Photo by Ash Conner
作曲を始めた当初、印象深いメロディの作り方が分かりませんでした。
「メロディの印象が薄いなぁ…ってかそもそもメロディかこれ?」って。
そこである日ようやく
「あ、このメロディ、ただコードのトップノート (上ら辺) をなぞっているだけだ」と。
まずはその現実をきちんと受け止めることからでした。
(内容はインストのBGMの作曲になります)
目次
ピアノや鍵盤出身者の落とし穴
大まかに、私はクラシックピアノから初めて、次に邦楽、洋楽、ゲーム音楽のスコアからコードを覚え、バンドのコピーなどを経て作曲に手をつける、という流れでした。
作曲を始めたのは遅かったのですが、それまでやってきたバンドのコピーやカバーなど、なまじコード進行を知っているが故に右手でコードをなぞって弾く癖がありました。
イメージ的には、歌のバッキングのような感じで作曲してしまうというパターン。
で、その作り方だと早い話、コード進行のような曲、という感じになります。それが何とも納得がいかなくて…。
コード進行を弾くだけでは曲の個性はなかなか出せないんですよね。
ピアノで弾く癖
私のようなピアノ出身者は、どうしても作曲するときに「ピアノ音色で作曲」しようとしがちです。
なぜかというと、一見楽チンだからです。
それは和音もメロディもベースも同時に操れるから。
今でもピアノでラフを作曲する時は多いのですが、慣れてきてからはダイレクトに音色を打ち込んでます。
リード音色を使うことを意識する
私が作曲する過程で曲作りの成長を感じた瞬間。
それは「リード音色でメロディを打ち込む」ことを意識し始めた時です。
具体的に言うと、「フルート」に凝っていた時がありました。この曲。
この曲でなぜか「フルートを使おう」と思い立ち、フルートでメロディを考え始めます。
フルートなどのリード音色を使う利点としては、ピアノの単音よりも音色の個性としては強くハッキリしています。
リード音色と言うだけあり、単音で鳴らす場合なら音圧や音の密度がピアノよりも濃いです。そんな音色でメロディを考えてみるのも、ピアノ系で弾く時よりも違う旋律が思い浮かぶことが多いと思います。
その際には、フルートらしく歌う、と言うことも重要ですね。
リード音色はゴマカシが効かない
Illust by わんパグ
木管楽器などをはじめとするリード音色は、メロディのごまかしが効かないもの。単音しか出せない上に音がハッキリしているので、曖昧な箇所を作ると目立つんですよね。
きちんと練られているメロディは印象深い曲になりやすいですが、以前の私のように、ピアノで和音などを弾きながら即興的に弾く癖がある人は、メロディをおろそかにしがちかもしれません。
フルートで一音でも違う音を弾くとおかしい、と言うところまで突き詰めて音を選びながら打ち込んでみた時、ようやくメロディが独り立ちしている、と感じました。
簡単に言うと、メロディだけ聴いても曲らしく感じる、といった感覚です。
メロディとコードの関係
私の考える"印象深いメロディ"と言うのは「メロディだけでコード進行を醸し出せている」というメロディ。
そんなメロディを作る方法の1つに、あらかじめ醸し出したいコード進行を決めることと、そのコード進行に対してメロディで使うスケールを狙っていくというものがあります。
その時に意識したいことは、なるべく三度とテンションノートをメロディに取り入れること。
極端な例えで言うと、Gm7 のコード時には、なるべくシbやファの音を踏むように計算してメロディを配置することです。
この作り方は、当然コード進行の流れや、メロディの前後の流れもありますから、いかに自然に構築できるかが課題になってきます。
そのほかにも、メロディのリズムを反復させるのも有効です。
ただそれでだけで曲がよくなる、と言うことでもないのでそこは念頭に置いておきたいところです。あくまで方法の一つとして。
基本的にはやはり、歌えるメロディを意識したいところ。これが究極なので。
その上でコードやスケールがハマればより強固なものとなります。
で、そういったメロディが作れるようになると、実はコードを弾くトラックが不要になります。コードを弾かなくても、メロディの強さですでにコード感が出ているためですね。
最後に
以前の私のように、ピアノで常に両手でベース、メロディ、コードを同時に弾いて作曲する癖がある人。それでメロディがコードをなぞるようなものしかできていない方。
一度メロディを単音しか出せない「リード音色」を試してみることをオススメします。
大事なことは、歌えるメロディ、を意識することなので、歌いながらも忘れずに。