ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

DTMerの悩み『作曲』における『取捨選択』について考えてみる

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BGM の作曲をしていると、おのずと色々な悩みが増えてきます。

どの悩みも各作曲者にとって重要ですが、共通事項としては「時間は無限ではない」という部分に集約するかと思います。

人が生きられる時間には限りがあり、そしてそれによって価値観も変わるでしょう。

私自身もこれらについては悩み中で、少し整理してみたいと思います。

目次

何を持って「作曲」なのか

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例えば、作曲者でも絵描きにしても基礎は必須ですが、アナログかデジタルかでも習得すべき能力が異なってくると思います。

一言で言うと「どう表現したいか」だけです。

作曲者でも、DTM で曲作りをして実際に音楽ファイルとして形になったもの自体が作曲だと言う人と、メロディだけ作れば作品に作曲者とクレジットされる場合もあります。

実際には編曲や打ち込みなどしていないけど、伴奏とメロディだけ作れば後はすごい身体がでかいベーシスト兼プロデューサーであるウィルソンさんがゴリゴリアレンジしてくれる。

そこまで行くともはや実際に DTM 出来るかどうかなどはどうでもいいことです。

つまり「何を持って作曲なのか」という部分は人、時と場合、時代によって異なるでしょう。

主楽器について

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Photo by Anna Grajales

多くの作曲者は今では DTM で完成品を作る人が殆どです。

そこへお金を払って各楽器の専門プレイヤーに録音を依頼するのか、自分である程度まで打ち込みをするかなど色々と方法があります。

大きく分けて、作曲者の主楽器のバックグラウンドは「ピアノ」か「ギター」に分かれるとは思います。

なぜならピアノとギターは作曲をする上で必要になる、メロディ、リズム、ハーモニーを一通り操れるからです。

キーボードはギタリストにとっても打ち込みに必要になるツールになりますが、私のようにキーボードだけで打ち込みを完結する人も多いでしょう。

楽器を習得することについて

打ち込みをするには多くの楽器の知識が必要になります。

なぜ知識が必要になるかというと「楽器演奏の表現力を高めるため」になります。

ただ勉強するだけではそれは目的ではないでしょう。

弾いているように打ち込んだり、奏者のことを分かっているようなアレンジにしたりすることで、楽曲にリアリティが生まれて曲の品質に影響するのです。

けれど一概にそれらの奏者的な打ち込み、に固執する必要がないのが DTM です。

ありえない演奏でも曲が良ければよし、とされることも多いでしょうが、やはり知った上で、あえてそこから反れる方が望ましいとは思います。

楽器の習得にはものすごい時間がかかります。

ただ音を鳴らすだけなら話は別ですが、録音して聴くに耐えれるレベルにするには相当な訓練が必要であったりします。

人生のうちで、自由に時間が使えるような時に、何かの楽器の習得時間を得ることが出来た人はその環境に感謝すべきでしょう。

吹奏楽、オーケストラ、ピアノ、オルガン、エレクトーン、ギター、ベース、ドラム、色々ありますね。

それらを社会人になってからやろうものなら、本当に大変です。

目的にもよりますが、作曲でなんらかの結果を出したい多くの人にとっては、ここからが色々と悩みのタネとなっていきます。

取捨選択

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多くはマルチプレイヤーではありませんので、どれか一つの楽器に関しては長けていても他は平均値かそれ以下になる、それが普通だと思います。

特に日本人はこの傾向が強いようです。

また、楽器の構造や理屈は分かっていても、実際に「形にできるかどうか」は打ち込みのテクニックの問題になってくるので、そこでジレンマが発生するでしょう。

打ち込みのリアリティを追求する理由は「曲のクオリティを上げたいから」に尽きると思います。

良い曲、としなかったのは、良い曲かどうかの判断は打ち込みのリアリティとはイコールにならないからです。

しかし、クオリティを上げることは、良い曲と思ってもらえる確率を上げる要素だと私は思います。

曲で表現したいものや世界観、それによって各曲の打ち込みに求められるものが変わってくるのではないでしょうか?

そもそも「何のために作られる曲なのか」ということが一番重要になってきます。

それによって曲のクオリティを「最適化」出来るのでは無いでしょうか?

