DAW武者修行6日目
誰が言ったか、武者修行とは名ばかりでDAWに関することをひたすら書いていきます。
ひたすら書くだけなら楽なのです。
「さあ今日も吐き出すぞ!」
「兄ちゃん、今日はもう音源の話はいいからな、聞き飽きたで」
「おけ」
「今日はボリューム絞ってくれ、読む気失せるぞ、てか読んでねーぞ」
「おけ泣」
昨日は散々音源についてブチまけたので、今日は打って変わって「ミックス」について書いてみたいと思います。
はじめに断っておくと、ミックスについては専門的な知識がありません。
だから自分が今まで独学で気にしてきたことをひたすら書いて行こうと思います、間違ってたり、アドバイスがあれば教えて欲しいです。
(今回は問題点を書くわけでないのですが・・・)
作曲において誰にでも得意不得意なことがあると思うんだけど、私の場合は各トラックのミキシングが不得意だった。下手したら作曲してる時間より長くなる時がある。
そんなやったら普通に一曲新しいの作った方がええんちゃうかっていう。
だいぶ改善したはずだけど、マスタリングにおけるミキシングについては試行錯誤してる感じなので、その辺は書けません。 (みんなOzoneなのかな?)
まとまらないけど「ミックス意識遍歴」を書いてみる。
目次
- インストバンドのミキシング感覚
- 音楽の聴き方の変化
- iPhoneの内蔵スピーカー
- ドラムのキック
- iMACの内蔵スピーカーで作曲
- ハイハットの失敗
- ジャズのドラム
- 全ての楽器でリズムを出すことを意識した時
- 小さい音や音圧感
- 終わりに
インストバンドのミキシング感覚
ミックスから逸れた話から始まるけど、
バンドをやっていた時にキーボードを弾いていたわけなんだけど、プログレメタルやインスト曲が好きだった。特にドリームシアターには衝撃を受けた。
このバンドのメトロポリス2000のDVDを見て、自分はキーボードにのめり込むことになるんだけど、とにかくこれだけ楽器パートが全力でテクニカルなことを弾いてるのにボーカルのメロディ領域は成り立っていて、さらには全パート歌っているように聞こえる。
無意識にも、アンサンブルとか、編曲がすごい、って感じていたんだ。
当時はテクニカルに目が行きがちだったけど、実際にバンドで演奏する際には、どうやったら音が抜けるんだろう、とか、レイヤーさせる時にEQとかどうするか、みたいな感じで試行錯誤するきっかけに。
とにかくキーボードのジョーダンは、キーボードを弾く人からすれば相当革新的なアプローチをしていたので、それだけ音を重ねて音圧を稼ぎつつも邪魔をしない、というスタンスが垣間見れた。一言で言えばバケモン。
音楽のバックグラウンドが一人だけ広すぎちゃってて。
自分の音量バランスの悪さを自覚した時は、そういったバンドのコピーから離れて、通常のオリジナルバンドやポップスをやり始めた時だった。
歌が歌っていたり、ギターがソロを弾いてるのに、自分の音が常にしっかり聴こえてしまうくらい音量を上げていた。
バッキングでさえ、自分は気持ちよく自分がメインのつもりで弾いてしまっていたのだ。自分でもウンコだったと思う。
上記のインストバンドであればまぁ最悪いいんだけど、通常のポップスではうるさいだけ。
これは、誰しもが練習したフレーズをしっかり聴かせたいのももちろんあるけど、若干目立ちたい、と言う気持ちもあると思う。
そこはまぁ若い時には良くあることなのでいいんだ。
問題は、作曲を始めてからも無意識にミキシングに問題が出てた。
それは上記と同じで、
「自分のやってることを全て伝えたい」と思ってしまうことに起因する。
作曲などは、全てのトラックが工夫とアイデアで構成されている。
自己顕示欲を抑え込まなければ、全てのパートのこだわりを聞いて欲しい!となってしまうわけだ。
そしてバンド時代から自分はそれが強く、欠点だった。
見事作曲でもそれが出てしまう。最悪だ。
音楽の聴き方の変化
話は打って変わって、作曲をし始めた頃の話に突入する。
音楽を聞く時って、昔はステレオスピーカー、車の中、そんな環境だった。
もしくはヘッドフォンかイヤフォン。
(まぁ今でもそうだけど)
で、最近はやはりスマホがメインになりつつもある。
やはりアプリやゲームの影響が大きい。
