ゲーム音楽の巣

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『FF』のピアノ楽譜を徹底紹介【初心者にオススメ】のバイエル併用シリーズとは?

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Photo by SQUARE ENIX

大好きなファイナルファンタジー (以下FF) をピアノで弾いてみたい。

そんな風に考えているあなたは、きっとFFもピアノも音楽も大好きな人だと思います。

今回は、FFの素敵な音楽をピアノで弾いてみたい! と思っているあなたへ、エントリー向けの楽譜としてオススメの「楽しいバイエル併用」というシリーズの楽譜を紹介したいと思います。

ぜひ、あなたに合ったFFの楽譜を見つけてくださいね。

目次

はじめに

FFの楽譜は実はたくさん存在します。

ご存知の通りシリーズ15作目まで存在する今では、ナンバリングタイトルだけでも既に他のゲームとは比較にならないくらいの楽曲が存在しています。

シリーズ初期からサウンドを手がけてきた「植松伸夫」氏の生み出す音楽。世界中のFFファンがゲーム体験とともにその素敵なメロディを口ずさんだことでしょう。

そんなFFの音楽をピアノで弾いてみたいあなたに、今回はちょっとしたピアノのアドバイスや、バイエル併用シリーズならではの楽譜の使い方も交えて紹介しておきたいと思います。

楽しいバイエル併用シリーズ【初心者向け】

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楽しいバイエル併用シリーズは「ドレミ楽譜出版社」から発売されている初心者向けのピアノ曲集です。

アニメやゲームなどの曲をピアノで弾きたいと思っている初心者に向けたアレンジ内容となっており、現在でも多くの人に愛されている楽譜になります。

このシリーズは「楽しいバイエル併用」という名の通り、ゲームの原曲をピアノスコア化するにあたって、クラシック音楽のレベル表記である「バイエルの難易度」を用いています。

これは、ピアノ奏者が練習に取り組む際の指標として各曲の難易度を簡易的に伝える役割を持っています。

各曲は編曲者の判断によってバイエル60程度、終了程度、などと表記されており、基本的には数字が大きくなるほどに曲のアレンジは難しくなっていきます。

(曲ごとに表現ポイントは違うので、あくまで参考程度と考えてください)

また、編曲者によるワンポイントアドバイスも全ての曲に載っているので参考になるかと思います。

ひとまずピアノを始めたばかり、または始めたい、と思っている方はこちらのシリーズを選択すれば間違いないでしょう。

バイエル併用シリーズの特徴

何と言っても「サウンドトラックの全曲を網羅している」というのが最大のウリです。

これなら「この曲だけ弾きたい」「色々弾きたい」という様々なピアノ弾きのニーズに応えてくれるでしょう。

また、原曲に忠実でシンプルなアレンジであることが、初心者が挫折せずに楽しくステップアップしていける難易度となっています。

弾けば「あ、あの曲だ!」と分かるようにアレンジされていますので、公式のサウンドトラックを参考に練習していきましょう。

それから各曲には「コード表記」がありますので、DAW (作曲用ソフト) などを使って打ち込みをしたい、ゲーム音楽のアレンジをしたい、という方に向けても有用な情報となっています。

バイエル併用シリーズの欠点

このシリーズの欠点は、ある程度のピアノ経験者にとって「物足らない」アレンジになっていることです。これは初心者に向けたアレンジ内容になっていますので、言うまでもなく仕方のないことです。

さらなるピアノの表現力を追求したい場合は、以下に紹介する「ピアノ・コレクションズシリーズ」を始めとする「上級者向け」の楽譜を選択しましょう。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

それでは早速ですがFFシリーズの『バイエル併用曲集』、それから参考音源である『オリジナルサウンドトラック』この2点を、各シリーズのゲーム内容を少し振り返りながらご紹介したいと思います。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー1/2/3 全曲集【楽譜】

