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世界的人気を誇る RPG、ファイナルファンタジー(以下FF) 。
今回紹介したいのは、FFの世界を彩る素敵な音楽をピアノで弾くための楽譜 (スコア) です。現在までに様々な出版社から、各ユーザーのニーズに対応する形で登場しました。
ピアノ初心者へ対応したバイエル併用シリーズ、ピアノ上級者向けのピアノコレクションズシリーズなどを始めとして、他にもベスト版、優しい難易度のハ長調シリーズなどであったりと多様に存在します。
近年ではピアノの技巧表現の限界に挑戦した「ピアノオペラ」というアレンジも登場。
本記事ではFF音楽の歩みを少し簡単に振り返りながら、ピアノコレクションズの特徴を紹介していきます。
大好きな FF の音楽を演奏する為に、ぜひあなたの目指すアレンジの楽譜を見つけてほしいと思います。
目次
- はじめに
- 可能性を広げるアレンジアルバムの登場
- FFピアノコレクションズの歩み
- ピアノ・コレクションズシリーズ【上級者向け】
- ピアノ・コレクションズの特徴
- 「マッチングCD」を最大限に活用しよう
- ピアノ・コレクションズは「コード記載」が無い
- 現在のラインナップを把握しよう
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー4【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー4【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー5【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー5【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー6【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー6【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー7【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー7【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー8【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー8【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー9【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー9【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10-2【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10-2【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー11【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー11【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー12【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー12【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー13【楽譜】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー13【参考CD】
- 【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジーBEST (7~13)【楽譜】
- 初心者は「バイエル併用シリーズ」も参考に
- ◎ピアノ・コレクションズの楽しみ方
- 最後に
はじめに
ファミリーコンピュータ用のゲームソフトとしてスタートしたFFは、ドラクエと並ぶ国産 RPG の代表作の一つとして有名ですね。今では世界中のFFファンから愛されて止まないほど絶大な人気を誇っています。
その中でも外せないのが、シリーズ作曲者の「植松伸夫」氏の生み出したバラエティ豊かな楽曲たちです。素晴らしく印象に残るメロディは、今日もどこかでゲームファンの胸に響いているでしょう。
FFは現在でメインタイトルは15作まで出ています。
シリーズ10からは、浜渦氏、仲野氏、崎元氏などを始めとするコンポーザーも加わりましたが、やはり植松氏が手がけた初期のシリーズは名曲揃いですね。
可能性を広げるアレンジアルバムの登場
FFの音楽はドラクエと共にゲーム音楽の先駆者的存在として、常にゲームミュージックのシーンを盛り上げてきました。主にゲームで使用された BGM を収録したサウンドトラックが今でも絶大な人気を誇っています。
その他にオーケストラ版、ドラマCD版、ケルティック調、ボーカルコレクションなど、コンセプトに沿った様々なアレンジアルバムが登場し、オリジナル版のサウンドトラックの可能性をさらに広げてきました。
その中に、ピアノ演奏の持つ表現にフォーカスした「ピアノコレクションズ」の存在があります。
FFピアノコレクションズの歩み
ピアノコレクションズは「CD付きピアノ曲集」というコンセプトで、92年にFF4から登場。
発売当初は書店の片隅に並んでいる、というような印象であまり注目を浴びませんでしたが、シリーズがどんどん発売され、絶版になった頃には価値が見直されプレミア化しました。
