ファイナルファンタジー3 のゲーム音楽レビュー
♯5 オープニング・テーマ
ここでいよいよこの曲が登場します。
オープニングテーマは毎回毎回「どこで流れるのか?」が一番気になるところです。
今回のメインテーマはFF1の時と同じメロディで、FF4以降もこのメロディが継続して使用され、その名の通り、FFのメインテーマとして「ファイナルファンタジーブランド」を確立する一つの要因となりました。
(今回は、風のクリスタルの啓示を受ける場面でオープニング画面とともに登場します。テロップをボタンで飛ばすことは出来ないので、必然的に一周目は聴くことになります。)
プレイヤーとしての視点
このオープニングは本当に印象に残る場面で、FF3のゲーム体験でも一番「ファイナルファンタジー」を感じれる部分ですね。
当時は子供ながらに口をポカーんと開けて「僕はクリスタルに選ばれた一人なんだ」などと勘違いしてましたね。それほど「ゲームの中に引き連り込まれた」と言っていいでしょう。
作曲者としての視点
とりあえず作曲とかどうのこうの以前に、ゲーム音楽ファンとして最高の楽曲ですね。
今では色々なゲームミュージックの中でも世界中で演奏され、愛されているテーマなのですから。
この曲は必ずシリーズごとにイントロが違うんですね。
FF2はそもそもテーマ自体が違うので割合しますが、FF1の時はイントロはありませんでした。なのでイントロが登場するのは今作が初になります。
構成的には
イントロ→主題→展開→リピート
キーはEで少し明るめなオープニングテーマになります。
イントロ
私は個人的にこのイントロがかなり好きなのですが、その理由がベースラインが非常に動くことに起因します。もし自分がベーシストでバンドでこの曲を演奏するなれば、こんなに気持ち良いベースラインもないでしょうw とにかくベースがコード感を出す為の低音的な役割だけでなく、部分部分でメロディの一員として「歌っている」んですね。
これはバッハのインベンションのように、イントロ中盤以降は高音はほぼ2分音符で動き、ベースがメロディになっていると言って良いでしょう。
主題
ここは説明不要のメロディですね。世界中のFFファンが歌える歌でしょうw 2週目はベースラインに若干変化が見られますが、ファミコンならではの制約の中で生まれた名曲だと言えます。最低限の音数でメロディ、ハーモニー、ベースラインの三つがリズムを生み出し、生まれるべくして誕生した曲だと言えます。
展開
ここからメロディはもっと歌うようにして高音を目指します。そしてベースラインもそれに追従して、歌うように動き出します。本当にゲーム音楽にとどまらずポップスのような歌心があるメロディだと思います。
別のアルバムで大木理紗さんが歌うPRAYというFFのボーカルコレクションアルバムがありますが、その中にこのテーマを歌詞付きで歌ってる「Pray」という曲がありますが、鳥肌ものですね。またいつか紹介したいと思います。
次回は