読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。3月はRPG/オーケストラ系の素材曲を作っています。

新しい音源や機材を買って思うこと。機材を次々と買い替えていたあの時代

悩み・疑問【音楽】 キーボード/ピアノ 作曲/編曲

f:id:Andy_Hiroyuki:20160611124602j:plain

Photo by kebre001

最近新しいソフトウェア音源を導入しました。Spectrasonics の「Omnisphere 2」と「Trilian」です。 この2つは前から気になっていたのですが、まだ色々試せてないのでサンプル曲を作ったらレビューしたいと思います。

Omnisphere はシンセサイザー音源として、Trilian はベース音源の最高峰として有名で、プロアマ問わず殆どの人が使っているものの、今まであまり必要性を感じなかったため購入意欲が湧きませんでした。

Omnisphere 2 はこんな感じで、一先ずはアンビエント系で大活躍してもらうことになりそうです。

適当に選んで音を鳴らしてみましたが、「これスゲェ!」みたいなミーハーな気持ちにはならなかったんですね。誤解のないように当然音は素晴らしいですよ (笑)

サラッとプリセットを聴いた感じでは、音を選んで弾くだけなら最高!なんだけど、曲を作る為に利用するならちょっと話は別。

自分に必要な音を一つ一つ探し、実際に組み込んで曲として形にして慣らしていかないと、絶対に自分の手札にはならない」という少し冷静な気持ちです。

実は今まで作曲しても曲が形になってなかったり、完成させるまでに至ってない時は、ソフト音源、ハード音源問わず、機材を買う度に音を鳴らしては単純に「良い音だなぁ」と感動してました。

めっちゃ音が良い、これはやる気が起きる、みたいな感覚です。今思えば何のやる気だったのか (笑)

今でもこう言った気持ちはもちろんありますが、あの時とは少し音に対する感動が違うように思えてきました。

「実際に使えるかな・・」「単体で鳴らしただけでは分からないな・・」まだ今はこんな印象です。これが慣れてくると「これどう使おうかな〜楽しみだ」となってくるのですが。

シンセを買うと、そのシンセの機能を活かしたような音色が色々と初期設定で入っています。プリセット音源と言います。

これを弾いていくと、今までは「すごい!かっこいい!」みたいなことが多かったんです。高いお金出すので喜ぶのは当たり前なのですが、ただ今はそれを鳴らしても「これをどう使うか」とか「これ使えないな」と思ってしまうわけです。

つまり少しは冷静に音を確認出来るようになったのかもしれません。冷めているわけではありません (笑) 内なるヤル気、静かなる炎、みたいなイメージです。

今回合わせて7万くらい出して買ったにもかかわらず、それほど喜んでいないという。それは、今ある音源でも別に根本では全然十分なことを理解してるからだと思います。重要なのは、作曲と編曲の方ですから。やはり DTM やってると本当に金銭感覚がおかしくなります。

自分にとって使えない音色ばかりたくさん入っていても意味がないのですが、メーカーからすれば誰がどんな使い方をするか未知ですし、万人向けなので仕方ありません。

音色自体はカッコよくプログラミングされているのですが、その音色を本当の意味で活かせるのはその音色をプログラミングした本人だったりします。各音がどう変化するのかを理解しながらプログラミングしているからです。

使う専門のこちら側としては、サウンドプログラマーが意図したイメージをキッカケに、自分の曲にうまく取り入れ、可能であれば少しエディットもしたいところです。

デモンストレーターの動画

今でも JUPITER-80 に入っているプリセットのシンセ系の音を弾いても、まるで音色の変化を操っている気がしません。自分でプログラミングしてないから当然です。音色がまるで自分のものになっていない、というイメージでしょうか。(個人の主観なのでこのこと自体に良いも悪いも別に無い、と思っています)

なので動画などで、デモンストレーションで奏者が適当にプリセット音色を弾いている動画を見ても少し虚しさを感じてしまうのです。あぁ、音色変化を理解していないな、とか、明らかにその音色を生かすようなフレーズを弾いていないな、とか。もちろん理解しながら弾いている人もいます。