私は良くiPhoneの内蔵スピーカーで曲を聞くんだけど、EQをフラットにしていても音が割れてるように聴こえてしまうことに気づいた。
割れている、というのは語弊だが、要は「ジジジ」って鳴る部分があるという事。
PCのモニターや、ヘッドフォンでは当然問題ない。なぜならスピーカーが大きいから。
iPhonenスピーカーでは、許容できる周波数帯域の限界があるので・・・。
それはだいたい中域〜高音域。音が密集しやすい部分。
また、低音を表現するには内蔵スピーカーでは調整が必要な場合もある。
もちろん、ベースのフレーズからして、曲のKeyの問題もある。
自分の曲を聴いていて音がジジジと鳴ってしまうことに気づいて、試しに他の曲も聴いてみる。
すると、音量がマックスの状態でもプロが作ったものは割れていないことが多いことに気づいた。(何を持ってしてプロかはあれだが、割れてる曲もあった)
実は音量を1か2下げればジジジ言わない、けどプロが作ったものはマックスでも割れない。
というか、あと3くらいあげても行けるんじゃないか、っていう綺麗なボリュームの上がり方。これこれ。
ここが攻略したい部分でもある。
そして今でもそうだが、やはりピアノ曲とか編成が少ない曲は難しく感じる。
それはプロの曲でも若干、もう少しでやばい、みたいな感じだから、やはりそういう編成の曲は難しいんだろうか?
ピアノやヴァイオリンなどは特に難しい。Keyや編曲を工夫しないと偏って密集してしまう。
でも、それって気にしすぎなのだろうか?
調べてもこれに関しては出てこないんだ。
しかし光田さんが、ソーマブリンガーでDSのスピーカー用と、ヘッドフォン用でわざわざ合わせて音源を収録している、という話だったので、やはり他の機種もあれど、iPhoneでどう聞こえるかも1つの指標だと思う。
まぁEQいじりだしたら変わるし、音量MAXで聞かなければ何の問題もないわけだけど、考えすぎなのかな?
それにしてもノベルゲームのAirのスマホ版なんか、聞こえ方最強だ。
当たり前だが、無理にEQをかけると、楽器そのものの本来出したい音色が損なわれてしまう、ヴァイオリンやチェロなんかは特にこれを避けたい。
このへんが一番美しい部分だったりするから。
スマホのようなスピーカーでも低音が聞こえるように、いや、正しくは損なわれていないように聴こえさせる、そういった曲の作り方、と言うのはあると思う。
iPhoneの内蔵スピーカー
今使ってるiPhoneは7plusだけど、ジャック右下正面の小さいのがスピーカー、そして正面の上部にあるスピーカー。
そして、メインは多分だけど下のスピーカー。若干出力が高いように感じる。
向きの関係もあるが、正面と下、横向きにすれば、横、正面と音が飛ぶ。
どのみちバランスは一般的なステレオ定位じゃない。
そもそも、聞く部屋の大きさや人数、環境音次第でも変わるから。
もうね、耳の錯覚がひどい。おかしいでほんま。麻痺やで。
iPhoneはジャック右のスピーカーを主軸に音を作っているように思える。
設定で左右を検証したけど、下のスピーカーは左、通話時のモニターは右。
これでステレオだけど、モノラルモードにもできる。
これをやると音がまとまって分厚く聞こえるし、下のスピーカーを使うのでジジジも減るように思える。
まぁiPadならともかく、iPhoneではモノラルでもいい気はする。
上は出力が弱いのか、高音域が重なるとジジジとなりやすい。
また中域に音が密集すると、本体の真ん中あたりからの振動もひどい。
だから左右にパンを振る時に、メロディ楽器をダブルトラックにするか、1トラックセンターにするか迷った。
今は迷った結果、1トラックにしている。
ダブルで左右に振ると、PCなどの良いスピーカーで聞くと広がりを感じられるが、スマホではきつくなる。
ミックスは本当に難しい
まぁ多分マスタリングとミックス次第なんだろうけど。
ミックス専門の人がいるわけだよねっていう・・・。
綺麗な曲は、曲つくりの段階からして計算する必要がありそうだ。
まぁ、自分がどう聞こえさせたいか、ってことが大事でそれにひたすら近づけるという感じなんだけど。
ドラムのキック
例えばドラムのキックにしても、「ドン」もあれば「ペチ」もある。
