞれの専門分野での目線があるように、そういう価値観があり、そういった知識を持った上での見方や楽しさがあります。
ゲーム音楽はそれはそれで好きでしたが、
極端な話、バンドをやっていた時は好きな曲やバンドにしか興味がなかった。
それはおそらく演奏することが前提にある、というプレイヤー目線だったから。
DAWでコントロールする、映像ありきの曲を作る。
これが加わると、まず演奏が上手い下手、という見方が消えます。
そう、プレイヤー目線というのは、うまく弾けないといけない、ということばかり考えてしまうので、純粋に音楽を楽しめなくなっていました。
だから嫌いなジャンルやリズムが苦手な曲などはやる気がしないわけです。
今では、作曲を始めて、サウンドトラックだから、ゲーム音楽だから、という括りは私の中で消えつつあります。
あくまで私が作るカテゴリーとしては、今はゲームの音楽がメイン、ですが、それを構成する上でもインスト、バンド問わず全ての音楽が参考になります。
同時に、打ち込みと生演奏、それぞれの魅力を改めて知ることになります。
多分、これらを同時に経験しながらもバンド活動できた人は視野、発想が広い状態で音楽に取り組めるのだと思いますが、私は当時それができなかった。
それに関して、そんな偏って音楽してたんだ、って見方もあると思います。
どう育てられて、どう育ったか。
人生と一緒で、どんな道を歩むかで、どんなルートで進むか、それ次第で本当に目線や価値観は違うのです。
依頼を受けてから思ったこと
依頼を受ける上では、相手が好きなものを理解する。
これが今は一番大きくて、今後曲を作る上でそれは本当に必要なこと。
だから「理解する、しようとする」 これは本当に大事だと思っています。
それはもちろん、相手が自分に対しても言えることで、少しでも自分が思っているレベルで気に入らなければ受け入れない。
これでは仕事は進まない場合もあります。
相手も大なり小なり、少なからずこちらの個性やアイデアを尊重しているわけなので、こちらもそれに合わせて相手の好きなものを理解する努力が必要です。
そして、それは難しいのですが、ただ自分が好きな曲を自由に作っていた時と比べて非常にエキサイティングです。
音楽を作る見方や目線が、さらに変わったからなのかな、と。
かっこよくいえば、作曲の難易度が上がった。
クオリティはもちろん、相手の好みとシーンへの適合。
今までやってきたこと、追求してきたことが自然に活かせれていて、自分が色々考えてきた分析は間違ってなかったんだなと。
ただ好きだったゲーム音楽。
それは以前ブログで書いたことをベースに、私の中でさらに進化したといえます。
そして、それは嫌いな方向ではなく、もっと好きなる、という方向へ向かっています。
それは何よりです。
何故好きか、嫌いか、それを理解するということは、自分が嫌いにならない方向、もしくはやり方を模索していく防衛手段としても必要だと思っています。
理解することが大事だとしても、相手が人間で有る限り、理解不能なことも当然あるわけです。
終わりに
好きな理由、とは一般的には「説明できない」ことが多いです。
もちろん、深堀すれば好きな理由は「こういうことが楽しいから」など、もっとありますが、それはあくまで専門的な話です。
よくわからないけど、なんか好き。
好きに理由などいるか? 確かにそれはあります。
でも、好きな理由は、必ずあると思っています。
説明できるか、言葉にできるかどうかは人それぞれだと思います。
人を好きになる時も同じ。
波長があう、感覚が一緒、というのもあれば、しっかりとその人を自分なりに理解して好き、というパターンもあります。
自分が好きなことを持っている人は、一度何故好きなのか分析してみると面白いかも。
つまり要約すると、これからもっとゲーム音楽、もとい音楽を好きになっていくと思います。