「ドラゴンクエストへの道」
かなり有名な本? なのでゲームクリエイターなら知っている人も多いかもしれませんが、私はこのマンガがすごく好きで、たまに読むんです。
ドラクエ1が作られまでのエピソードが詰まっているマンガなんですが、もし読んだことがなければ・・・個人でゲームを作る人はもちろん、チームで作る人にも読んでほしい本です。
今日は最近ちょっとゲーム制作に携わる中で、感じたことを書き残したいなぁと。
目次
敷居が下がったゲーム作り
今や「RPGツクール」などを中心に、ゲームを作る敷居は昔と比べてかなり下がったのではないでしょうか?
昔のスーファミの1と2やプレステの3などは本当に気軽に作れましたね。
他にもUnityなどのゲームエンジンを使ってネットや書籍を頼りにサンプルゲームを作ることができたりと、ますます個人のゲームクリエイターは増えていくと思ってます。
ゲームに必要な素材も無料で色々手に入りますね。
ただ、作りやすくなった分、誰でもアクセスできる情報を頼りに作るサンプルゲームや、システムから、さらに差別化していくのは難しいことですよね。
どれだけ作りやすくなっても、ゲームの面白さの根底にあるものは「自分が面白いと思うアイデアや、その組み合わせ」だったりします。
難しいゲーム作り
ゲーム作りは本来、とても楽しいものだと思いますが、実際にゲームを作ったことがある人は「楽しいだけじゃない、大変だ」と言うかもしれません。
でも、楽しくなかったらやれないので、楽しさが上回るんだと思います。
RPGツクールなどの総合パックシステムを使っても、何時間プレイできるゲームを作るにはやっぱり根性が必要であり、そこからオリジナリティを出そうものなら必要な素材が一気に増えていきます。
ゲームは最初、一人で作ることが多いと思いますが「ドラゴンクエストへの道」は主にチームで取り組む姿が描かれていますね。
これ読んでると泣けてくるんです。
完成する瞬間とか、人を認め合う部分とか、助け合いとか、本当にゲーム作りにはドラマがある。
どれだけすごい才能が集まっても、完成までには苦労話がつきもので、読み進めていくうちに色々な高揚感が溢れてきます。
チームで作る難しさ
チームでゲームを作るメリットは色々ありますが、基本的に
「それぞれの得意分野で担当を分けるから、各分野のクオリティが上がる」
デメリットは
「各分野で出来上がるもの、意見交換含めて、人間をまとめなきゃいけない」
どの分野でもリーダーという存在は大変だと思いますが、なるべくスムーズに作業が進むよう、負担を減らせるようになりたいですね。
チームで作る場合、それぞれの専門分野が担当するので、うまくまとまれば個人で作るものとは全く違う仕上がりになるでしょう。
唯一無二、の作品です。
また、連携して作っている以上、一人で作るよりも心強い場面もあるかと思いますし、それぞれの仕事内容を尊敬しあえるチーム同士とのやり取りは、とても楽しいです。
食っていけるかどうかの視点
どれだけの売り上げを見込のかで、チーム体制は変わって来るのでしょうか。
日本ファルコムさんなどは少数で作れるように企画していることは知られていますよね、そもそも、あえてチームを広げすぎない、と言う。
ゲーム会社に勤めたことが無いので分かりませんが、日本、海外で単純にフリーランスになってゲームを作って生活していきたい、と思う人は多いですよね。
やっぱりゲームが大好きで、ゲーム作りを愛している人は多い。
ただ、作ったゲームが何本売れるかどうか、どのくらいの期間、継続して販売できるか、本作品はもちろん、次の作品を作るのに必要な時間と経費はどれくらいか。
そしてそれを回収できるのか?
