Photo by pasotraspaso
機材をよくコロコロと買い替える人がいます。そうです、以前の私です。
その行為に嫌気がさした私。
なぜ必要以上にそのような行動へ陥ってしまったのかを改めて考えてみました。今なら冷静にその理由を整理できるので書いてみようと思います。
特に私はシンセサイザー、鍵盤楽器をアホみたいに買い替えていたのでこのテーマについて一度まとめてみたかったのです。
(本記事の楽器、機材は音楽をテーマに書いています)
目次
- 理由もなく買い替えたくなる理由
- 買い替えに終止符を打つ
- 機材の力を引き出すのは使い手
- 機材に依存してしまう価値観
- 前に進むために何かを作ろう
- コレクターになっていないか?
- 適正な買い替えの時期
- 最後に
理由もなく買い替えたくなる理由
いや、理由もなく買い替えることは恐らくほぼないでしょう。
何かしら理由はあります。
ですが、実際としては買い替える理由は殆ど取ってつけたような内容です。ぶっちゃけ、買い替えたいから理由を作る、というレベルですね。
なんらかの都合の良い理由をつけて買い替えることになると思いますが
- 飽きたから
- 別のを試してみたい
- あっちにすれば良かった
- 買ってからやはりこれは使いにくい
など、私は上記の理由で買い替えることが殆どでした。
そして、これは非常に危険なのです。なぜなら一定まで次々と買い替えていき、最終的にはお金だけが損失して自分が何をしたいのかも分からないまま疲れてしまう。
本当に必要なモノを手に入れる、という本質を忘れてしまった、または分からない、その先にこういう行動が予測されます。
買い替えに終止符を打つ
このような機材をコロコロ買い替えている人、一度その行動に終止符を打ちましょう。
この行動を止める一番の方法は「その機材で何かを成す」ということ。
私はこの方法でこのループから無事に脱出し、その時の機材は今でも一番の相棒となっています。一度この経験をすると道具や物事の本質を身につけれると思います。
逆に、終止符を打ちたい、と思っていないのであればこの記事を読み進める必要はありませんので、どうかそのまま機材探求を続けてください。
機材の力を引き出すのは使い手
Photo by Anna Grajales
長く使っている楽器、機材に愛情を抱くこと。
あくまでその本人と楽器の歩み、歴史だけにフォーカスすればそれは素晴らしいことですが、中には「機材や楽器は、音楽を表現する為の道具でしかない」このような考え方をする人も多いでしょう。
実際その通りだと思いますし、愛情や思い入れがあるからと言って作品の品質に影響をもたらすわけではありません。
いつでも重要なのは「使い手」なのです。
従って、どんな機材でもある程度まで熟練すれば色々出来るのではないでしょうか?
その先を考えるのは、一つの道具をそこまで使い倒してからでも遅くは無いと思います。
キーボードを次々と買い替えていた私
「ただ色んなのを試したい」「あれもいい、これもいい」「これはダメだ」
一番最初の選択時にも十分それらを吟味した上で購入したはずなのに、実際に手に取って数日、数ヶ月使うと色んな理由を付けて買い替えていました。
機材に依存してしまう価値観
機材や道具の効果は使い手によって、10にも100にも豹変するでしょう。
しかしこの考えに至るまでに様々な壁にぶち当たります。使い手の知識、経験、演奏技術など、これらの不足が原因です。
未熟なうちは「機材の持つパワー、潜在能力に依存してしまう」のです。
未熟というのは、ただ単に技術力や経験のことだけではありません。誤解を恐れずに言うのであれば、買ったものに向き合う姿勢、使い倒そうとする姿勢だったりします。
私には当初、これらが全く不足しており、簡単に買ったものを手放していました。
何も成し得ていない状態では特にこのパターンに陥るので、機材さえ変えればもっとやる気が出る、この機材がまずダメ、失敗した、こんなんじゃやる気がしない。
こういった考えや思考になりやすいのです。
どれも全く具体的な理由ではありませんし、それは言ってる本人が何もその機材のことを理解していなく、また使いこなせてないからです。
酷い話、なら別に必要でもないんじゃないか、とさえ今では思います。
つまり、その状態ではいつまで経っても、何を買っても大して状況は変わらないと言えます。お金が尽きるまで同じことをずっと繰り返すでしょう。
前に進むために何かを作ろう
Photo by Victor1558
上記のように、私はシンセサイザーや、鍵盤楽器などを次々と買い替えていた時期がありました。
