「あんたねー、なんでもそうだけど最初から全力で行きなさいよー」
作曲のやり方は人それぞれだと思いますが、曲が作れない初期フェーズを乗り越えたら録音にも一工夫が欲しいところです。
鍵盤楽器がある程度弾けてMIDIでソフト音源を使って録音する場合、気持ちの面ではどうせ録り直すんだからこのテイクは適当で・・・と。
そんな感じで結構良い加減にファーストテイクはスケッチしたりするんですが、作曲はあとあとは修正作業になってくるので、録音素材や残骸などはできるだけ良質な破片を残したいんですね。
そこでスケッチ段階から全力投球することをオススメしたいのですが、理由は言うまでもなく、良いものが残る可能性が高いから、ですね。
修正して活かす前提の録音する
私は初期の頃はあまりピアノロールで修正せずに、少し練習して良いテイクを弾こう、みたいな感じでしたが、ピアノロールとベロシティの色だけで修正ができるようになってくると、よほど酷い残骸でもなければ活かせる場合があります。
曲にもよりますが、
例えばメロディアスや展開的な曲の場合、主要音色で全体像を下書きするのですが、クオンタイズをかけてしまえば一撃必殺で3〜5割くらいそのまま使えそうなものが残る時があります。骨まで焼かれたパーツはパンチインでザオリクをかけます。
抽象的な話になってしまうのですが、結局重ねていくとバッキングトラックはオブリ、ボイシング、ベロシティ以外はあまり気にならなかったりするんですね。
イラスト、絵とかに置き換えると分かりやすいんですが、聴いていて耳が行きやすい場所を押えるというのは、絵は風景や人物全てを完璧に、あるいは同じ書き込み具合で描く必要はない、というのと同じような感じがします。
とはいえ、その曲の中での基準があるのでそのバランスは重要ですが・・・
漫画のコマ割りで見ていくと、目で読んでいきますがその時に自然に目が追っている部分、見ている部分がいわゆる「ツボを抑える」みたいな感じでしょうか。
目を惹きつけたい注目場面では集中線を浴びせてるのでそこ以外は一応なんか書いてるけど見てないんです。
まぁ細かく見直せば多少変なバランスであったり、書き込みが甘かったりとあると思うんですが、そんなんは別に気にならないんですよね。
だからと言ってそれ以外のパートが適当で良いというわけでもないのですが、あるセクションのあるパートのある瞬間は、ぶっちゃけ音が外れてなければ問題ない、くらいの必要性だったりします。
終わりに
とりあえず弾いてみるのか、決めたフレーズを弾くのかで録音に対する気構えは変化しますが、とりあえずでも全力で行っていいと思っています。
録音過程などは表に出ない部分なので、効率よく修正していけるような録音方法を見つけていきたい、と言っても録音するだけなので気持ちの問題ですが。
基本的には音は消せるし、長さも変えれるので、リズムなんてどうにでもなります。
ファーストテイクの勢い録音によって、偶発的に良いハーモニーを残すことができれば儲けものだったりします。良い部分を軸に周りを修正していけるので、クロスワードみたいな感じで潰していけます。
常々思ってるんですが、偶発性って大事だな、って思うんですよね〜。計算して弾いたり重ねてないのに「あ、ここのフレーズいいじゃんこれで」みたいな。
そんな感じで、偶発性も加味して期待して録音する、コントロールするみたいなことをアビリティとして習得したいところです。