当時は常にオークションにおいても一冊1万以上の値が付けられるほどの人気ぶりでした。
【旧】FF4 ピアノ・コレクションズ 【CD付マッチングスコア】
【旧】FF5 ピアノ・コレクションズ 【CD付マッチングスコア】
【旧】FF6 ピアノ・コレクションズ 【CD付マッチングスコア】
そんなピアノコレクションズシリーズですが、復刊ドットコム (廃盤になった商品を再販する事を目的としたサイト) においてユーザーの再販に対する要望が実現し、遂に NTT より再販が決定。これはとても嬉しかったですね。
楽譜とCDをそれぞれ分離しての発売という形になりましたが、CDだけ聴きたいという人もいれば、練習して弾けるようになりたい、というような用途を考えるとこの再販方法はユーザーにとってはありがたい仕様でした。
こちらもシリーズ4〜6まで再販で登場するも、現在ではスコアの方は絶版となり中古市場でもそこそこの価格が付けられています。
FF4 ピアノ・コレクションズ 【CD】
FF4 ピアノ・コレクションズ 【スコア】
その後もピアノコレクションズは、シリーズを重ねるごとに「上級者向けのピアノアレンジ」という位置付けで発売されていきます。
ピアノ・コレクションズシリーズ【上級者向け】
今回「中級〜上級者」へ紹介したいのは、このピアノコレクションズのシリーズの曲集になります。
どの曲も弾きごたえのある難易度でアレンジされており、なおかつ個性溢れるバラエティ豊かなアレンジになっている点が多くの人に愛されている証拠でしょう。
まず押さえておきたい点として、ピアノコレクションズの曲集は「原曲をより展開的にアレンジした内容」であることです。ただ原曲に対して音数を増やして難しくした、というものではありません。
各曲をピアノでより豊かに表現するにあたってこのアレンジにした結果、この難易度となった、というのが正しい見方かと思います。
従って、原曲を知った上でこのアレンジに臨む、というのが重要になってきます。
ピアノ・コレクションズの特徴
ゲーム音楽は「ループサウンド」(曲終わりで冒頭に戻る) という仕組みになっていますので、それに沿って楽譜を作ろうとすれば、前回紹介したバイエル併用シリーズのようなものとなります。
バイエルの欠点は「一曲を表現する」ということに対して、このままの通り弾くと機械的になってしまうということです。これはループすることを前提に忠実に採譜しているため、至極当然ではあります。
それに対してピアノコレクションズは、各曲なアレンジにテーマを設け「起承転結」または「より展開的に」にしたものになります。
つまり、演奏するにあたってはこのような展開を意識し、曲全体を通して盛り上げていくことが豊かな表現につながるでしょう。
もちろん、すべての曲がその限りではありませんが、上記のように各曲がストーリー的に展開していくアレンジになっているものが多いのは事実です。
「マッチングCD」を最大限に活用しよう
それからこの曲集にはマッチングCDが存在しますので、それを参考に出来るというのが曲の最終的な仕上がりをイメージ出来ることに繋がります。CDを聴いてから練習に臨めば、曲の全体像を比較的早く理解でき、練習の効率性も上がるでしょう。
また、一曲として挑戦するにしてもやりがいがある上に、聴く方の視点からみても間違いなく聴き応えがあります。従って、ピアノの発表会に用いる課題曲としても是非オススメしたいシリーズになります。
ピアノ・コレクションズは「コード記載」が無い
バイエル併用シリーズとは違い「コード表記」がありません。
なので、クラシックの曲のように一曲をまるごと暗譜する、譜面通り弾く、という取り組み方になります。従ってサウンドトラックの原曲を主軸とした、打ち込みやアレンジで楽譜を使いたい、という人には向かない内容となっています。
現在のラインナップを把握しよう
それでは私自身の感想を少し交えながら順番に紹介したいと思います。
主観性が高いかもしれませんが、一人の意見として見ていただければ幸いです。また、譜面を見てなかったり、聴いていないラインナップについては書きません (聴き次第更新はします)
どの楽譜を選んだらよいか迷っている方も多いと思いますので、まずはどういったラインナップがあるかということを知っていただいた上で、現在のご自身の目標、用途に沿ったスコアを選択していただければと思います。
個人的にオススメな曲集は「FF4〜FF10」です。
メロディが強くはっきりしていて、やはり楽曲、アレンジともに完成度が高いのです。一応参考までに。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー4【楽譜】
編曲は「佐野史朗」氏。ピアノコレクションズとして一番最初に出た曲集というだけで、いろんな意味で価値があると思います。恐らく本当に試行錯誤だったのでは? と推測します。選曲のバランスが良く、どの曲も情景が思い浮かぶような、落ち着いた癒し系よりのアレンジになっていると思います。バトルメドレーなどはかなり実験的な感じがします。オススメはオクターブでシンプルに展開する「プレリュード」など。「街のテーマ」や「トロイア」もピアノで弾くとキレイですね。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー4【参考CD】
演奏者は「森俊之」氏。とにかく非常に丁寧な演奏。FF5も森さんですが、タッチの強弱とリズム感を人一倍意識している弾き方ですね。とにかく安心して聴けるのが良いです。因みにスガシガオなどで有名なキーボーディストのあの森俊之さんなのかがずっと気になっています。だとしたらかなり感動的なんです自分的には (違ったらスミマセン)
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー5【楽譜】
