ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

フリー音楽素材、BGMの需要と収益モデルについて

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https://free-images.gatag.net/tag/violin

フリーで使用できる「BGM」や「効果音」を始めとする音楽素材は、色々なサービスやコンテンツを作る上で必須の素材となっています。これらはコンテンツのイメージをより具体的にしたり、作品のイメージを決定付ける役割を持ち、コンテンツの体験者に対して心を動かすきっかけになる大切な要素だと思います。具体的には動画や映画、ゲームといった映像作品が身近だと思います。

音楽素材の需要

最近では YOUTUBE ニコニコ動画 といった無料動画共有サイトの発展により、趣味やアマチュアの間でもコストをかけずに映像作品、動画編集などのコンテンツを生産できるようになりました。

プロもアマチュアも関係なく作品を作ったりして楽しめるようになりましたが、同時に BGM や 効果音 などといった「音楽素材」の需要が大きいのも目につきます。しかし様々な理由により音楽素材が供給の面ではあまり追いついてないという印象を受けます。その問題の一つとして著作権などの問題をクリアしなければならないことが大きいと思います。

著作の問題 

著作権の問題は今に始まったことではありませんが、無料で配布している素材というのは個人で楽しむ範囲で利用するのか、利益を発生させる為に作ったコンテンツに使用するのかで大きく変わります。

本来であれば著作権の問題がある為、企業に所属する専門のクリエイター、いわゆる社員が所属会社のコンテンツの素材を作り、それらの制作報酬は給料という形でと一般的には支払われます。この辺は、会社員だけでなく所属する事務所の契約内容によっても変わってくるかもしれません。

ですがフリーランスの素材を利用するとなると、利用規約の内容や条件によっては、クリエイターからその素材の使用権利を買うことになります。

また、無料で利用するだけでなく、制作を依頼するにしても使用範囲などよって買取料金、制作料金も異なります。

フリーランスの時代が来た

一度商用作品で知名度を上げてからフリーになったフリーランスの作曲家の話ではなく、元々趣味で活動しているアマチュア作曲者が、様々なインセンティブサービスを開始した今の時代に乗っかることで、収益化する手段が増えてきています

メインは広告収入になってきますが、こういったサービスのおかげでアマチュアでも活動の範囲が広がりつつあります。ですが、その範囲はまだまだ一部の間でのみといった印象ですね。

収益モデル

こちらはクリエイター支援としては代表的なニコニ・コモンズ。

commons.nicovideo.jp

音楽素材で収益を得るスタイルは基本的にサイトへのアカウント登録、そして需要別の楽曲のアップロードです。プロを目指すアマチュアは信用がないので、とにかく最初は無料で素材を幅広く使ってもらい「知名度を上げること」が重要となってきます。

アップした素材がそのまま商用として使ってもらえる場合もありますが、それらを聴いたクライアントが自分のイメージに近い音楽素材をアップしている作曲家へ、本格的に依頼する流れが多いようです。

こちらも作曲者支援のサイトの一つで、どんどん登録者が増えています。

dova-s.jp

フリー音楽素材サイト

フリー音楽素材サイト という名の肩書きは2000年頃から徐々に認知され始めました。作曲者が予め自分で好きなように音楽素材を生産し、それを自由に使ってもらうというスタイルですね。

それが「個人の音楽素材サイト」の存在です。先駆けの音楽素材サイトは色々存在しますが、中でも国内最大規模では魔王魂が有名ですね。

フリー音楽素材サイト魔王魂】

maoudamashii.jokersounds.com

音楽素材サイト「魔王魂」は、昔からRPGツクールなどのツクール系のクリエイターを中心に、たくさんのユーザーの支持を受けていました。さらには、近年のスマホアプリの活性化により、アマチュアクリエイターからの支持率がより凄いものとなっています。フリーのゲームをプレイすると魔王魂の曲が流れることが多いです。

利用規約

なぜ魔王魂がこれほどまでに多くの人に利用されるのか? それはサイトに置いてある素材数や質が需要を満たせるレベルになっていることは当然として、最もたる理由は「素材は自由に使ってよい」という緩い利用規約だと思います。クリエイターにとっては無料で「細かい事を気にせずに利用できる」ことが一番嬉しいと思います。

利用者数

魔王魂は月間PV250万というモンスターサイト。数字がそのユーザー数の多さを物語っており、殆どが魔王魂をまず訪ねる、といった流れになっています。

そんな魔王魂の特徴がサクっと分かる記事を書きましたので、よろしければご覧ください。

andy-hiroyuki.hatenablog.com

個人の音楽素材サイトの運営者の考えとは?

運営者は、プロの作曲者もいれば完全に趣味の範囲で提供している人もいますので、利用規約や提供スタイルは本当に様々です。ただ私が色々な素材サイトを見て思った事、それは「たくさんの人に自分の音楽を使って欲しい」という作曲者の思い。これはどの方にも共通していることでした。

では、使う立場として最低限できること・・・それは「著作表記すること」であると私は考えます。素敵な音楽は誰が作ったのかを表記するだけで、作曲者の喜びは計り知れないと思います。

任意で強制としてない方も多いですが、やはり出来る限り著作表記して作曲者を支援することが、作曲者のモチベーションを上げ、さらなる良い素材の提供を促進する流れになると思います。

まとめ

    • クリエイター支援の場としてオススメしたい「ニコニコ・モンズ」と「DOVA-SYNDROME」様々な収益モデルを知っておきたい。
    • 素材を無料で利用する変わりに、作品に「著作表記」を出来る限りしましょう。
    • 個人の音楽素材サイトでは「魔王魂」が名実、実績、利用者数、ともにトップレベル。(個人観測)
    • 素材提供者の数だけ様々な「利用規約」が存在する。利用規約を守ることは、無料で素材を使うユーザーにとって最低限のマナーである。