1〜3は曲数はありますが、まだま短いループサウンドで曲がすぐにリピートする作りでした。全体を通してそのように短い小節数のものが多いので、楽譜が一つで収まっているのが逆に嬉しいですね。反乱軍のテーマ、悠久の風、水の巫女エリアなど美しいメロディが多いです。比較的弾きやすい曲が多いのでおすすめ。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー1・2 全曲集【参考CD】

FFの一番最初に出たサウンドトラックはファミコン音源によるピコピコサウンドでした。FFという世界のRPGを制限された音色、音数で見事に表現しきっています。シンセサイザーによるアレンジバージョンが収録されているのも特徴。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー3【参考CD】

FF3からバトル曲にホワイトノイズによるドラムサウンドが登場しました。エコー効果やDuty比率が異なる矩形波を駆使したサウンドは、曲の表現力が前作よりもかなりパワーアップしています。たまねぎ剣士にオニオンシリーズを装備させてください。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー4【楽譜】

FF4は個人的に一番プレイしている作品です。ゲームバランス、ストーリーにメリハリがあって何度やってもまたやりたくなります。セシルがパラディンにクラスチェンジした時のあの印象深い場面が忘れられません。初期のシリーズで最もドラマチックな展開をする作品。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー4 リマスター版【参考CD】

スーパーファミコンの音源で新たな表現力を得たFF4。オーケストラ調のメインテーマを聴いた時には身震いしましたね。今でも最初にプレイした時の感動を覚えています。アクトレイザーの音源を聴いて全て音源を一から作り直した事が有名ですね。愛のテーマ、最後の戦い、そしてプレリュードのハープが美しい。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー5【楽譜】

家族がテーマの一つとなっている作品。バッツ、レナ、ガラフ、ファリスの他にもシドやミドなど、キャラクターに「表情」が加わったことによって、テキスト無しでも感情豊かな表現力を実現させました。そのためか、コミカルなシーンが非常に多かった気がします (笑) とにかく本当に名曲が多いFF5です。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー5 リマスター版【参考CD】

FF5の音楽の作り方は前作に比べてかなりタイトな仕上がりです。きめ細やかなサウンドの作りが、テンポ良くゲームを盛り上げてくれます。ビッグブリッジの死闘、新しき世界、光を求めてがお気に入りです。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー6【楽譜】

クリスタルという概念が消え、魔法が伝説の存在に。ティナを始めとした幻獣をフューチャーした作品。主人公が多数に存在する中で、それぞれの生き様を描きます。機械とファンタジーの融合が、新たなFFの世界を感じさせてくれた作品です。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー6 リマスター版【参考CD】

フィールドで流れるティナのテーマが、FF6の世界そのものを表現しきっていると言えます。サウンドトラックは3枚組となり、RPGとしてはとても大規模なものに。世界が崩壊する瞬間、その展開、そしてラスボス曲の妖星乱舞は、戦闘の演出面とともに度肝を抜かれました。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー7【楽譜】

プレイステーションというハードの可能性を先人斬って表現したFF7。当時誰もがCMを見て期待を膨らませました。今では様々なメディアで展開され、海外でも人気の高いタイトルです。PS4でのリメイクが楽しみでなりません。やはり曲調が進化したため、難しめの曲が多いです。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー7【参考CD】

個人的にはハードが変わったことにより、音楽も相当パワーアップしたと思っていましたが、どうやらゲームのユーザビリティを優先した結果、かなり音質面で妥協したというエピソードがあります。しかしどの楽曲もそれを感じさせなく、この作品でFFの名曲が何曲も生まれましたね。片翼の天使の「セフィロス!」というコーラスが印象的です。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー8【楽譜】

学園という舞台から始まるFF。序盤のあの閉鎖的な行動範囲がワクワクしてました。一度目のプレイでは細かい設定がよく分かっていませんでしたが、様々な仮説を知るとゲームへの理解がより一層深まりました。いつかもう一度最初からプレイしたい作品です。結局バラムガーデンにいる時が一番ホッとしていましたね。バラード系の曲は比較的弾きやすいナンバーが多いです。主題歌のアイズ・オン・ミーは絶対に弾きたいナンバー。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー8【参考CD】

