「手すりが濡れてなかなか登れない」
曲作りが安定してくると、音楽的な面でなかなか次のステップへ成長し辛いフェーズに突入します。
安定してくる、と言うのは言い換えれば「自分の作り方が決まってくる」と言うことなので、あまりそこから逸れたことをしなくなりがちです。
やはり、思い切っていつもと違うことをやろうとすると、たちまちボツ臭が漂ってきたりします。
ただ、色々な曲を作るにはそれは避けて通れませんし、自分のやり方をある程度守りながら開拓しなければ思うように作れなくなったりするので難しいところではあります。
そこで今日は、
曲の作り方を変えずに「装飾音を足して深みをつける」ことを書いてみます。
目次
次のステップへの肉付けを考える
ひとまずは自分の作り方が決まってきたのです。
次は、そのやり方をベースに
「どう肉付けしていけば曲に深みを持たせれるか」
そこで今あるものにプラスする考え方「装飾音」です。
曲の軸が完成すると、次にもっと音を入れれないかとトラック数を増やしたり、トラックは増やさずに1トラックの質、メロディやフレーズ自体をこだわってみたり。
それはもちろん曲の種類によって効果の高い方法がそれぞれあると思います。
装飾音とは、装飾音符のことではなく、文字通りお飾りな部分。
無くても曲は成立しているが、あるとたちまち中級っぽく? 聞こえるみたいな音です。
これらは主に効果音的な使い方を意味します (私はですが)
自然にさらっと入れる
例えるなら、バンドで人が演奏している音プラス、何か他に音が入れれるんじゃないか、というトラックですね。
プレイヤーが実際に弾く想定のパートの他、音源ではライブでは弾かない音が色々入ってたりします。
風の音とか、雨の音とか、そういう音とはちょっと違うのです、FX系の音源などを探ると色々出てきますね。
私はKOMPLETE の「EVOLEVE」などをよく使います。
工夫して曲の隙間に仕込んでみるのがおすすめですが、そういう音がサラッと入っていることによって、曲にスパイスが生まれます。
曲の隙間というのは具体的には、低域、中域、高音域、それぞれで穴が空いている瞬間のことです。
それは時間軸で変わってきますし、セクションごとでも違うと思います。
(極端に隙間を気にすることはありませんが、例えばベースがブリブリ鳴っているのにそこに低音のFXを入れても効果は薄いと思います)
よく聴かないとわからない音を入れると音楽は深くなってくので、それが一回聴いた時には気づかなかった音、みたいな感じになるのですね。
もちろん、これは装飾音がない状態でも良い曲であることが前提です。
それを入れたからといって元がダメならただノイズが入っただけとなってしまうので、諸刃の剣とも言えます。
FX系の音では無くても良い
また別にFX的な音源では無くても、通常の楽器の音やシンセのサンプルでもなんでもOKです。
1つコツを書くなら、その装飾音が「リズムを出せる位置」に配置されてると相乗効果が高いですね。
空いている場所へどんどん入れてみるとオススメですが、しっかり楽曲に合う音を入れないと意味がありませんのでそこは注意です。
(もちろん曲の根本的な部分を邪魔しないような入れ方をすることが必須)
個人的にはリズム系の金物とかドンドン系の打楽器もおすすめです。拍の裏とかに忍ばせるとグルーブが強化されたりするので要実験です。
ドラムだからハイハット、スネア、シンバル、キック、とかプレーンな発想にこだわらず、打楽器は入れれる場所や音があれば工夫して入れると厚みが出ます。
終わりに
装飾音を入れることによって、曲に深みが出ます。
たとえ帯域に問題がなくても、リズム的大きく逸れた拍に置くとマズいです。
FX系の音色は頭からきちんと鳴る様な音ばかりではないので、自分の耳で聴いて入れる場所を調整したいですね。