2016年の3月に、スマホや PS Vita にてロマサガ2がリメイクされました。
そこで2014年にもロマサガ2のサウンドトラックがリマスターを経て発売されていたのを思い出し、早速購入して再度あの感動に浸っておりました・・・。
ぜひとも良い機会なのでレビューしてみようと思います!
目次
ロマサガ2の音楽
https://roma-saga2.seesaa.net/category/6261971-1.html
今回は全体的にオーケストラを意識した編曲になっていますね。タイトル画面で流れる「オープニングタイトル」がまさにそのようにアレンジされています。また、ストリングスのメロディは相変わらず美しいのですが、ティンパニやハープ、そしてドラムのフレーズなどは今作においてサガシリーズでのイトケンスタイルを確立したと思います。
BGM全体のバランスで見てみると、前作と比べて「ジャミルのテーマ」のようなお茶目な曲が無いですね。帝国という舞台からか、前作よりも一層「中世ヨーロッパの世界観」が出ていてとてもシリアス。ポップさを排除しているように感じました。
サンプリング音
ロマサガ1と比べると"楽器のサンプリング音の違い"がハッキリと表れています。クロノシリーズでお馴染みの 光田康典さん が効果音とサンプリングを担当したそうですが、"音色面からロマサガ2の世界観を作った"と言っても過言ではないと思います。特にオーケストラ楽器の音が全然違いますね。これによって、サントラ全体の音の印象が非常に透明感のあるサウンドに仕上がっています。さすが光田さん!
効果音
こちらも光田さんの仕事ですが、凄いですね。特に効果音の聴かせどころとしては「技」「術」がメインになってくるのですが、「短冊斬り」や「線斬り」「触手」などはセンス抜群で聴いていて気持ち良いぃ〜♪ (スイマセン短冊斬り好きなんです汗)
今作より初導入のシステム「閃き」の音も"てぃろん"って、印象に残る良い音 ♪
バトル
バトルはまずドラムのハイハット、キック、スネアがパワーアップしていることに注目です。特にバトル1では音に自信があるからか、ドラムを全面に出してきています。イトケンさんの編曲力も格段に上がっているのも見逃せません!
独特なメロディの節で有名な「イトケン節」は過去作より引き継いで、今作のバトルにも遺憾なく発揮されています。それとボス曲以外の、どのバトル曲にもスネアとタム回しを積極的に入れるようになりましたね。これもイトケンさんの特徴の一つに。
ダンジョン
個人的に見逃せないのはダンジョンの曲。ロマサガシリーズの中でも2のダンジョン曲は格別にカッコ良く美しいと思います。メロディを美しくサポートするハープの音は時にリリカルで、妖精の舞いのようです。ダンジョンの曲を是非じっくり聴いてみてください ♪
オーケストレーション
オープニングにしても、ロマサガ1はどちらかと言うとポップス寄りなストリングスアレンジでしたが、今作はダンジョンなども含めて、オーケストラ寄りの編曲になっていますね。タイトル画面のオープニング曲で流れるオーケストラの瑞々しい音と共に魅了されてしまいます!