FF8の音楽の特徴は、何と言ってもオーケストラ調に挑戦している曲が多いこと。壮大なオープニングから5拍子で始まる通常戦闘曲、印象的なリフがカッコいいラグナパートの戦闘曲。どの曲も良いのですが、やはりラスボス曲のExtremeの展開はやってくれたと思いました。主題歌の「アイズ・オン・ミー」がとても好きでした。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー9【楽譜】

FF原点のクリスタルが復活した作品。ジタン、ビビ、スタイナーなどそれぞれが生きる意味を考えていくさまは、少なからず影響を受けたのを覚えています。この作品が、PS 最後のFFでしたね。トレノやベアトリクスのテーマなど、ピアノが活きる曲が多いのが嬉しいですね。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー9【参考CD】

オープニングのいつか帰るところが好きでした。最初にゲームを起動した時はこの曲をずっと聴いてましたね。FF9は個人的にピアノ曲が素晴らしいと思っています。前述したように、眠らない街トレノ、ローズオブメイなど、良い曲ばかり。この二曲は是非弾きたい曲ですね。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー10【楽譜】

FFの中で唯一泣いた作品です。物語の展開と衝撃、残酷さに、ティーダとユウナを見ていてラスト付近では涙が止まりませんでした。PS2 の性能をフルに使った表現力は、ムービーシーンを見るのが待ち遠しかったほどです。この頃はどれだけゲームのキャラが人間に近づいていくのかとワクワクしていましたね。やはり曲はザナルカンドにてが大人気。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー10【参考CD】

FF10より、植松さん以外にも仲野さん、浜渦さんが加わり、それぞれが得意とする曲を担当しました。やはりメイン曲は植松さんですね。ザナルカンドにてはもちろん、ノーマルバトルやユウナのテーマなど良い曲が多いです。この頃から声優の導入により、メロディを抑えた曲が多くなりました。音楽が裏から支える役割になりましたね。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー11【楽譜】

FF11はFF初のオンラインゲームでしたね。私はとうとうプレイ出来ませんでしたが、サントラだけは収集して聴いていました。良い曲がたくさんあるので、ゲームもやっていたらもっと感動していたに違いありません。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー11【参考CD】

このサントラが最初に出たものになり、後に追加パッケージと共にサントラも副題を付けてリリースしていきました。ジラートの幻影、アトルガンの秘宝、プロマシアの呪縛など。私も冒険者になりたかったです。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー12【楽譜】

FF12は、FFの世界観を別の切り口で表現したように感じた作品。明らかに現在のFFの雰囲気は10から一変したと感じています。この頃からCGの表現力が他の作品とは比べ物にならないくらい差を付けていたように思えます。ヴァンがHydeに似ていますね。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー12【参考CD】

作曲者はFFタクティクスの崎元さんが担当。ファンファーレのハーモニー、オープニングテーマ、そしてビッグブリッジのテーマのアレンジはさすがとしか言いようがありません。さすがゲーム音楽オーケストラの先駆者。やはりどこかタクティクスの雰囲気がありますね。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー13 抜粋【楽譜】

グラフィックの美しさ、生き生きと滑らかに動くキャラたちの動きは画面の向こうの世界を感じさせるには十分です。PS3 で登場したFF13の新たな世界観。閃光という曲は、バトル曲に新たな表現、可能性を生み出しました。こんな戦闘曲があってもいいんだ、と。是非弾けるようになりたいですね。

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー13【参考CD】

作曲者はFF10、アンリミテッドサガでもお馴染みの浜渦さんです。弦楽器とピアノの曲が印象的な作風が多いのですが、今作の目玉はやはり通常バトル曲の「閃光」です。FF13の代名詞と言っていいほど有名になりましたね。主人公であるライトニングのテーマが様々なアレンジでゲーム中に登場します。

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー14 F&B トラックス【楽譜】

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジーベストコレクション【楽譜】

【楽しいバイエル併用】ファイナルファンタジー作品集【楽譜】

【超初級】ハ長調でやさしい ファイナルファンタジーベスト【楽譜】

ハ長調とは、#と♭が付いていないアレンジになります。

つまり、殆ど白鍵だけで弾くことが出来るアレンジになっていますので、初心者に超オススメです。曲によってはバイエル併用よりも簡単に弾けるものもあります。

ただ難易度は下がりますが、ハ長調に移調している為、原曲と同じ響きにはなりませんのでそこだけ注意です。

シリーズを通して進化してきた音楽の表現力とは?

