ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

リメイク版『聖剣伝説2』の音楽を聴いてみた感想など

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Photo by スクエニ

先日発売された、リメイク版の聖剣伝説2

 

私自身、子供の頃に何度かプレイして、シリーズのサントラも今でも聴き続けていますが、聖剣伝説は色々と本編で問題が出てくることが多いなーと思いました。

 

3、レジェンドオブマナまでは誰もが認める名作でしたが、4はワゴンセールで叩き売られてしまったり、今作もアップデートなしにはまともにゲームが進められない状態となっているようです。

 

それも相まって、本編のBGMのアレンジに関しても色々と賛否両論があるようで。

 

www.square-enix.co.jp

かなり複数のアレンジャーが参加しており、それぞれの持ち味を生かした作品になっていますが、これ結構作曲してるものの目線や、編曲者のことを知っていると

「あ、この方こんなアレンジにしたんだな〜」

そんな感じで面白いんですけどね。

評価を少し見てみるとゲームの画面に合ってないアレンジも多い、と言った声もちらつきます。

 

私も一通り聴いてみて、確かにサントラ単体で聴いた感じではオムニバスのような感じで非常に面白いんです。

まあゲーム本編にこれだけ様々なアレンジが入り浸るのは、ユーザー目線で考えれば統一感を感じられない人も多いかもしれませんね。

ゲーム実況などで雰囲気を確かめて見ましたが、個人的にはぶっちゃけ全然許容範囲内ですけど。

そのほか、グラフィックやゲームの雰囲気、BGMは素晴らしいと思いました。 

 

しかしゲームで流れる音楽として売る以上、想像以上に聖剣伝説2のファンはゲームや音楽に求めるものの理想形が存在していたんだなぁと。

「聖剣2の音楽はこうで合ってほしい」

 

トレーラーを見た時、メインテーマを担当した宮野幸子さんのアレンジが素晴らしくて、あの方向性で期待してしまった感はあります。

 

近年でもイトケンさんの作品や活動に関わられてる上倉さんがアレンジした、君は海を見たか、とか聖なる侵入、とか原曲を参考にした末、このアレンジにしたんだろうなーってのが伝わってきます。

聖剣2って、よく考えたら原曲自体バラエティに飛んだ楽曲が多いんですよね。

 

アクションRPG、お城とか色んな種族とか登場するけど中世ファンタジーだけでもないし、やはり世界観が独特です。

 

なによりランディ達の視点で見た聖剣2の世界観は、どこか「幼さ」を纏っていて、それが楽曲の優しく、ポップな雰囲気にも出ています。

 

茶めっ気たっぷりな曲も多い反面、シリアスな曲も多いんです。

 

スーファミの音源でまとめられてたり、菊田さん自身の強烈な個性も含めて全体的には一見まとまって聞こえるんですけど、音楽のジャンル自体は色々と盛り込まれています。

 

その中でも、電子的なリズムの要素が強い曲も多く、それと繊細なメロディラインをどのように融合させていくか、みたいな難しさはある気がします。

  

ユーザーは聖剣2の音楽のどういった部分が好きなのか?

 

スーファミ時代のゲームだからこそ、ゲーム本編抜きには考えられない要素ですね。

やはりゲーム体験から体感する音楽への思い出、印象はとてつもなく大きいです。

 

最近のスクエニの風潮だと、成田さんや関戸さんのアレンジは得意なハードロック寄りな感じで、近年のロマサガとかスクエニのRPGの方向性をよく汲んだ安定したアレンジだと思いました。こっち系はやっぱりかっこいいし受けやすいかと。

 

菊田さん自身が手がけた曲は、原作者が過去作とどのように差をつけようとしているのか。

聴いた感じだと「やはり聖剣2はこれやろ!」ってアレンジで最高なんですがw

 

マリンバの反復とか、打楽器の独特な音色、ビートの重さ、がやはり特徴で、音色へのこだわりが感じられましたし、やっぱりパンチが効いていて良いなーと。

 

これはスーファミで作ってきたのもあるのか分かりませんが、不要なパートがないんですよね。全てのパートが歌っているというか。

 

そして「危機」とか「子午線の祀り」今聴いても、やっぱ強烈です。

特に危機に関しては菊田さんしか思いつかんやろ、って思いますし、とにかくフレーズが強烈です。

複雑なパートとそれが一気に解放されたストレートなメロディパートの差は、聴いていて爽快。

 

これは音楽を聴く上でとても重要なことだし、 聖剣2の曲はこうした打楽器がメロディと同じくらい特徴を持っています。

 

リズムが歌っている、んですよね。

 

聖剣2の音楽は本当に個性的で、思い出せる曲がたくさんあります。

 

そんな感じで、他の参加者のアレンジを聴く事が出来たからこそ、菊田さんのアレンジとか仕上がりの良さも改めて確認出来たのは嬉しい事です。

 

ゲームの話に戻して

やはりそんな最高な音楽でも、今回のようにゲーム体験において本編のバグは致命的であり、たったそれだけでゲームや音楽、全てに対しての印象がマイナスに変わってしまいます。

 

これはなぜこうなってしまったのか、非常に残念ではありますが、早急にアップデートを望みますね。

 

ユーザーの評価は厳しいので、発売時の印象が全て、であると思いますが…評価をのぞいてみると、やはりグラフィックやBGM、声の導入やゲームの雰囲気は良かったという意見も多いので、バグだけが惜しいところです。

 

3のリメイクも期待されていますが、その足枷にならないように早急に対応して、ファンの心が離れないようにしてほしいものです。