逆に、派手な音色でなくても、自分でしっかりエディットして鳴らしている動画を見ると「しっかり理解しながら操っているな〜」と感動します。

単純にプリセットの雰囲気を確かめたい時にはそうでなくとも良いのですが、本当の意味で音色を操っている動画を見るなら、エディットが得意なデモンストレーターの動画がオススメだったりします。そういう人の動画は、手数が少なくても、弾き手と音色が一体化しているように感じます。

こちらは Scott Berry という人の JUPITER-80 のデモですが、やはり音を操っている感が感じられます。

レイヤーされた各音色がどのように変化していくのか、シンセを始めた時は全然理解していませんでした。音がホワ〜ンと大きくなっていったり、奥でアルペジエーターが鳴っていたりしても、どのように分散しているか、一方で同時に鳴る音色はどのような変化をしているか、など。そしてそれが、どのように使われることを想定されているのかなど、何も考えず適当に使ったりしていました。

ピアノ、エレピ、オルガン、ストリングスなどの生楽器の単体で鳴るサンプル系の音色はこのような考えからは除外されるのですが、シンセ系の音色に対しては求めるものがかなり適当だったと思います。単純に音を鳴らしてカッコよかったりすれば、何となくでもよかったわけです。もちろんそれも大事なことですが。

今回 Omnisphere を少しずつ慣らしていくと、複雑に変化する音色もあればそうでないものもあり、何より数が膨大です。すでに持っている Komplete 9 U だけでも十分でしょ、と思っていたのですが、まだ使ってない、聴いてもいない音がたくさんあるのに、Omnisphere 2 を買ってしまいました・・・音探しの旅が始まります。

音源を増やすリスク

作曲に集中していると、私は新しい音源が欲しいとあまり思わない性格です。なぜかというと、新しい音源を増やすとリスクも増えるのです。使えるものが増えることが生産に迷いを生じさせます。使い慣れた音色パレットほど強力なものはないと思っています。使い慣れた音色は、音を重ねた後のイメージもある程度できるんですね。

どんな製品でもそうですが、いくら音が良かったりしても慣れてなければ使えなかったりします。これは曲を完成させ始めた時から感じ始めたことでした。曲の雰囲気や全体像、フレーズやアレンジを考えなければいけないのに、音を選んだりしていることで迷っている暇はない、という感じです。バグや不具合などもってのほかです…。

私にとってこの音を選んだり試したりする時間はもちろん大切なのですが、無意識でいると選んで弾いて楽しんで時間が流れて終わってしまうことが多いのです。そのため、自分のテンプレートに加える音色を少しずつ選定する必要があります。そうすることで、自分の手札をしっかりイメージしながら作曲することができます。

もちろん偶発性が必要なアンビエント系などの曲は、逆に音色から曲のイメージが浮かぶ場合もあります。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

買って売っての繰り返しの日々

私は、作曲をする前は機材を次から次へと買い換えていました。何もその機材で形にしないまま、飽きては売って、飽きては売っての繰り返しです。その一つ一つと確実に向き合っていないから、潜在機能に気が付かぬまま次の機材を買っても同じことの繰り返しです。何を買ってもただ弾く、音を鳴らす以外何もできない感じでした。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

上記の記事でも少し触れていますが、そのように一つ一つの音に対して簡単に感動し、簡単に飽きる、つまり考えていたようで実際には何も考えずに感覚で向き合っていただけでした。今それらを言葉で表現するならば、「音を聴いていただけで満足し、音の先にあるもののイメージ、想像が出来てない状態」です。想像力が無かった。

機材制限を設けて、 ゲーム音楽をイメージしたアルバムを作ってみよう。

そう思って作ったのがこの「DECISION」というアルバムなのですが、ほぼ9割以上、現在のマスターキーボードである Roland RD-700NX のプリセット音色だけで作りました。

