Photo by George Hodan
今日も作曲する気が起きませんか?
ですよね、分かります。ハッキリ言って「ダルい!」
ただでさえ仕事で疲れているのに帰ってから作曲なんてしようものなら、悩んで悩んで結局何も作れなかった。ゲームでもしてた方がマシだった! なんてことも良くあります。
で、今日の本題なのですが「作曲をしたい、しなきゃ」とか思っていても、ぶっちゃけ「ダルい」「DAW を立ち上げるのも面倒」「フレーズを考える時点でもう疲れる」そんな声に対して、ちょっとやんわりするような話をしたいと思います。
(主に精神論なので、あしからず)
目次
- 作曲という行為をどんな風に考えてるのか?
- 作曲を細分化する
- 作曲はあなたにとって何?
- 作曲は「慣れ」なんだ!
- 毎回全てのフレーズを真剣に考えない
- ここまでを振り返って
- 一曲作ると消沈する
- 妥協って言葉の本当の意味
- ダメな曲でも一応は完成はさせること!
- 作曲は修正だ!
- もっと「偶発性」を利用する
- 最後に
作曲という行為をどんな風に考えてるのか?
作曲が出来ない、という人は作曲というものに対して敷居を上げすぎているかもしれません。敷居を上げすぎている、というのは作曲自体に対する意味ではなく「自分の行動に対する動機、意気込み」の方のことです。
例えば、作曲をする、という行為は、あなたにとっては「空気を吸う」のと同じようなレベルなのか「映画を見に行く」という面倒くささなのか、はたまた「スーパーで料理の材料を買ってくる」ようなレベルなのでしょうか。
自分にとって作曲をする、という事は、違うことで例えるとどんな行動レベルと同じになるのかを考えて見てください。よくよく考えて、かなり面倒くさいアクションと同等に捉えているならば、多分やれないと思います。
ですが、DAW を立ち上げるまでなら「家のドアを開ける程度と同じ」くらいで思うのなら、とりあえず DAW はさっさと立ち上げちゃってください。
作曲を細分化する
とりあえず作曲の過程、一つ一つを細分化してみませんか?
- DAW を立ち上げる (家のドアを開けるのと同じレベル)
- 音色を選択する (冷蔵庫の中身を見るレベル)
- 何かテキトーに弾く (ちょっと楽しくなってきた)
- フレーズを考える (思いつかないな〜てかダルい)
- 良いメロディを考える (思いつかない、てかもう寝たい)
- クソみたいな残骸が残った (結局意味無ぇ〜)
こんなイメージになりそうだと想像出来るからやる気が起きないかもしれません。
多分、「4」と「5」を真剣に考えすぎです。これね、絶対ダメ。真剣に考えちゃダメ。
遊んでください。アドリブ、即興を録音してください。
で、「3」をしている時に絶対に「録音」はしてください。で、今日は mp3 に書き出して終了です。もうさっさと寝て休んでください。明日も早いんですから。
作曲はあなたにとって何?
音楽が好きで作曲したいと思っているんだけど、本業しながらだとキツイ。休日も何かやる気おきない。
こんな方も多いのではないでしょうか?
私もいつもこんな感じで、作曲する前、している最中に未だ良くわからないモノ達と戦っているのですが、なんでしょう。「何かすごい曲でも作ろうとしてるのかな?」ってくらい自分真剣過ぎ! みたいなところあったんですね。
そんなすごい曲? (何がすごいのか不明) を作ろうとしてるんだから、しっかり時間がある時や休みの時じゃないとやる気が起きるわけが無い。こういう考え。
なんかね、作曲を崇高にし過ぎてました。
一言で言うと、作曲って「慣れる」までいかないと相当キツイです。これは確か。
毎回どんな曲が出来上がるかよくわからんし、どんなフレーズが生み出せるかも不明、つまり「未知なことが多すぎる」ので、毎回毎回知らない土地へナビも無しに遠出するようなものです。
これを仕事から帰ってからやろうものなら、出来るはずがない!疲れるに決まっている!いいものが出来る保証も無い!明日も仕事ある! 以下ループ...。
こういったことが山程あり、それをよくわからないまま「面倒くさい」「ダルい」という自分の感情と合体して、そいつらが勝ってしまうと負け。
今日も作曲やれません。
作曲は「慣れ」なんだ!