ハープのアルペジオ
ロマサガ2からイトケンさんのスタイルの一つとなった"ハープによるバッキング、オブリガード"が次回作のロマサガ3でもふんだんに使われていきます。オブリとは、次のメロディへ行く時のつなぎのフレーズです。特にテンポが遅い曲で早いパッセージを入れ緩急を味付けしています。
「オープニングタイトル」「遥かなる戦いの詩」「ダンジョン1、3」「人魚の伝説」「沈没船」「村2」「全滅のテーマ」「エンディングテーマ」などで楽しめると思いますので是非とも美しいハープの旋律に酔いしれてください ♪
リマスター盤の違い
まずは何と言っても「バトル1」が単独トラックで追加されたことが大きいですね。旧盤は「 プロローグ-七英雄の伝説- 」のメドレー内でしか聴く事が出来なかったので、今回の仕様によりゲームの流れに沿った曲順で楽しむ事が出来ると思います。
次にリマスタリングによる音圧の変化が顕著ですね。旧盤と比べて音量が大きいです。iMacにて確認しましたが、音量差はボリュームボタン2段階くらいでしょうか。FFのリマスター盤では顕著であった"イコライザー的な変化"はパッと聴く程度では分かりません。音圧が高くなった事で「各音がクリアに聴こえる」といった印象です。
つまりこれは 当時の印象を壊すことなく楽しめるリマスターになってる という事です! 是非ロマサガ2の音楽が好きな方は手に取って欲しいですね。
ケースの内側ジャケはロマサガ2のワールドマップとなっています。
収録曲
- プロローグ-七英雄の伝説-
- オープニングタイトル
- 遥かなる戦いの詩
- 帝都アバロン
- ダンジョン1
- バトル1 ←追加
- 異変-ヴィクトールの死-
- 皇帝出陣
- クジンシーとの戦い
- 勝利!
- 運河要塞
- 村1
- 竜の穴
- 異国の街
- 船旅
- 人魚の伝説
- 沈没船
- ダンジョン2
- 村2
- 脱出!
- 古代遺跡
- 伝説は始まる
- ダンジョン3
- 七英雄バトル
- 全滅のテーマ
- 涙を拭いて
- ラストダンジョン
- ラストバトル
- エンディングテーマ
- 歴代皇帝
- エピローグ
- ダンストラック #1
- ダンストラック #2
- ダンストラック #3
- ダンストラック #4
- プロローグ-七英雄の伝説- (オリジナル・ヴァージョン)
22「伝説は始まる」と26「涙を拭いて」は植松さんの作曲になります。元々サガシリーズは初期はイトケンさんと植松さんの共作だったんですね〜。
ライナー
では次にライナーの中身を見ていきたいと思います。表紙も含めて全16ページです。見所は何と言っても小林智美さん (サガシリーズのイラストレーター) の新規書き下ろしよる「七英雄」たち。そしてイトケンさんの「ライナーノーツ」です。両方載せてありますよ ♪
今回の書き下ろしを見てノエル、ロックブーケ、ワグナス、ボクオーンは分かりましたが、「クジンシー」と「スービエ」、そして「ダンターグ」の解析にかなり戸惑いました (汗) そこで去年よりサービスが開始したオンラインRPGゲーム、「インペリアル サガ」のイラストを参考にしたところ、ダンターグを確定させれたので、後は剣を持っているのがクジンシーと判断しました。合ってますよね? (笑)
曲リスト。新規「バトル1」も含めた全36トラックとなります。
左から「ノエル」「ロックブーケ」「クジンシー(だよね?)」「ワグナス」美形軍団。
左から「ボクオーン」「ダンターグ」「スービエ(だよね汗)」美「系」軍団。
最終皇帝のお二人、「ムーンライト」に「デイブレード」を装備。男の方が能力値が高いですが、女の専用武器ムーンライトの専用技「月影」がカッコいいので迷う。
スタッフクレジットとゲームのスクリーンショット。
ライナーノート(新)
"ロマサガ シリーズ"リマスター題2弾です!
