ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

【鍵盤が重いから?】電子ピアノが弾きにくい、と感じてしまう本当の理由

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初心者問わず、電子ピアノが「弾きにくい」または「重く感じる」これはよくある悩みです。

 

その理由は単純に「指が弱いから」「指の筋肉がないから」という場合もあると思うのですが、実はそれ以外にも結構大事なことがあります。

 

それは「マスターボリュームの設定、大きさ」なのです。

 

今日はそれについて書きます。

目次

マスターボリュームとは? 

電子製品の楽器やオーディオを扱う時、必ず避けて通れないのが「音量の調整」になります。

これは音楽を聴く時もそうだし、テレビを見る時もそうですよね?

 

では考えてみましょう。

 

もし、テレビを見る時に音量が小さかったら?

 

「よく聴かないと聞き取れない」

 

逆に大きすぎてもうるさくてまともに見れない、聞けないワケです。

 

実はこれは楽器も同じなんですよ!

 

マスターボリュームの設定、そして、「自分の音量体感を理解しているか」というのが練習、演奏する上で非常に大事になってくるんです。

 

そう、指の強さ、鍛えているかどうか、ということとは別の立ち位置で「弾きやすさに影響してくる」んですね。

なぜ弾きにくくなるのか?

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先ほど書いたことと同じように

楽器のボリューム、特に内蔵スピーカーが付属している電子ピアノは、基本的には最大で一番ベストなパフォーマンスが出るように設計されています。

それ以上上げたらスピーカーが割れるので、スピーカーが耐えれて、なおかつ一番綺麗に聴こえる、または発揮できるに適したレンジになってます。

(LINE OUTからさらに、外部オーディオにつなぐ場合はその限りではありません)

 

それはなぜかと言えば、

スピーカーの許容範囲(レンジ)というのは、マスターボリュームが最大で、なおかつ一番強く弾いた時と、弱く弾いた時の音量差、になります。

この差を一般的には「ダイナミクスレンジ」と言います。

 

よく「君の演奏、ダイナミクスが足りないよ!」と言いますが、それは「強弱の差の表現が足りてないよ!」ということです。

それは「タッチの強さを意識できてない」ということなんですね。

 

ダイナミクスを意識する、意識して演奏する、ということは、最大の強さ、弱さのタッチで弾いた時に、どういった音圧になり、それが体感的にどうなるのか、ということをまず理解するということです。

それによって、部屋の大きさや状況で、自分がマスターボリュームをどう設定して弾くか、というのが決まります。

 

電子ピアノで内蔵スピーカーで鳴らす、ということ前提に、

例えばボリュームが10段階あるとすれば、10が一番弾きやすい、ということです。

しかしこれには一つ条件があって、「部屋の大きさが適正な場合」なんですね。

 

その条件が揃っていれば、基本的には鍵盤のタッチの感覚が強弱を出しやすくなっています (もちろん、電子ピアノ自体の性能にもよりますが)

 

また、それは「部屋の大きさ」「自分の体感」にも影響されます。

 

トイレに電子ピアノが置いてあったら、最大ボリュームで弾いたら当然ですが耳が痛いに決まってます。

トイレの空間は狭いので、スピーカーから出た音が反響しまくってしまい、大きな部屋でレベル10で鳴らすのと、トイレでレベル3くらいで鳴らす音量は体感として同じだからです。

 

すると、残りの7がオーバーとなり、それが「弾きにくい」と言った感覚を生み出すことになります。

 

弾きにくい、と感じるのは、音量が小さくて必要以上に強く弾かないと、音がハッキリ鳴らないからそう感じる場合もあるのです。

小さなタッチでも、マスターボリュームが適正なら軽く弾いただけでもピアニシモは出せるのです。

自分の「音の感じ方」を理解しよう

人は、どこで弾くか、と、どんな状況で弾くか、に影響されます。

弾く場所と、鳴らした時に感じる自分の体感です。

 

トイレでボリューム10では弾きにくいのに、なぜ広い部屋で10だと弾きやすいのか?

