ファイナルファンタジー3 のゲーム音楽レビュー
#6 故郷の街ウル
この曲はFF3の数ある街の曲の中でも一番最初に耳にするので、記憶に残っている人も多いと思います。ああ、またやりたくなってきたw
この他にトーザス、アムル、古代人の村、ファルガバードと色々な村、街の曲が出てきますが、その中でもウルとアムルのメロディは優雅で落ち着きがあり、優しさや安らぎを感じるメロディですね。 ずっと聴いていたくなる曲です。
(主人公たちは孤児であり、この街の長老トパパに育てられた。偶然に出会った風のクリスタルより啓示を受けたことをトパパに伝え、旅立ちを決意する。)
プレイヤーとしての視点
私はFF3が始めてプレイしたRPGなのですが、街に戻るとこんなに安心するものなのかというくらい、この故郷ウルのメロディはプレイヤーに安らぎを与えてくれます。ずっとつけっぱなしで聴いていた時もありましたね。
(こういう草むらにアイテムが隠されているのもFF3からの特徴。序盤はプレイヤーの財布に優しい。)
作曲者としての視点
PSG音源で、ここまで暖かみを感じさせているのは矩形波のメロディはもちろんですが、三角波によるアルペジオのベースラインでしょう。
ゆっくりゆっくりと「ドゥルルル、ルルルル」っていうアルペジオがずっと続きます。
矩形波のメロディは音色の立ち上がりが少し遅めに設定することで電子音のトゲトゲしさを回避してます。特に街などの曲では、安らぎ感などを演出する為に、他の曲よりもメロディ部分は非常にデリケートです。
このメロディはクラリネットやフルートなどの木管楽器や、リコーダー、笛などの「息づかい」を意識したメロディだと思います。
ハーモニーとして、Duty比の違う矩形波がポツポツと表の拍に入ってますが、これが隠し味になってます。
(矩形波にはDuty比というパラメータが存在し、この値を変えることで音色を変えることができる。ベースの音色はあくまで矩形波だが、PSGの制約の中ではその変化を感じさせるには十分である。)
メロディの流れやコード進行に関しても、ストーリ性があって短いループの中でも部分転調なども駆使して非常に良くまとめられていると思います。
次回は