ぶっちゃけ作曲はとにかく「慣れ」なんですね。
繰り返します、作曲はとにかく「慣れ」です。慣れ
なんでもそうなんですが、慣れるまでは過程を細分化して、敷居を下げる!出来るとこまでやるしか無いんです。
で、 さっき書いた「弾いて録音するだけ」ならコード進行を弾くだけでもOKです。テキトーに音重ねるだけでもOKです。
もうホントに、まずはそこから!ってことを自分に言い聞かせるしかないです。
フレーズを考えたり、頭でイメージしたりなんてのはその次の話です。
まずは DAW を立ち上げるクセをつける。で、何かピロピロ弾く。それを録音する。それを聴く。
までは朝飯前にしましょう。
毎回全てのフレーズを真剣に考えない
リズムトラックを用意しました。
リズムのループ素材でもなんでも良いです。1分くらいでテキトーなの選んでとりあえず画面に置きました。それ流しながら次にフレーズを考えます。
何の曲作るのかは分かりませんが、そのリズムに合うようなフレーズです。で、このフレーズはとりあえず真剣に考えてください。大事なので。
で、その次はテキトーに弾いて重ねまくってください。
で、今日は早々に終了。明日も早いので。
そのテキトーなやつを休憩中、移動中に何回も聴いて「ここムカつく」って部分を家帰ったらソッコーで直してください。30分くらいで直す。
直すのは、不協和音、リズム (音の長さ) 、音の強さ、この3つだけ。
平たく言えば「どうしても不快な部分だけ直す」といいです。
ここで絶対に良いフレーズになるまで戦わないこと。これが次にすぐ行くための裏ワザ。リズムと音さえ合っていればいいんです。
良いフレーズを考えようとしないでください。多分そのフレーズ、別に思ったほどよくありません。てか下手したら誰も聴いてません (これマジ)
ここまでを振り返って
実はですね、ここまで出来れば「もう作曲してますよあなた!」って感じです。
おめでとうございます!!
作曲出来ない理由は、言い換えるならば大概が「作曲を始められない」ということです。それは「曲を完成させれないという敷居の高さ」が原因で、それではまず作曲しようとさえも思いません。ハッキリ言って面倒くさいんで。
「メロディ」と「その他のフレーズ」を毎回毎回良いものにしようと考えすぎです。悩みすぎなんです。もっとテキトーでOK!!
・・・テキトーが嫌だ、思いましたか?
ならあなたはもう真剣に作曲しています。DAW も立ち上げて、フレーズを真剣に考えています。30分だけ直そうと思ってただけなのに、いつのまにか2時間もやってるよ!! それが理想です。
つまり、「フレーズを真剣に考える、考えたい」という部分まで来ていたら、それは立派な作曲行為です。あとは出来るまで GO です。
この「フレーズ適当っていう考えムカつくんだよ」って思うところまで来たら次のステップです。良い物を作りたいと思っている証拠なので、ひとまずその曲に関しては納得行くまでやり続けれるでしょう。
問題は次の曲です。
一曲作ると消沈する
このように、一曲を本気で作りすぎると、次の曲がなかなか作れません。
疲れるんです。疲れるってこと前の曲で分かったんだもん、あれ疲れるよ。相当パワーいるよ。もうできねぇ、めんどくせぇ。また来月に時間あったらやるか。で、やらない。
そんな感じに絶対にならないでください。
その為に、一曲一曲をテキトーに作り続けましょう。
妥協って言葉の本当の意味
妥協っていうのは、分かっててやらない、諦める言葉ですが「あえて妥協する」っていうのは「次のステージへ行くためにある言葉」だと私は思っています。
つまり、妥協することによってまた一つ階段を上がるんです。そう、中途半端にやり残した残骸を見下ろしながら、くそ〜と思いながら階段を登る。
妥協しないとずっとステージ1のままです。
ステージ1で完璧に出来るわけがありません。その完璧はあくまでレベル1での完璧なんです。ステージ3で完璧にやろうとしていたら、その内容はステージ1の完璧を凌駕していた、むしろステージ1で作ってた曲なんてもはや曲の基盤自体からしてダメだから、何をやっても良いものにはならん。あれこそ時間の無駄だ!!(でも必要なんだが)
と言うところまで悟るかもしれません。
ダメな曲でも一応は完成はさせること!