シミュレーション

バンドで合わせることが最終的な人は DTM の打ち込みに関してはただのシミュレーターでしかありません。いわゆるデモ、仮歌、など。

ドラムやベースがどれだけ簡素なものであっても、曲の意図さえ伝われば問題ありません。

あとは実際のプレイヤー達によってアレンジ、レコーディングされるでしょう。

同様に、オーケストラについても同じことが言えます。

DTM は、そんな音の重なりや曲の雰囲気、響きをチェックする時に活躍します。

DTMだけで完結させる人の悩み

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ここからが本題になります。

上記のように DTM を単なるデモ作りのシミュレーターとして扱う人と、これで完成形に仕上げる人とでは悩みは全く別次元のものとなってくるでしょう。

私自身、主楽器はピアノですが、ギターの知識を得たくてギターを買ったものの、到底実用レベルで扱えるまでに至りません。

結局は「絶対に必要かどうか」で習得する意気込みや時間のかけ具合が変わります。

私の場合、必須ではなく「出来たらいいなぁ」「もっとカッコいいハードロックな感じの曲作れるなぁ」というただの理想で終わってしまっています。

なのでギターを弾くことがただの気分転換になってます (残念)

それよりも、自分で扱える範囲の知識で工夫してもっと曲を作ったほうがいい、という考え方になりました。

いや、そりゃ出来るにこしたことはないですが・・・。

万能である必要はない

DTMer として、「どのフィールドで活躍したいか」だけだと思います。

そこが決まっていないから、あれもこれも必要だと感じてしまうのでしょう。

てか私自身がまさにこれ。

ゲーム音楽が好きとは言え色々とジャンルはあるわけですが、そのどれもが中途半端に好き故に、知識もアウトプットも半端であったりします。

今でも何の知識も無いので己のカンだけで曲作りしていますよ。

「◯◯武装」をしよう

とにかく何でも良いので「武装すること」もある程度大事かと思います。

精神バリアー、結界を張るのです。

音源の知識でも、理論でも、作った曲数でも、ある特定のジャンルだけでも、なんでも良いですから、「ここだけ変な自信がある」というのを持っておくと少し不安要素を潰せます。

作曲者といえど、丸裸ではフィールドに出た瞬間一撃でやられます。

とにかく何か武器を装備しましょう。話はそれからです。

武器を手に入れたら一定までひたすら修行。己のレベル自体が上がれば、特に何も装備してなくてもその知識や基本値の高さだけで一定まで戦えます。

ボスクラスの敵以外に怯えることもなくなるでしょう。

作曲者は一人で作っていると不安になってくるので、結局人の作品を聴いたり比較したりし始めるのです。私も不安だらけです。

いつも好きなプロの曲と比べてます。それが一番早いからです。とりあえずそれと同じレベルに近づければいいのですから。

いや、それがムズいんですが・・・。

クリエイターにとって大事なこと

大事なことは「常に発信すること」だと思います。

一年も真面目に作って発信し続けたら嫌でも上達しますし、自信も多少は付いてくるでしょう。

そして発信を続けていくうちに

「とりあえずよー分からんけど、◯◯を作ってる人だよね」

このように自分のスタイルを確立し、周りから認識してもらえれば、ひとまず存在感は出るのではないでしょうか。

曲作りを続けて一つだけ分かった事は、一定数曲を作るとやはり「安定感が増す」ように思えます。

良いか悪いかは別として、とりあえず失敗することが無くなる、と実感しています。

何かしら作り出せばとりあえず形にはなるようになりましたので、作り出したは良いけどゴミみたいなシーケンスが出来上がり

「くそぉ・・・なんでこんなダサい曲なんだ・・・」

このような負け犬の遠吠えとともにプロジェクトを閉じることが最近は殆ど無くなりました。

今思えば作曲を始めた頃なんてそんなんばっかでしたね。

何も生み出せなかった時間を振り返ると、自分の存在価値を疑います (今も)

DTMerは大変なんですよ

そういう話です今回は、それ以外に何もありません。

不明な点が多すぎるので、自分で調べて必要なものを見極め、時間と戦っていく必要があり、なおかつアウトプットもしていかなければなりません。

DTMer is Taihen :(

まず自分の方向性や表現したいものが決まっていないと、無駄な買い物や無駄な時間の使い方をしてしまう可能性があります。

私も最近ずっとマシンを買い換えようかばかり悩んで、それで時間が経ってしまいもはやその時間すら無駄と思えてきました。

だからつい先日新しい iMac を注文しちゃいました。もう新型待てません‼︎

最後に

というわけで、勢いだけで書いちゃいましたが DTMer は色々悩みがあって大変ですね。

時間は無限ではないので、何を取り、何を捨てるかが重要になってくるでしょう。

周りからしたらかなりどうでもいいことなんですが、みんなが悩みを発信して

「あ、オレだけじゃないんだ!それ悩んでたの!」

そんな感じで、少しでも不安が消えて継続出来るような流れになると良いですよね。

何かを発信すると発言に責任も伴いますが、誰かの目に止まって悩みを解決、軽減することもあるので自分が悩んだことはなるべく書いていきたいですね。