作るものが絶対に売れる保証などない世界。
どれだけ頑張っても「ゲームとして面白いかどうかは別の話」です。
趣味で作るなら別ですが、それで食っていく、となると考えなければならないことがたくさんあります。
そのゲームジャンルの市場、開発期間、収益予想、開発費、マーケティング、なかなか予想通りにならなさそうです。
ゲーム開発が楽しいものではなくなる、と言う感覚。
上の記事、またその関連記事を読み進めると、フリーランスで資金くくりが思うようにいかず、貯金も尽きて詰んでしまう怖さ、が書かれています。
今やクラウドファンディングで一定額集めたら開発に着手できる、と言う世の中になりましたが、アーティストをうまく見つけて、限られた予算内で発注する難しさや、期待通り、期待を超えたものが仕上がってくるかも博打ですよね。
自分が音楽を作る側として考えても、やはりプレッシャーがあります。
上のリンクの作者は、ゲーム作りを嫌いにならないでほしいと、警鐘を鳴らしていますが、作曲が好きな人でもプロでやっていたら作曲が嫌いになってしまった人もいます。
自分が作りたい曲を作れないストレスや、生活に追われて精神的に参ってしまう人。
資金管理ができないと、そもそもスタートラインにさえ立てないと言う難しさ。
それだけで何年も食べてるプロは本当にすごいですね。
出会いが全て
友達でもビジネスでもなんでもそうですが・・・
マンガを読んでいても思うのが、やはり「出会い」が本当に重要だと思わされることですね。出会いで人生変わります。
「人間同士のドラマがある」と言う感じでしょうか?
世にリリースされている作品にも、表に出ないだけで色々なドラマがあるはずです。
たまたまドラクエが大きな作品で漫画になったからそれを読めるものの、どんな作品でもクリエイターの想いはあるんですよね。
その上で成功するかどうか、は本当に奇跡の連続が必要だと感じます。
ゲーム作りに参加して思うこと
昨年より、幸運にもゲームの音楽を作れる機会をいただいて、そこで色々勉強になってること、チームワークがいかに重要かを感じています。
特に、顔の見えないやり取りなので、相手の事情や、作業背景などをよく考えるようになりました。
作業内容は一人一人違うし、どれくらい時間がかかるかもわからないし、それでもこちらを気遣ってくれたり、最高のチームです。
いつかリアルで対面出来る日が来るといいなぁって思います。
漫画を読んでいても、当然一人一人色々な意見や葛藤があると思うんですね。
バンドをやっていた時もそうだったな。
こちらのメタルギアの制作映像とか見てて思うんですが、みんな本気だからこそ意見の言い合いです。
時間がない中の無茶ぶりなど。そこで、どれだけやれるか、だったり。
みんな自分の仕事を客観的に見つつも、プライドがあって、ゲームが好きで、自分の仕事に誇りを持っていると思います。
騒いでも仕方ない、喧嘩しても仕方ない、やるしかない、それでもチームを信じてる、とか。
あ〜バンドやってた時も、こう言うのってあった、って。
チームで作ってても、2人で作ってても、5人でやってても色々ある。
「自分はこの人、この人たちと一緒にやれてる」
それを改めて考えた時、本当に出会いって奇跡だな、って。
ゲーム音楽も作るし、デバックもするし、音楽を作ること以外でも色々とコミュニケーションを取る、そんな日々。
ファンやユーザーと交流しながらフィードバックももらい、一緒にゲームを作り上げている感覚が面白いですね。
色々な国籍の人もいるし、同じ日本人の方もいて、チーム、と言うものを感じることが出来て、非常にエキサイティングです。
ゲーム作りといっても、プロでやられている方もいれば、個人規模や、インディーズ規模、少数派でやってる人、色々いますよね。
その中で、「自分が経験するゲーム作り体験」ってすごく貴重です。
文字通り、出会う人も違ってこれば、やり方も変わるし、自分のゲームを作る感じ方も変わる。
自分が今感じていることを書いておきたいなーと思いました。
終わりに
雑談になってしまいましたが、
「ドラゴンクエストへの道」を読みながら、メタルギアの映像を見ながら、自分にとってのゲーム作り、ゲーム音楽作りとは何か?を考えていました。
ゲーム音楽をきっかけに作曲を始めた時
「ゲーム音楽を作るって、単純にゲームに合う曲を作る」ってことだと思ってました。
それがだんだんと変わってきたんですね。
作ることで、相手の期待に応えることで、時に上回ることで、それを通して人間同士のやり取りがあって、喜びがあって、
自分と言う人間に、何を求められているのか?
それを乗り越えて、どんなゲームや音楽が出来上がるのか?
今はそれが楽しみで、本業との兼業は生活バランスが崩れるしきついのですが、これまでの人生で一番楽しい時間を過ごせています。 (死にたくない)
いつまで出来るのか分かりませんが、今取り組んでいるゲームはもちろん、自分たち個人のプロジェクトも全力でやりたいし、継続できるように頑張りたいですね。