 

それは、「自分が体感する音量が適正だから」なんですね。

 

気持ちよく聞ける=気持ちよく演奏できる、ということです。

 

私も含め多くの人は、無意識に騒音などの迷惑を考えて、音量を抑えめで練習したり演奏しようとします。

 

すると、同じ強さで弾いても、当然、鳴る音というのが変わってくるんですね。

例えば、ボリューム10なら弱く弾いても小さな音が綺麗に聴こえて気持ちいいのに、ボリューム5だと、小さく弾いたら本当に耳を済まして聴かないと聴こえない感じになります。

 

それによって、自分の音が聴きにくかったり、演奏しずらかったりしてしまうのです。

 

正確に言うと、鳴っている音量は同じでも、音が違う、んですね。

それを無意識に、自分が鳴らしたいニュアンスの音じゃない、と錯覚するのです。

 

当然ですが、毎回毎回ボリュームを決めて、あるいは意識して弾いていなければ自分の普段弾いている強弱も理解してなく、感覚に頼って弾いていることになります。

自分の音量感の軸を持とう

このように、音量を適正にしないと、指の強さとは別の立ち位置で弾きにくい、感覚が違う、ということになります。

一番問題なのは、自分でそれが分かっていない、ということなんですね。

 

私も子供の頃、電子ピアノで練習しているときに、部屋がマンションだったので、マックスのボリュームで弾いていたらうるさくて弾き辛かったのを覚えています。

 

例えば一人でいる時とか、親が同じ部屋にいるから、とかで、そういうことに気を遣ったりしてくると、当然ですが、毎回ボリュームが変わってきますよね。

あるいは無意識に調整しているんです。

同じ音量でも、昼と夕方、夜中では環境音の大きさでも変わってくるのです。

自分の体調は言うまでもなく、熱があれば耳が遠くなります。

 

すると、同じ曲を弾いているにも関わらず、今度は曲自体も適当に弾いている、ということが発生します。

全部弱く弾く、とか、強く弾く、とか。

すると自分の基準なんてぐちゃぐちゃになってしまうんですね。

 

しかし、子供の頃というのはこういうことがなかなか分からなかったりしますし、普通に考えて教えないと理解できないと思います。

よほど音量はこれで固定して弾いてね、と決め事をしていない限り、その都度自分の感覚で調整するからです。

 

狭い防音室の部屋でグランドピアノを弾く時の音量も、ホールでグランドピアノを弾く時にも音量感はもちろん、残響の強さも違います。

 

また、その部屋に何人の人間がいるか、でも音を吸収してしまうので、音は変わってくるんですね。

ヘッドフォンでの注意点

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ヘッドフォンで練習する時にも、これは意識していきたい部分です・・・が!

 

ヘッドフォンは大きな音を鳴らして練習できることは確かですが、耳に負担をかけて難聴になる可能性を高めてしまうので、ヘッドフォンは小さめで練習するのがオススメです。

私も昔はヘッドフォンだからこそ、大きな音を出せる!と思ってましたが、それは諸刃の剣だということです。

 

それは作曲でヘッドフォンを使って大音量で長時間聞くのが良くない、ということを知ってからすぐに辞めたことでした。

ヘッドフォンが悪いわけではなく、ヘッドフォンを使っても小さな音で聴くようにする、あるいは、その音でしっかり割り切って練習する、とうことが大事です。

終わりに

もし電子ピアノが弾き辛くて、サウンドだったり自分の指が弱いからかなーとか気づき始めたら、それに加えて音量感を意識してみてください。

必ず「自分が弾きやすい音量」があるはずです。

 

それを分かっていても、周りの環境や、時間帯の都合でその音量が出せない、ということが起こります。

その時こそ、それをきちんと理解していれば、しっかりと切り分けて弾けるようになりますので「なんかいつもと違うな」という感覚的な悩みから解放されます。

 

物事には必ず理由があります。

違和感を感じたら、自分で色々と検証していきましょう。