買い替えても結局はプリセット音色 (最初から入っている音) を弾いて「このシンセ音いいなぁ」とかそんなレベルです。
で、「あぁ、なんか飽きた、こっちの方がいいかも」それの繰り返しです。
ただ弾いているだけで、そのシンセを使って何も作っていません。弾くだけでは何も残りませんのでその事実は宙に舞うように時間とともに消えていくでしょう。
オークションで「当方では使いこなせなかった為」と言うような理由で出品されるのは、こういう背景だったりします。かくいう私も同じ理由で出品していました。
例えば、レコーディングしたり、その機材 (この記事ではシンセとします) の音で曲を作れば必ずあなたの作品は形として残ります。その機材を使って作った作品、として。
その事実が「前に進んでいる」という実感を与えてくれ、その機材をさらに使いこなす流れに上手く乗れるでしょう。
そうすると、以前よりも簡単に「売る」「買う」という発想になりにくくなります。
バンドをやっているなら、その機材をライブやスタジオでレコーディングしたり、そうでないなら、自宅で宅録して作曲したりするのもオススメです。
きちんと出来なくても、録音したトラックを mp3 にして聴くだけも良いと思います。
演奏を撮影して動画にしても良いでしょう。演奏を動画にしても、その機材で何かをしたことを記録していることになります。
するとただ弾くだけよりも、より前に進んでいると感じれるはずです。
コレクターになっていないか?
これは買い替えではなく「収集癖」になっているだけの人。
基本的には、誰が何を買おうが自由なのでその人に何かをいう権利はないでしょう。飾って見ているだけで楽しいものや、色々なものを持っている、ということだけでも十分な価値があります。
問題なのは、自分がそのような状態に陥っており、結局買うだけ、集めるだけで何もしていない事に悩んでいるのであれば、少しその行動を見直すことも必要かもしれません。
言うまでもありませんが、上記のように自分で分かってて、それが好きであえてその行動をとっているのであれば何の問題もありません。別に何をしようが自由な話です。
また、機材や音源であれば買ってみなければ分からないことも多いでしょう。
問題なのは、自分のとっている行動に対して少しでも疑問を持っている人。
それは音楽に限ったことではなく、どの分野でも同じことが言えると思います。
適正な買い替えの時期
買い替え時期としては「変えないとやばい、活動に支障が出る」という状態がまさしく一つの目安でしょう。
それは趣味でも仕事でも真剣に活動していれば変わりません。
逆にそうでない場合は、記事中でも書いたようにとってつけたような理由が殆どです。活動さえしていないのであれば買い替える必要など全くありません。
買い替える必要性を自分で説明できること、これが大事だと思います。
私自身が今、そのような時期に来ているのですが、やはり物理的に「買い替えざるを得ない」という状況になって初めて必要なものを吟味する、という流れにしたいものです。
現在作曲用のメインマシンの iMac がそのような時期に来ていますが、色々工夫して無理やり使っている状態です。
そこまで毎日稼働させて使いまくっている、という実感は十分で、色々曲を作ってきました。そろそろ新しいマシンで作業効率を上げたいですね。
最後に
全ては私の経験から基づく提案でしたがいかがでしたでしょうか?
普遍的なテーマですが、各々によってはもちろん、時期、経験、状況によっても道具や機材の考え方は変わってくるでしょう。
機材を買い替えるタイミングは、
「余儀なくされたか」「これあるといいかも」おおよそはこのどちらかで、 買い替え時の判断として、壊れそう、壊れた、は基本だと思います。
それは「そこまで使い倒した」のですから使い手自身も納得でしょう。
ただ長年慣れ親しんだ機材は、慣れてない新しくて性能が良いものを上回っていることが多いので、買い替え時には若干のストレスを伴ったりします。
ですがそれは、それくらい使い倒しているという証拠。
逆にこれあったら便利かも、これ買ってこういう曲作ってみたい、こういうことも出来るかな、はどちらかと言えば必須ではなく、なりたい自分のセルフイメージです。
どちらも大事ですが、セルフイメージには行動力、やり遂げる力、が無いとただ買うだけで終わってしまいます。買う目的を明確にすることは誰でも容易ですが、やりきる力はなかなか難しいのです。
ぜひ、買ったからには何かを作る、形にする、成す、ということを大事にしましょう。
そうすれば、簡単に機材をコロコロ買い替える頻度が激減するはずです。
機材と作品とともに、自分歴史をしっかり作っていけたらグッドですね。