Photo by 無料のフリー素材集
今回はキーボーディストあるある、「音量バランス問題」です。
音量バランスというのは音楽はもちろん、バンドをやっていく上で必須項目なのですが、しばしば最初の頃はこの問題に悩まされます。
特にキーボーディストは色々な音色を扱うため、他のパートよりも早期にこの問題にぶつかります。
是非とも早いうちに、この音量バランス問題を解決しておきましょう。
目次
キーボーディストは色々な音色を使う
多くのキーボーディストはシンセサイザーを使って演奏するため、様々な音色を使うことになります。
そこでまず覚えおきたいのが、音色ごとに音量を調整することです。
これはキーボーディストにとって基本中の基本なので、是非ライブ前、スタジオ前に念入りにチェックしましょう。
キーボーディストは音量バランスに敏感であれ
ありがちな問題としては、ピアノは小さい、ストリングスは普通、リードサウンドはバカでかい、ということが良く起きます。
演奏しながらボリュームを操作しているキーボーディストを見たことがありませんか?
色々な音色を使うことになるがゆえに、常にシビアに音量を気にしているキーボーディストは、ライブで演奏しながらボリュームの操作をすることが多くなります。
つまり、それだけ音量バランスに敏感なんですね。
この問題が無くならない理由に、演奏する場所やセッティングによって色々と自宅やスタジオでリハーサルした内容にならないことが多いからです。
音量を統一させる理由
では、なぜ音色の音量を統一する必要性があるのでしょう?
それは、使う音色の音量 (出音) を統一することで、マスターボリュームを動かした時の音量差を無くしたいこと。
これがもし音色ごとに音量がかなりバラバラな場合 (正確に言うと差が大きすぎる場合) 何の音色を基準にボリュームを操作すればよいか分からない、という問題になります。
例えば、演奏中にピアノが小さすぎて本番でボリュームを上げたとしましょう。
次にリードサウンドでソロを弾きますが、元々小さかったピアノの音色の時にマスターボリュームを上げた状態で次の音色であるリードサウンドを弾いた場合、もしそのリードサウンドがピアノの初期設定の音よりも音量がかなりあったらどうなるか・・・。
音量がデカ過ぎて一瞬耳が潰れます (危)
これは自分だけでなく、そこにいる全ての人に迷惑がかかりますので必ず予防すべき問題なのです。
その為には、基本的なセッティング段階で全音色の音量バランスをなるべく統一させておく必要があります。
音量を統一させるメリットとは?
では、音量が10段階あるとして、基本的な音量が「7」だとしましょう。
自分の感覚で良いので、全音色を7に近づけます。大きすぎす、小さすぎず、どの音を弾いても7くらいの音が鳴るようにします。
そうすると本番、音が少し小さいと感じたらせいぜい8か9まで上げればOKなわけです。ソロの音色も、7を基準にしていれば8か9まで上げるだけでメリハリをつけれるでしょう。
そしてソロが終わり次の音色に戻したときも、ソロでマスターボリュームを少し上げたため多少音量がバラつく可能性がありますが、いっても1か2の差で抑えれるわけです。
同時に、ひとまず1か2下げれば良いな、と予め分かっていればすぐにフェーダーを適正な位置へ持っていけます。
これがもし音色ごとにバラバラ、基準も何も設けていなく差が4か5にもなろうものなら、それこそジェットコースターのように音色ごとの音量に振り回されてしまうのです。
これでは演奏に集中出来るはずもありません。
なので是非振り回されるのではなく、使い手の主であるあなたが音色達を操って欲しいと思います。
本番のリハーサルでチェックすべきこと
ライブのリハーサルで PA の方が「次、キーボードさんお願いします」と言ってきたらこちらも使う音色の音を鳴らします。
その時に PA がチェックしていることは、客席側のキーボードの基本的な音量とバンド全体の音量バランスです。
なので、まずマスターボリュームは真ん中の「5」にしておきましょう。
すると、PA の方は「5」で弾いた時の音量が、バンド全体で音を鳴らしている時の適正なバランスで合わせてくれます。
つまりリハ段階でマスターボリュームを「5」で設定しておけば、ソロで「7」にする、歌に戻ったら常にまずは「5」にする、という風に自分の中でルールを作ることが出来ます。
これがライブでの「ボリュームの基準値を設定する」という事です。
ここで注意したいのが、リハの段階ではマスターボリュームを MAX にせずに必ず半分の「5」で合わせてリハーサルしてください。
MAX でリハーサルしてしまうと、仮にもしそれ以上の音量を本番で上げたくなったとしても、もうそれ以上は自分で上げれなくなります。PA 側がキーボードの MAX の状態をバンド全体の標準に合わせている為です。
本番で何か合った時に困りますので、音量には余力を残しておきましょう。
筆者の音量トラブル事件
筆者の失敗談として、ライブがスタートした時に、
「あれ、音が鳴っていない、おいキーボードの音が鳴ってないぞどういうことだ!?」
と本番で焦っていた時がありました。
その時はもはや冷静ではなく、完全に PA に問題があると思っていました。
で、結果的には足元のボリュームペダルの音量が「0」になっていたのが原因だったという。
「お前やんけアホ (笑)」
ボリュームペダルの存在を完全に忘れていたというオチだったのですが、あれほど恥ずかしい事はありません (笑)
キーボーディストによっては、サスティンペダルの他にも、フットスイッチ、ボリュームペダル、エクスプレッションペダルなどを使うことがあるかと思いますが、意外と慣れてきた時にふとド忘れしてテンパることもありますので注意しましょう (笑)
最後に
音量を整えることは、結果的に全ての人をハッピーにすることに繋がりますので必ず手を抜かずに調整しましょう。
特に自分で音色を作り始める頃に、プリセットの音と差が開いてしまったりします。
レイヤーで音を重ねたり、スプリットで音域ごと音色を振り分けたり、エフェクターを使った上での仕上がりなどなど、考えることは色々ありますね。
また当然ですが、外で鳴っている音 (客席側) と、中で鳴っている音 (モニター) によっても演奏のイメージや、バランス感覚に影響してきます。
こんな感じで、様々な音量バランスの壁にぶち当たるキーボーディスト。
本当に大変ですね ・・・(汗)
ですが、これらは演奏以外の知見を必ず広げるキッカケになりますので、是非とも一つ一つクリアして行って欲しいと思います☆