ひとまず押さえておきたいことは、FFは1〜3はファミリーコンピュータ、4〜6はスーパーファミコン、7〜9はプレイステーション、10以降はプレステ2というようにハードが進化してきました。

それに伴って音楽の表現力も非常に豊かになっていきます。

特にファミコン時代のFFの曲は、同時に使える和音が「3音」だったこともあり、この進化はピアノを弾く上でも無視できない要素となっています。

バイエル併用シリーズの楽しみ方

ピアノで表現する上で重要になってくるのは「メロディ」と「ベースライン(低音)」になります。ベース (左手) はリズムを出したり、コード感 (和音) を決定する為にも重要な役割を持っています。

コードについて 和音 - Wikipedia

4以降の作品では、同時に鳴らせる音が増え、扱える音色が増えたことにより、メロディとベースに加えて原曲のハーモニー (和音) も豊かになってきました。

特にオーケストラ曲の多い7以降の曲に関しては、和音も複雑になってきますので曲集も難しくなっていきます。

ですが、スピードを少し遅めにしたり、ゆっくり練習するなど工夫して頑張れば弾ける曲も増えていくかと思いますので、そういう点においてもバイエル併用シリーズは全曲載っている事が活きてくるかと思います。

難しい曲は後回しにして、難易度が低い曲から手を付けてみるのもアリです。

また、バトルやボス戦、エンディングなどの曲はどのシリーズも普通に難しいので、しっかりと弾こうとすれば、楽しいバイエル併用と言えども油断は出来ません。

実のところ、少し上達してからすぐに上級者向けの楽譜に手を出す人も多い中、このシリーズの曲集を練習してしっかりと弾けるようになる方が、長い目で見ると腕前が安定すると思います。

とにかくメロディを歌うように弾くように心がけましょう。

どれだけ難しい事を弾いていても、メロディが歌っていなければ聴き手の胸を打つのは難しいかと思います。

もしピアノを始めてみたいと考えている方は、合わせてこちらの記事を参考にしていただけると幸いです。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

中級向け用にこちらもオススメ

FFの初期作は、プレイステーションやニンテンドーDSなどでリメイクしたのはご存知だと思います。その時に、特にFF1〜3の音楽についてはかなりアレンジされました。

こちらにバイエル併用から少し発展した曲集を紹介します。

もし興味があればこちらも挑戦してみてください。

【初級〜中級】ファイナルファンタジー1・2 ピアノソロ曲集【楽譜】

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー1・2 リメイク版【参考CD】

【初級〜中級】ファイナルファンタジー3 ピアノソロ曲集【楽譜】

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー3 DS版【参考CD】

【初級〜中級】ファイナルファンタジー4 ピアノソロ曲集【楽譜】

【サウンドトラック】ファイナルファンタジー4 DS版【参考CD】

最後に

FFの音楽歴史は、ピアノ曲集だけ抜粋してもこれだけのシリーズが存在しています。

シリーズ毎によっては、その音楽性は様々に変化してきたといえますが、やはり根本的な「FFらしさ」はどのシリーズを通しても健在。

それは作曲者の植松さんが、音楽面からFFを表現してきた結果とも言えますね。

植松さんが全曲を担当してきたFF9までは、どれだけビジュアルが変化しても音楽面ではどこか懐かしさが感じられます。

シリーズが拡大するにつれて、FFに関わるコンポーザーも増え、その音楽表現、ゲーム表現においても多様な形になってきましたが、名曲はいつまでも色褪せませんので、是非あなたのピアノで蘇らせてみてください。

あなたのピアノライフが、より良いものとなりますように・・・。