DECISION=決意、決心

みたいな意味ですが、最後まで作りきる。この機材だけでクオンタイズ (リズム自動修正) を使わず手弾きだけで練習して打ち込む。という演奏データ上の MIDI コントロール制限を設けて作りました。膨大な没オーディオデータの屍の上にこのアルバムが出来ました。当然、もう売ったりはせずに RD-700NX は今でも大切な相棒となっています。

作曲は何となくしていましたが、ちょっと作って放置というような状態ばかりで、完成させたことは一度もありませんでした。バンドをやっていた時は、その時々のリーダーが曲や歌詞を書いていたので、せいぜいキーボードパートのアレンジくらいだったのです。

一曲に一週間もかかったり、ミスって録音し直したりと、ものすごく時間がかかりましたが、だんだんと自信が湧いてきて次から次へと曲が出来上がっていきます。

クオリティはともかくとして、慣れてきて最近作ったフリー音楽素材の曲よりも、構成もハーモニーも凝ったり色々実験してたなぁと今聴いても思います。その分荒いですが、当時の自分の勢いみたいなものを感じます。

やっぱり少しでもリズムがよれていると BGM としてはダメだなとか、逆に弾いている感があるから飽きにくかったり演奏を楽しめるな〜とか勝手に想像したりしていました。ハードシンセの外部録音なのでちょっとノイズが入っている感じが良いとかダメとか。

上記の2曲は、作曲で何かカンみたいなものを得た曲で、「あぁ、曲が形になるってこういうことなんだな」と無から音が形になる瞬間みたいなものを直感的に感じた曲で特に思い入れがあります。

そうやって自分の作品と真剣に向き合うことって、作曲者にとってはすごく大事な事だと思います。なんというか、その作品を聴くと当時を思い返せるのが良いですね。そういうのは作曲者自身の自己満足な話になるので共有は難しいのですが、真剣にやればやっただけ、鮮明に思い出せたりします。

なので、もし作曲を始めたのであれば、ある程度どこかのタイミングで「よし、このアルバムは、この曲はガチで作るぞ」って決めると、何となく自然に作る時とはまた違った想いを込めることができると思います。

そのタイミングや時期は人によって異なるとは思いますが、決めたら何かコンセプトを設けて真剣に打ち込むと、必ず自分の音楽歴史になると思います。長く音楽を続けていても、案外真っ先に思い出せるレベルの出来事って決まってくるんですよね。自分の中で転機になったものだったり、重要だったことが記憶に残ります。言われたら思い出せたりはしますが。そういったものは人生の宝だったりします。

現在は本業が忙しく、作曲になかなか集中できないこともあり、ブログも書きたいし作曲もしたい、と気持ちがバラバラでした。ですがブログの方が形になってなかったのでまずはブログをやろう、と。ある程度土台が出来て、PV も増えてきてブログの結果も出てきたので、次は新しい音源を買って作曲をしよう、と思いました。

そんな形で、最近は Omnisphere 2 と、Trilian を使って作曲していますので、また音楽素材を増やしていこうと思います。

早速使ってみました

andy-hiroyuki.hatenablog.com

現在の状況

昨年8月にパーソナルな音楽素材サイトを作りましたが、当然殆ど訪問がありませんでした。これではいくら曲を増やしてもダメだなと、意図したトラフィックを増やす為にも作曲を始めた人や、アマチュアゲームクリエイター向けにブログで自分の考えを発信しようと思いました。

このブログをやり始めてから、ゲーム音楽の作曲方法や、音楽素材探しの訪問者など、いろいろな人がサイトを知ってくれて、徐々にダイレクト経由、検索からもアクセスが増えています。

作曲だけしてればいい、というのは、バンドをやっていた時に「良い曲だけ書いて練習してライブを続けていればいつか誰かが・・・」みたいな感覚に近いので、自分から色々と発信する大切さを感じています。

作曲を少し休んでしまいましたが、ブログにきちんと結果が出始めているのが、また作曲へのモチベーションになります。

いつも読んでくださる方々のおかげです。やはり「はてなブログ」でなければここまで続けれなかったと思います。ありがとうございます。また頑張ろう。