完成させることは大事です。なので、とりあえずでOKなので、酷い出来でも完成はさせてください。納得いかなくても完成させてください。
完成させないと、それは作曲でなくなります。ただの練習、実験になってしまいます。
なので、一応はつくったんだぞこれ、っていうのが大事です。なので曲名もつけて完成という扱いにしてください。(完成させてください妖怪より)
作曲は修正だ!
ここからはちょっと真剣です。
作曲は「修正の繰り返し」と考えてみていかがでしょうか?
私はあるときからそう考えるようにしました。
それは、アドリブで弾いたものを軽い気持ちで修正したら案外聴けるレベルの曲になった、またはそれらしい曲になりそうな兆しが見えた経験からそう考えています。
テキトーに弾いたフレーズがちょこっと直せば「いいじゃんこれ」ってなり、そうすると、「あとここだけなんとかすれば完成ってことに出来るな」と楽観的に考えれるようになりました。
今までは、「こっからが大変なんだよ、色々と良いフレーズを考えなきゃいけないしブツブツ...」
お主にとっての完成はあと「何千里あるんじゃ!」という感じだったんですね。
あれ想像しただけでヤバイ。疲れる。やる気がしない。
それが、「あとここだけ直せばまぁ一応聴けるなこの曲」って感じで妥協すると、「あとすこしだけだか、よっしゃ頑張ろう、あと一時間くらいで完成だ」となります。
曲が完成する瞬間というのは正直一番楽しみな瞬間です。そのためならあとちょっとは気合入れよう、となりやすいです。
「生み出す」とイメージすると荷が重いです。
「テキトーに重ねたとこの、部分部分だけ直す、不協和音だけは避ける」くらいで考えれば、そんなストリングスのハーモニーがどうたらとか、そこまで考えなくてもとりあえず完成にしてください。
これを「修正を繰り返す」と言っています私は。
もっと「偶発性」を利用する
ぶっちゃけた話、偶然出てきたフレーズやメロディをもっと利用したほうが良い! と常々最近思ってるんですね。さっきの話の延長です。
少し直すだけでとりあえず聴けるメロディになることは多いです。
それってどんなけコスパ良いの!? って感じです。たまたま行ったらやってたバーゲンかよ!!
で、そのとりあえず聴けるメロディ、っていうのがぶっちゃけ何回も聴いていると良い風に聴こえてくることが多いです。
ただ、そのような生み出し方が嫌だという人もいるかもしれません。
ちなみに私はそのタイプでした (過去形)
しっかり鍵盤の前で考えて歌うようにフレーズを生み出したい、そういうフレーズはなぜか「大事にする」んですね。大事大事...このフレーズはこだわったんだよ...。
しかし、それが災いして、大事にしすぎるあまり「他のパートが思うように生み出せなくなる、さらに真剣になり生み出すのが大変になる」んです。真剣なのは大いに結構なんですが、しんどくて次の曲に取り掛かれないのは本末転倒!!
初期の頃に書いた曲では、このようなスタイルで作曲してました。
今聞くと確かに拘りは感じられるのですが、ではその一曲に2週間かけました、となるとちょっと...と感じます。今では二週間も同じ曲に対峙する気力はありません。むしろそんなに長い時間同じ曲ばかり修正していたら、わけわからなくなります。
当時は作曲に慣れていない、のも当然ありましたが、明らかに拘りすぎてました。
なるべく新鮮なうちにパパっと仕上げたい! と今では思っています。
(曲の規模によってはその限りではありませんが...)
最後に
ということで、本当に精神論で申し訳ありません。(一応真剣なんですが)
極論を言ってしまうと「ただやる気が無いだけだぞお前!」と言われてしまう事は承知なのですが、作曲する気が起きない、続かないという方は、少しイージーモードになり、とりあえず「色々と敷居を下げる」ことから始めてみてはいかがでしょう?
また、フレーズを考えてもなかなか思い浮かばない場合は、先にコードを決めて「即興」で適当に弾いて録音してから修正を繰り返すのもオススメ。修正を繰り返しているうちに、その曲がどのようなフレーズを求めているかが分かってきます。
完成させれない、んじゃなくて「作曲がスタート出来ない」というのが実はヤバイんです。
私が思うに、作曲が出来ない、続かない、やる気が起きないという理由はまだまだ他にもたくさんあるのですが、ひとまず今日のところはこんな感じです。
作曲で一番楽しいところですか? やはり完成する瞬間でしょうか!