編曲はFF4と同じく「佐野史朗」氏。とにかくこのアレンジの方向性で良かった!というのが第一印象。全体的にコンセプトが品格を漂わせるようなアレンジです。いたずらに技巧的なアレンジにしなかったことが、時間がたっても評価され続けている要因だと思います。聴き手は難しさばかりを求めていないのだと分かりますね。本当に良アレンジです。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー5【参考CD】
演奏は「森俊之」氏。FF4と同じく森さんの演奏は上品で聴いていて本当に心地よい。オススメは全曲、と言いたいところですが (笑) やはり「オープニング」「メインテーマ」「ビッグブリッジの死闘」「親愛なる友へ」でしょうか。ノスタルジック漂うFF5の雰囲気を出せた傑作だと思います。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー6【楽譜】
編曲は「鷺巣詩郎」氏。ピアノコレクションズの中でも、全体を通しての充実生で見ると個人的には選曲、アレンジの方向性ともにナンバー1の曲集であると思います。とにかくアレンジが素晴らしい。原曲からよくこんな豊かな発想が出来るものかと関心しちゃいます。そして模範CDの演奏も素晴らしい。全ての曲を弾く価値があり、一曲毎に色々な表現力を得れる曲集だと思います。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー6【参考CD】
演奏は「野村玲子」氏。女性ピアニストの中でも、個人的に自分の好きな演奏の仕方をしてくれる方ですね。「ティナのテーマ」の繊細なアレンジ、「ケフカ」「ストラゴスのテーマ」のような茶目っ気、ブギウギスタイルの「ジョニーCバッド」、ラグタイムの「スピナッチラグ」、「決戦」のパーカッシブな演奏とパッション。そして安らぎの「街角の子供達」どれもジャンルに適したスタイルで弾きこなしています。456のピノコレクションズの中でも最も聴いた演奏ですね。選曲、演奏ともに超オススメ。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー7【楽譜】
アレンジはおなじみ「浜口史郎」氏。もはや安定してます (笑) 全体を通して聴き応えのあるアレンジで、難しくするにしていもこういった技巧的なアレンジが最も目指す形なのかなと思います。今回の「戦う者達」のアレンジは最高傑作だと思っています。複雑なハーモニー展開と、両手のリズムの微妙なねじれ、奏者のパッションがシンクロした時に、感動的な演奏になるものと思われます。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー7【参考CD】
ピアニスト「本田聖嗣」氏が担当。本田氏の演奏は非常にタイトで、スピード感にメリハリがある奏者であると思っています。私はこういった演奏が好きで、どの曲も余裕を感じさせてくれるそんな演奏です。バラード以外では、リズムにシビアなゴールドソーサーなどがそれらを体感できると思います。「戦う者達」「エアリスのテーマ」「片翼の天使」どれもオススメ。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー8【楽譜】
アレンジは、FFはもちろん様々なアニメやゲームでおなじみの「浜口史郎」氏。SHIROBAKOでも有名ですね。きめ細やかで面白いアレンジが多いです。個人的には高校の頃、ピアノの発表会で奮闘した曲集でなので想い出がありますね。個人的にオススメなのは「The Castle」「Ending Theme」そしてもちろん「Eyes On Me」です。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー8【参考CD】
ピアニストは「小形眞子」氏。クラシック畑出身の正統派な弾き方で、どの曲も非常に落ち着いた演奏です。リビングなどに BGM で流したくなりますね。ピアノコレクションには珍しいブルーズ曲「Shuffle or Boogie」や、スライドジャズピアノ的な「Slide Show Part 2」が収録されています。是非アドリブや茶目っ気を披露してください。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー9【楽譜】
アレンジはやはり「浜口史郎」氏。FF9のアレンジは大当たりでしょう。この曲集の素晴らしいところは「このアレンジを弾きたい」と心から思わせてくれる内容になっていること。そのような展開、メッセージ性の高い内容となっています。全体的に切なくヒーリング的なナンバーも多いです。熱いパッションが求められる「Vamo alla flamenco」は、原曲がギター曲なだけにピアノで弾けるとカッコいいですね。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー9【参考CD】
ピアニストは「ルイレーリンク」氏。ピアノコレクションズの中でも、このFF9が曲集、模範演奏ともにFF6に次いで完成度が高いと思っています。レーリンク氏の演奏もダイナミクスレンジが広く、強弱にメリハリがありますね。そして穏やかで人柄が伝わってくるような弾き方です。今作は、やはり一曲の中でストーリーが感じられるアレンジが多いのが特徴。「Vamo alla flamenco」「ローズオブメイ」「とどかぬ想い」本当にどれもオススメアレンジです。最後の戦いの、前半と後半のガラッと変わるあの雰囲気を是非弾きこなして欲しいと想います。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10【楽譜】