メタルとかの曲のツーバスはかなりペチペチに音が作ってあるし、それが気持ちいい。ギターベースがローミッドを占領するから上へ逃がすんだと思う。
ペチなら、スマホのスピーカーでもキックは聴こえる。
自分が作っていた時、それが分かってなくてあくまでPCのモニターで聴こえていれば良いという認識だった。
なのでキックが聴こえないスマホで聞く時、リズムにアクセントが無くなってしまうことが多かった。これは問題である。
EQやミックスの問題もあるし、他の楽器との兼ね合いもある。難しいね。
iMACの内蔵スピーカーで作曲
それ以降は中域〜高音域をすごい気にし始めて、かなり長いことiMACのスピーカーで作曲していた。
ここでジジジ割れていたらアウトだろ、ってことで自分の高音域の抑制とかの感覚を一度内蔵スピーカーに合わせた。
すると幾分か、音量にまとまりが出来てきた。ちょっと抑制できてきたんだな。
そして、ハイハットやクラッシュシンバル、金物の音量をすごく気にするようになっていて、これらが楽曲にどのような影響を与えるかを常にチェックしていた。
今でも、モニターはもちろん、バウンスしてiMacの内蔵スピーカー、iPhone、CDプレーヤーで聴くようにしてる。
逆にヘッドフォンってどう使うか、なんだけど
ノイズ確認と、音の定位感を確認する、ということになる。
実際のスピーカーと比べてかなり印象は違うんだ。
そして、人間には「利き耳」が存在する (するよね?効き目もあるくらいだし)
私は左の耳がかなり音を拾っていると思う。だからステレオで聴いていても左が大きく感じてしまうんだ。
最初耳クソが詰まってるからかと思ったんだけど、どうやらそれは違ったようで。
もうね、目でさえも脳と関連して錯覚があるわけ。
なら耳もあるやん?
何を信じればいいのって。
お兄さん怒るよ!!
「何を言ってんだおめぇさん」
「昨日のシャケご飯まだあります?」
「よう食うな」
ハイハットの失敗
ハイハットはリズムを細かく表現出来るのと、スピード感を出せる楽器でもある。
スピード感はキックとスネアの位置も大事だけど。
ギターがリフを弾いても、ドラム次第では曲が遅く聴こえたり早く聴こえるんだから不思議。それはバンドでギターがメタルのリフを弾いていた時に感じた。
ソロでリフだけ弾いてると曲の本来のスピード感が表現出来てなくて、ドラムが絡んでそういう雰囲気になるのかと。すごいなと。
話を戻して、
そのハイハットの音が、中域〜高音成分を出力するスマホのスピーカーだと、モニタースピーカーでは特に良い感じであったのに、スマホでは聴こえすぎてしまうってことに気が付いた。
カチカチ常に鳴っているので、とにかくうるさい。
あるとき、
ハイハットを少し開いて4分でスピード感ある8ビートのバトル曲を作った。
しかし、ハイハットが逆に聴こえすぎてしまって、シャーシャーシャーシャー、とリズムが大きくなり過ぎてしまって、本来イメージしていた疾走感が出てないと。
もはやクラッシュかって。
これ以降、ドラムに関してはかなり気を使うようになった。
ドラムはこういう風に打ち込む、とかそういう固定観念にとらわれず、まず自分はこの曲でどういうリズムを出したいのかを明確にする必要があると。
マジで耳をすまさんと聞こえん、ってくらいがちょうどいいのかな。
どういう感じを出したいのかにもよるけど。難しい。
「人によって聞いてる部分違うし、好みもあるだろうな」
「それ言っちゃおしまい」
ジャズのドラム
こんな感じで、
ドラムがリズムを出すメインの楽器だと思い込んでたんだけど、ジャズのBGMを作るときに「そういえばジャズのドラムってどうやって打ち込むんだろう」って。
ジャズってベースがリズムを出す、ってよく言われるんだけど、まずはそれを意識してベースがとにかくリズムを出せるように構成してみる。
色々調べたり考えて、ジャズのドラムってシャッフルで最低限アクセントをつけたら、あとはメロディパートの感情を表現するように叩く、っていう。
つまり、ジャズのドラムはメロディ歌いながら強弱つけたりフィル入れる。
するとベロシティとかすっごい気にするようになる。コピペなどしようものなら一気に機械的になってしまう。
