ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

作曲家『関美奈子』氏のソロアルバム『ARKHEMINA』レビューと感想

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Photp by DIGITAL SONIC DESIGN Inc.

関美奈子さんという作曲家をご存知ですか?

私の大好きな作曲家の一人で、壮大なゲームサウンドの BGM や、最近ではアニメキングダムの劇伴でも有名な方です。

関さんのサウンドに惚れ込んだ一人として、気になっていたアルバムを購入しました。

それがこの「ARKHEMINA」という作品です。

目次

ARKHEMINAとは?

サウンドクリエイターの関美奈子さんが所属する、DIGITAL SONIC DESIGN から発売されたARKHEMINA プロジェクト第一弾の作品です。

アマゾンや公式HPでも試聴出来ますよ。

中世や神話などの世界観をテーマに表現されています。一曲目から最高です!

「ARKHEMINA」(アルケミナ)とは、中世ヨーロッパ、神話、伝説、幻想世界などのキーワードから描かれる世界観をベースにした制作プロジェクト。
1st Albumとなる「ARKHEMINA」では関美奈子と関正道(DIGITAL SONIC DESIGN Inc.)が音楽制作に参加、土屋実紀がVocalでゲスト参加している。

分かりやすく言うと、壮大なファンタジー音楽を持て余すこと無くフルパワーで聴ける作品となっています!

↓こちらからも試聴とダウンロードが出来ますが、あまり値段も変わらないのでやはり CD がオススメですね。

digital-sonic-design.jp

カッコよすぎて、力強くものすごいパワーを感じられる曲ばかりなのです。

ARKHEMINAの感想

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幻想的なジャケットのデザインは最高です。

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全11曲からなる作品ですが、壮大な世界観はもちろん曲ごとに温度までもしっかりと感じられます。

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アコースティックな曲から、オーケストラ、クワイヤー、デジタル、民族調などが融合して独自のファンタジー観を創造しています。

1. Introduction ~ARKHEMINA~

ハープとハイコーラスによってARKHEMINAの世界に導かれていきます。

もうゲームのオープニングのようで最高です。

2. Chateau d’Amboise

どっしりとしたデジタルなビートと共に、アコースティックなサウンドとボイスが印象的な2曲目。森の中、樹海を彷徨っているようなイメージです。

3. Mont Saint-Michel

ストリングスによるどこか儚くも壮大なメロディです。ホルンなど、オーケストラ調にドラムのビートが絡みます。大きなメロディが特徴。

4. Chateau de Chenonceau

物語の展開を感じさせるような曲ですね。壮大かつダークで衝撃的なイメージです。

5. Chateau de Villandry

アコースティックギターが印象的な温かいナンバー、コード進行、表情豊かなトランペットのメロディも共に聴きやすくてかなりオススメ。

6. Schloss Neuschwanstein

ドラムのビートがカッコいい、民族調のバトルサウンド。アニメの劇伴のような雰囲気です。

7. Schloss Hohenschwangau

エレクトリックピアノとリバーブの効いたパーカッション、そしてストリングス。冷たさの中に何を見る?

8. Chateau d’Azay-le-Rideau

オーボエとフルートがファンタジーらしさを醸し出してます。ボイスが妖精のようで美しい。転調を繰り返すコード進行、ピアノのアルペジオが幻想的。

9. Anfiteatro Flavio ~Colosseo~

完全にボスバトル曲ですよ。壮大なクワイヤーサウンドとデジタルが融合しています。時折鳴る金属音が刀身の火花が散っているような感じに聴こえます。超オススメ!!

10. Chateau de Chinon

イントロがラスボスかと思いきや、思いっきりエンディングです (笑) アコースティックな展開で最高潮に盛り上がります。

11. Epilogue ~La fin est un commencement~

エピローグはしっとりとしたピアノ曲です。クラシカルで、ショパンの雨だれを激しくしたような繊細な曲。美しい。

関美奈子さんを知ったキッカケ

PS用ソフトの「ティアリングサーガ」というシミュレーションゲームの音楽で関美奈子さんの存在を知りました。

ティアリングサーガはファイアーエムブレムシリーズの派生作品として登場しました。生みの親である加賀氏と任天堂との間で版権で問題になりましたね (最初はエムブレムサーガという名前でした)

しかしゲーム内容の出来はもちろん、壮大なオーケストラを中心とした世界観はシミュレーションRPGの中でもトップクラスのクオリティを誇っています。

サウンドトラックもすぐさま廃盤になってしまい、プレミア化してましたね。

今でも良く聴いており、ティアリングサーガの音楽はゲームのオーケストラサウンドを作る上でかなり影響を受けました。

続編として「ベルウィックサーガ」という作品も登場し、サウンドはさらに壮大でボリュームアップ。ゲームの方がちょっと今までのシリーズじゃない感じで序盤でギブアップ。サントラだけで楽しむというパターンに・・・。

作曲は関さん以外の方も参加されています。

その後、キングダムのアニメ版の BGM を手掛けると聞いて嬉しかったですね。

最後に

ARKHEMINA の紹介と関さんを知ったキッカケでした。

もしティアリングサーガなどプレイして音楽が好きだった方は、これを機に新たなサウンドを味わって欲しいと思います。

また、ゲーム音楽が好きな方はもちろん、ハイクオリティなファンタジー系のソロアルバムを聴きたい方は是非手にとって頂きたいです。

関さんの女性ならではな繊細な表現に加えて、力強いサウンドが魅力的なのです!

ティアリングサーガ、ベルウィックサーガ系の音楽とは少し方向性が異なりますが、私のようにゲームから知ったファンの方はぜひ一度試聴して欲しいですね。