アレンジは「浜渦正志」氏。やはり全体を通してピアノ映えがする選曲で、原曲のイメージを壊さない期待を裏切らないアレンジになっています。「決戦」などはもちろん、「ザナルカンドにて」などは聴く人も知っている人が多いと思いますので、弾きごたえあるかと思います。元々原曲がピアノ曲である選曲が多いので、イメージは掴みやすいかと思います。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10【参考CD】
ピアニストは「黒田亜樹」氏。黒田さんの演奏は聴けば分かる通り非常に表現豊かで、とにかく「情熱的である」という点が私は一番聴いていてツボでした。一曲目のザナルカンドにてのラストのアルペジオの盛り上げ方が本当に情熱的。「...来る!」みたいな。オススメしたいのは「ユウナのテーマ」のアレンジ。このなかなか盛り上がりもせず、明るくもなりきれない感じで展開されるハーモニーが独特の響きを持っています。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10-2【楽譜】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー10-2【参考CD】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー11【楽譜】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー11【参考CD】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー12【楽譜】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー12【参考CD】
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー13【楽譜】
編曲は「浜渦正志」氏で作曲者自らが担当。過去のピアノコレクションズと比べると原曲自体の思い入れもによっても評価が変わってくるかもしれませんね。私もその質ですが、もはや原曲、ゲームを離れてピアノ曲として見た方が良いかもしれません。オススメはベタですがやはり「閃光」「FINAL FANTASY XIII 〜誓い〜 - サンレス水郷」です。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジー13【参考CD】
ピアニストは「黒田亜樹」氏。FF10と同じタッグですが、やはりアレンジ、演奏ともに申し分ありません。FF10と比べても浜渦さんらしさは当然こちらの方が出ていますね。弾くのはもちろん、聴く分にもとても心地よいのです。
【ピアノ・コレクションズ】ファイナルファンタジーBEST (7~13)【楽譜】
7から13のベスト版になります。一冊で幅広く対応したい方にオススメです。弾きたい曲が多くあれば、是非こちらも選択の候補に入れてほしいと思います。
初心者は「バイエル併用シリーズ」も参考に
中盤でも少し触れましたが、以下の記事ではピアノ初心者にオススメなやさしいアレンジである「楽しいバイエル併用シリーズ」を徹底紹介しています。
ピアノ初心者の方は、まずこちらの記事を参考にしてみてください。
【ヒント】バイエル併用シリーズの楽しみ方
上記の記事で紹介した「バイエル併用シリーズ」は、ピアノ初心者に向けたベーシックなアレンジとなっています。
しかし実のところ、シンプルにメロディとコード表記が載っている事自体が、演奏やアレンジの幅の可能性を無限に広げる為に重宝します。
特に、コードとメロディを見ながらアドリブ、即興演奏を展開出来る人は、譜面を目で追いながらリハーモナイズしていっても面白いと思います。
そこまで行くと、誰も真似出来ないあなただけのアレンジとなります。例えばジャズのスタンダードスコアの用途を思い浮かべてみると、その意図が伝わるかもしれません。
従って、使い方次第ではこのバイエル併用シリーズが最も可能性のあるスコアであると思っています。
◎ピアノ・コレクションズの楽しみ方
このシリーズの楽しみ方の一つとして、その制約の中での表現力を追求する、という方向性があります。
ピアノコレクションズは公式のアレンジであるため、言ってしまえばクラシックピアノの楽曲と同じで、同じ内容を弾いているが奏者によって表現力、弾き方が違う、そういった部分を追求する、という楽しみがあります。
今では YOUTUBE などの動画サイトが身近なものとなり、日本だけでなく世界中にFFファンのピアノ弾きが存在します。
そのような人たちも、このピアノコレクションズは公式のアレンジシリーズとしての認識があり、自分で楽曲に取り組んでいけば、同じ曲を、同じアレンジで弾く他の弾き手の表現の仕方などを楽しめる視点を持てるでしょう。
アレンジを我流にしてしまえば比較対象は何もありませんので、可能性は無限となるでしょう。広い目で見れば、それももちろん素晴らしいことです。
あくまで取り組む際の提案の一つとして、譜面の内容はほぼ変えずに、自分の間、タッチの強さ、スピード感、そういった弾き手本来の表現力を追求する方にもオススメしたい内容となっております。
これは譜面通りに弾くのであればどの曲にも共通する認識になります。
最後に
今回紹介したのは、FFシリーズの上級者向けのピアノ曲集でした。
前回紹介したバイエル併用シリーズと違う点では、やはりマッチングCDの存在があるということが一つ。ゲーム音源のサウンドトラックとは異なり、ピアノの音で楽譜とマッチしたCDがあるというのは、練習においてこれ以上効率的なことはありません。
CDを何度も聴いて参考にしたら、さらにもう一歩踏み込んで「自分ならここはこう弾く」といったオリジナリティ溢れる表現力を追求していって欲しいと思います。
また、ピアノコレクションズのアレンジはどれも魅力的で、音楽性に富んだ内容となっています。一曲マスターするごとに、きっと新たな表現力を習得できるでしょう。
ぜひ、あなただけのFFピアノの世界を作っていってください。