ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

【作曲】メロディのアレンジ例『関連曲』で作品に深みを持たせてみる【サウンドノベル編】

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ゲームだけに止まらず、映画やアニメ、ドラマなどでも「テーマ曲のアレンジ」がよく流れますね。

一つの作品で、同じメロディが楽器を変えたり、テンポやキー、リズムを変えて何度も登場することがよくあります。

今日はそういった作曲例を、自作のサウンドノベル曲で恐縮ですが紹介したいと思います。

(聴くだけで「なるほどこんな感じね」っていう) 

目次

はじめに

テーマのアレンジを決める時には当然ですが「テーマとなるフレーズを作る必要がある」のです。

・・・が!

このフレーズは「短い方がいい」と個人的には思っています。

短い方が、「一瞬だけ醸し出す」といったように、アレンジしやすいんですね。

その反面、長かったり凝っていると、コードや展開が狭まる可能性もあります。まぁ最初は短いのでやりましょう、と。

きちんと作れば、短いテーマでも全然十分雰囲気が出ます。

一つのフレーズを軸に、展開させた例

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こんな感じでテーマとなるメロディを決めます。

レーファーソーファーラー♫

 

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簡単に例を上げていくと、以下の曲はそれぞれ同じメロディが出て来ます。

とりあえず聴いて見てください (不気味です)

In the Room 

冒頭からハープでテーマを弾いています。(0:00〜0:16 くらいまでがテーマ)

ストリングスが登場し徐々に展開していきますが、頭にループするとまたテーマが流れます。

Soul Release

冒頭からクワイヤー系の音色で先ほどの曲の [0:00〜0:16] のテーマを弾きます。

エンディングは、どこか神々しく、そして悲しく、そんな雰囲気を出したかったためですね。

そこから、再度ハープで例のテーマを。

ピークに向かってオーケストラ楽器で壮大な一面を演出するように展開していきます。

曲のイメージ

ホラーアドベンチャーのBGMをイメージしてます。

上の曲は何者かに連れ去られ、目を覚ました主人公が洋館を探索している時のBGM、下の曲はまぁ色々乗り越えて流れるそれのエンディングテーマ。

探索していた時に散々聴いたテーマが最後にも流れて、物語に関連性を持たせます。

という妄想◎

こんな感じにアレンジしてみると、最後に「あ、あのメロディだ」ってなりませんか?

例えば、洋館が舞台のゲーム、という設定で、この洋館探索時で流れる曲をプレイヤーは最後まで何度も聴くことになるのです。

それがエンディングでも出てきたらナルホド、と。

よくよく聴いてみると、エンディングはずっと上の曲の冒頭のテーマを楽器を変えて繰り返しているだけなんです。

そのくらいでも全然曲同士の関連性を表現できるので、オススメです♫

おまけ

頭だけですが、せっかくなので記事用に即興で作ってみました。 

終盤の展開、洋館の地下からの脱出時に流れる曲、というようなイメージです。

というわけで、やはりテーマは短くて簡単な方が広げやすいと思います。

もう一つ簡単なアレンジ例を載せておきます。

Guilt -罪-

ピアノサウンドはやはり雰囲気が作りやすいですね。

メロディの印象が最も残りやすいと思います。

Guilt -罪- ~Celesta Ver~

ピアノとシンセスタック、オルゴールチック (チェレスタ) でアレンジした例です。

テーマは形を変えてプレイヤーの脳内へ何度も問いかける、やがてテーマの断片を覚え始めます。

そうすれば作品の世界観、印象はさらに深まると思います。

閉鎖的な空間で行われたデスゲームの末路、その罪が許される時は来るのか・・

アレンジの決め方

アレンジの決め方は作品の中でも、キャラクターのテーマ、メインテーマ、場所、イベントなど色々あると思います。

やはり重要なのは、アレンジさせる曲は何かしら「繋がりがあるもの」が望ましいです。

キャラクターのテーマなら、そのキャラクターとデートする場所、または会う時の時間軸によって変化するなど。

特に時間軸や、キャラクターのテーマは「恋愛アドベンチャー系などの音楽で活きてくる」と思います。よくありますもんね。

まぁRPGなら、昼と夜で街の音楽が変わるとか。

またその際は、ちょっとアレンジが大変になりますが「楽器編成」を意識していくとまとまりやすいと思います。

アコースティックなのか、壮大なオーケストラなのか、ノリの良いバンド編成なのか、それだけでもメロディが同じであれば繋がりが表現出来るので不思議なものです。

そういうの作りたいですね。

まとめ

  • テーマは短くシンプルに (シンプルだと複雑にも出来る)
  • アレンジは「編成」を意識する (バンド、オーケストラ、アコースティック、ソロなど)
  • テンポ、キー、拍子も意識してみる

などなど、色々試してみましょう。

最後に

簡単でしたが、聴くだけで感じが掴めたと思います。

テーマのメロディはトラック数や、楽器を限定して、印象深くするのが重要ですが、いずれもやはり「分かりやすいシンプルなメロディが大切」ですね。

シンプルだと複雑にアレンジしていくこともできます。

個人的に、ジャンルや話がぶっ飛んで申し訳ないのですが、テーマのアレンジですごいのは「ファイアーエムブレム~覚醒~」の音楽です。

これでもか、というほど様々にアレンジされてるので参考になると思います、好きな方はもちろん、気になった方もぜひ。