まぁ生っぽく打ち込むのか、ゲームっぽく打ち込むかでも違うと思うんだけど。
「兄ちゃん、ちょっと話が逸れてきたな」
「へい」
全ての楽器でリズムを出すことを意識した時
これって当たり前なことなんだけど、曲って全部の楽器がリズム出してる。
それが全て組み合わさって、その曲のグルーヴが表現される。
でも、どうしてもドラムがあって、それに合わせる、って最初は思ったし、実際にはそうして、全体の揺らぎが生まれていく。
それが気持ちいグルーヴで。
ドラムにのっかてるのか、その楽器のフレーズそのものがリズムを出すのか、
その一瞬は別の楽器がリズムを出している、という瞬間があって気づいた。
この瞬間だけは、ドラムじゃなくて、ストリングスのこのフレーズがリズムを引っ張ってる。と。
また、キックとスネアだけでリズムを出せるなって思った時もあって、その時はわざとAメロだけハイハットを抜いてみたり。
ハイハットでやろうとしてたことを、別の楽器で細かくアルペジオを弾いて代用する。
つまり、リズムの基本構成を知っていれば、それに変わる楽器、そして音域を使うことでドラムの表現は可能、ということを知った。
そしてそれは偶然にも、崎元さんのインタビューで再確認して、感動した。
ドラムの〜の音色、などにとらわれなくても、アクセントの位置と、帯域、ADSRさえ調整すれば、他の楽器でもドラムのキックは代用可能、という具合。
これはまさに、ファミコン時代のPSG音源で表現するときに生かされる内容。
そういう発見でリズムは深いって思った。
アクセントの位置や強弱、フレーズ、そして音量バランスで全て変わってしまう。
「ミックスからリズムの話になったな、けど、ミックスが悪いとリズムの表現に影響が出るってことだよな」
「そう」
「おけ、なら早いとこ軌道修正しようか」
小さい音や音圧感
これまで曲作ってきて思ったことは、金物は少し聴こえるくらいで良い、と思うようになってきたこと。意図的な表現をのぞいて。自分は結構うるさくしちゃうんだ。
ただ常時鳴っているのと、アクセントになってる部分との使い分けはあるけど。
そして、このパートを「どこまで小さくできるか」にこだわってみる。
一定を越えると急にうるさくなり、またが逆に迫力がなかったり、浮いてしまうので、そこをひたすら追求してみる。
マスタリングすると「まじか、こんな小さいくらいでも全然良いやん」って。
小さくする、ということはそれだけ音を聴く力が必要なのと、その後を計算する必要があるので、音を小さくできるということは、それだけ音の変化をコントロールできることだと思う。
それは、ピアノで強く弾ける人は多い反面、ピアニシモを意識できる人が少ないことも繋がるなって。
音圧って「帯域が見事に埋まっている上での音圧感」と「ただボリュームがうるさいだけの音圧」がある。難しいよね。
トラック数も関係してくるし、表現したい内容とか質感もあるからサントラとかBGMに関しては一概には言えないけど。
多分これに関しては試行錯誤するか、成功体験がないのが一番厳しい部分だと思う。
歌ものを作っている人は特に音圧感は気にすると思うし。
相当トラック使うだろうし、それを全て理想的にまとめるミックスは時間も使うと思うし、次第に何が正解かわけが分からなくなるって聴く。
ガチガチに隙間を埋めるスタイルもあれば、空間を大事にする人もいると思う。
ここも音楽スタイルが現れる部分なのかもしれない。
ナレーションが入るならその帯域に余白を残した曲の作り方もあると思う。
「本当に好き勝手脈絡なく呟いたな〜」
「あくまで思考整理なんで」
「7000文字超えたぞ無駄に」
「ええ!?」
終わりに
スピーカーのことが多くて、あまりミキシングから逸れた内容になってしまった。
良いスピーカーで聞いてる音はオーディオマニアか作曲してる人なので、汎用的なスピーカーでも良い音になるようにしたい。
個人的には、帯域を密集させず、かつ楽器の良さを損なわずに作曲して音量感を出すというのが難しい。
音圧戦争はそこまで気にしていないけど、帯域のバランスがうまくいくような作曲は結果的に音圧が豊かに聴こえるし、もっとミックスはうまくなりたい。
「よし、旅立つのじゃ!」
「わかったよ明日出てくよ」
「今じゃ!」
「・・・」
DAW武者修行はまだまだ続く