Photo by KORG
KORG がステージピアノの新製品を7月に出しますね。
真空管を売りにしていた SV-1 もビンテージステージピアノな位置付けで君臨していますが、それとは対象にこちらはもう完全にガチでステージピアノ。
価格的にも Roland のRD-2000、YAMAHA の CP シリーズがライバル機種となりそうですが、遊び心を忘れないのが KORG ですね。
専用スタンドとペダルを最初からセットで組み込んでいるのがグッド。
目次
今、求められるステージピアノ
Grandstage の概要を簡単に言ってしまうと、KRONOS の音源エンジンのイイトコどりをしてインターフェースをシンプルに落ち着かせた部分。
「ゴージャスサウンド+ステージピアノ」
こんな感じですかね?
とにかくデザインがいい。
ステージピアノで求められる必要最低限のノブ。そして、真っ赤な LED はブラックを基調とした本体とコントラスト抜群で映えますね。
あと個人的に、このバックロゴが光るのが最高。しかもカラーとか輝度も調整できるみたいなので、ステージの演出にも一躍買ってくれそう。
参考動画
公式、Sweetwater、KraftMusicのを貼っておきます。
どんな使い方がいいか?
ピアノ音源の SGX-2、エレピ音源の EP-1 はメインで使うとして、その他の音色群の位置づけ。
王道な使い方だと、プレミアムなピアノとエレピをメインに、ストリングスやパッド、などをミックスさせるのもいいのですが、やはり HD-1 や CX のサウンドを生かしたい、というか生かさないと良い音のピアノ、で終わってしまう感があります。
かと言って、RD-2000のようにフェーダーがいくつも並んでいるわけではないのですが、フェイバリットボタンが中央に配置されているので、シンプルに音色とテクニックで攻めるのも良いと思います。
テクニックをストレートに表現する
KRONOSの音源を簡易的に使えるのは素晴らしい。
ということはもはや音色については誤魔化しようがない。なので、そのようなゴージャスなサウンドをピアノタッチである本機で曲の中でどう表現するか、がよりプレイヤーに求められる要素なのではないでしょうか。
一つ一つのサウンドが良いということは、だいたい何の音色を混ぜてもそれなりのサウンドが作れるので、言ってしまえばあとはテクニックをきちんと磨いて押し出していく、というまさにプレイヤー向きな機種だと思います (超勝手な意見)
普通に動画のようなインストとかカッコイイですし。
例えば、こちらは先ほどの公式の動画ですが、曲中に別のサウンドを良い意味で無理やり組み込んでます。
最後までピアノ一本でも良いと思うのですが、Grandstage の性能を披露すべく、オルガンとエレピをスプリットしてソロを弾いています。
こう言った飛び道具的な攻めスタイル、アレンジが Grandstage のサウンドを生かせる一つの表現だと個人的には思います。
音が良いのだから、フレーズと演奏がカッコよければ最高ですよね。
H ZETT M さんのパフォーマンス。
この方は本当にピアノと一体化してますね。弾き倒す、とはこう言うことを言うのでしょう。どんな音色を弾かせても、それらが活きるフレーズ、リズムを奏でてくれます。
センスが超絶に半端ない!!
ダイナミクス機能
今回の目玉機能がこれ「DYNAMICS」です。
これは RD シリーズで言う所のサウンドフォーカスみたいな機能ですが、左に回すとダイナミクスレンジが広く、強弱を最大に表現出来るのでソロや繊細な表現に適しています。
逆に右に回すと、音量がタッチに対して一定になり、抜けも良くなるようでキーボードを一定の音量で目立たせたい時に活躍しそうです。
こういうのって、無理やりマスターボリューム上げるかしかない場合が多かったので、音楽的に狙って開発された機能であればよりプレイヤーのフィーリングに寄り添った表現できそうですね。
最後に
キーボーディストにとって、ステージピアノはどのメーカーのものを選ぶか迷みどころではありますね。
RDシリーズはサウンドだけでなく鍵盤のタッチや素材にも力を入れていますので、私も使っています。最新の RD-2000 は DAW との連携も優れていますね。
今回出る KORG の Grandstage も、サウンドと本機デザイン、専用スタンド付属がかなり攻めているように思えます。
もう一つ大事なことは、73鍵盤を選択できる機種、ということ。
正直73鍵盤でも十分なので、持ち運ぶ重量を考慮したい場合、コンパクトに演奏したい場合はチョイスしたいですね。
ステージピアノに求められるものは、シンプルな操作で良いサウンド。
Grandstage は KRONOS の資産をうまく使ってそれを実現していると思いますので、久々にこれはヒットするのではないか〜と予感しています。