前作同様、リマスタリングの効果により、各音の主張がより出て、とても聴きやすくなっております。改めて、当時の自分の作曲のうえでの、音のバランスであったり和声の組み方であったり、色々と再発見しました。
また、本作は『クロノ』シリーズでお馴染みの光田康典君の初作品でもありました。内容は、各楽器のサンプリングと効果音の作成。あの有名な〈閃き〉の音も、彼の作品です。
そして今回、新たに『バトル1』を単独トラックとして収録しました。オリジナル版では、『プロローグー七英雄の伝説ー』のメドレーの1曲として収録したのですが、「バトル曲は単独で収録してほしい」という意見をたくさん頂きまして、今回のリマスターに反映させて頂きました。
こうしてライナーを書きつつ色々思い出しているのですが、そういえばゲームの中で"クイックタイム"という魔法があり、これを唱えると音楽も2倍、3倍とスピードが早くなり、ゲームユーザーを焦らせる効果があったのですが、
元の速度でオリジナル版をリリースした際に、「クイックタイムで聴き慣れてしまい、遅く感じます」という感想ハガキが意外に多く、河津秋敏プロデューサーに「次回作 (ロマサガ3) は、音楽の早回しはしないで下さい〜!」と直談したことがありました(苦笑)。
ぜひこのアルバムも、早回しすることのないよう、ゆっくり聴いて頂けたらと!(笑)
2014年5月31日
自室にて
武闘家のカールが背景イラスト。
ライナーノート(旧)
1993年10月6日、「Romancing Sa・Ga 2」の作曲が、全て終了しました。それから5日後の11日、「体育の日」の振替休日に、このライナーの文章を書いてます。
しかも今回は会社ではなく、自宅 (!)です。まだ仕事を終わらせたという実感もないまま、NTT出版の松下プロデューサーから、
「伊藤さーん、実は今回、オリジナル・サウンドヴァージョンの発売日を、ゲームの発売と同じ頃に合わせたいんですよ。つきましては早速、曲のタイトルとライナーをですねぇ、翌週の水曜までにあげてほしいんですわ。
・・・・・・いや!お疲れなのはじゅーぶん承知ですよ。でも、やっぱりCDを楽しみに待っていてくださる方たちの事を考えるとですねぇ・・・・・・。え? なに? やってくださる!!! いや、もう、是非お願いします。さすがですねぇ。えっと、それで今回のライナーの文字数ですがね・・・・・・。」
と、一気にまくしたてられ、仕事疲れで頭の回転が鈍くなっている僕は、なーんの抵抗もできず、ただ首をたてに振るしかありませんでした・・・。そういうワケで、土曜からの三連休もの間、どこへも遊びにいけず、せっせとタイトルやライナー作りに励んでいたんです。とほほー。
閑話休題。
今回の仕事もハードでした。なかなか曲作りがスムーズにいかない。ひどいときなんか、夜寝ていて、夢の中でも曲を作っていたりして・・・・・・。でも前作の感想が書かれたユーザーや、CDを聴いてくれた方達の手紙を読むたびに勇気づけられて、なんとか作りあげました。色々な手紙や葉書をもらいました。
僕たちゲームの制作者が思っている以上に、ユーザーの方が「ロマサガ」への思い入れが強いことを知ったりして、驚いたりしています。でもやっぱり嬉しいことですね。今回の音楽も気に入ってもらえたら嬉しいです。よかったら、また感想を送ってくださいね。
さて明日から何をしようかな? とりあえず、ゆっくり休んで、仕事中で余り行けなかった映画やコンサートにもでかけたいですね。あ、原付の免許もとりたいなぁ。・・・なんかやりたい事が山積みってかんじで、どれから手をつけていいかわからなくなりますが、まずは会社へ行ったら、部屋の整理でもするか。
今日はもう寝よっと。おやすみなさい。
1993年10月11日 PM10:20
自宅にて
皇帝ジェラール。本作のキャラクターで唯一グラフィックが変わるのが良いです。ファイアーボール使いまくってました自分。完全に「術師」として育ててましたね。
CD情報
商品名:ロマンシング サ・ガ2 オリジナル・サウンドトラック リマスター
品番:SQEX-10438
発売日:2014年7月16日(水)
価格:¥2,300+税
収録曲数:36曲
作曲:伊藤賢治、植松伸夫
仕様:12cmCD1枚
七英雄のリーダー「ワグナス」がジャケット裏を占める。敵キャラがカッコいいのがロマサガ2の魅力。小林さんのイラストは男性も女性も本当に美しい。
最後に
この記事書くのにサントラ3周しちゃいました (笑) いや〜懐かしい曲ばかりで楽しく記事を書く事が出来ました!ってことで、これを読んでいる方はロマサガ好きだと思いますので、ロマサガ2がリメイクされたら絶対ダウンロード!そしてサントラも一緒に購入してLet's ヘビーローテーション!!