ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

作曲しながらブログを書く理由『バンド活動の失敗』からヒントを得る

「魔女の机と古書」

Photo by ぱくたそ

夢に向かってストレートに突き進む。

世の中には才能があっても「発見されない」という至極シンプルな悲劇によって、その能力を開花できずに夢を諦めてしまうケースがほとんどです。

 

どうにもならないバンド活動に見切りを付けて、個人で作曲を始めた4〜5年ほど前。

始めた当時、自分の曲を全く聞いてもらえない状態でした (今もですが)

 

自分の曲を聴いてもらえなくて悩む人は多いと思いますが、その確率をあげるシンプルな方法が「作曲もしながら、ブログも書くこと」です。

 

「確率を上げることがいかに大事か」 

 

それはブログがヒントだったんです。

 

今日は、それが実現していくまでに、私が考えていたこと、失敗したこと、挫折しかけたことなどを書いていきます。

(ダラダラ長文続きます)

目次

作曲をスタートした当時の悩み

作曲をスタートするに当たって、悩みがいくつかありました。 

  • 常に他の人の曲と自分の曲を比べ、自信を損失していた
  • なので、作曲のクオリティを上げることばかりに固執していた
  • 継続することが想像以上に難しいことだと知った
  • 何がしたいのかが途中で分からなくなった

バンド活動で失敗した理由は「聴いてもらえるファンを増やせないから」でした。

(友達とか知り合いで応援してくれる人はいましたが)

 

にも関わらず、

作曲をスタートしたときにも、聴いてもらえないことよりも

「自分の作るものの質や、技術ばかりに悩む」

 

いかに自分の考えが、やっぱり何も変わってない、って。

 

バンドの時もそう、聴いてもらう方法よりも、

「どうやったら曲のクオリティが上がるか」

そればかりに固執して、練習とか良い機材を買ったりとか、そういう視点。

 

私の作曲スタートは

「架空のゲーム音楽を作りたい」

やり始めた時はそれしか考えてなくて、その先のことは無計画でした。

 

バンドに置き換えると

「自分たちのやりたいジャンルの曲を作りたい」

これと一緒。

 

で、これで人生なんとかなればいいなぁ、っていう楽観性。

 

私がバンドで失敗した理由は1つであり、それは「好きなことでお金を稼ぐ、これに向き合っていなかったこと」でした。

好きなことをやりたい、できたらいいなぁ、で終わってました。

具体的に考えもせず。。

失敗からヒントを得る

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私はバンドの経験は10年近くあるのですが、

それだけ続けたものを辞めたので、最初は「損失感」がすごかったんですね。

「積み上げてきたものを、一気に失った」

長く続けたものほど、辞めた時のあの感じが恐ろしいのです。

長年続けたバンド生活をやめた当時、どこか気持ち的には楽になったものの、全て一からスタート。

 

それまでグループで活動していたので危機感も鈍くマヒしていたんですが、1人になった途端、全ての責任や可能性が自分の行動に委ねられていると気づきました。

 

団体行動していると、危機感が薄れるのと一緒です。

人は群れると自身がついたり、自分に力があると勘違いしてしまいます。

 

「一人でやってくにはどうすればいいか」

 

バンド時代ではグループ意識に依存していたので、曲作り、アルバイト、そんな毎日で、戦略などなく「いつか誰かが」って感じの日々。

仲間との日々は本当にかけがいのない思い出ですが、だからこそ達成できず挫折したので辛い部分もあります。

 

それがダメで、嫌で、新しいことをやりたくてバンドを辞めたはずなのに。

 

作曲はレベル1からスタート。

 

まず「曲が思うように作れない」と言う所からのスタートなので、バンドで例えたら「自分たちのまともなオリジナル曲が全くない状態」に似ています。

 

それから常に「バンド時代と状況を比較する」と言う視点になりました。

 

好きに作曲してネットにアップするのって、バンドでオリジナル曲書いてライブしてるのと同じで、「いつか誰かが」って感じを期待してるのと同じ。

 

「どうすればもっと聴かれるのか」

「どうすれば届けたい人に届けれるのか」

 

届けたい人に届けるというのは、ある意味こちらからでは最初からコントロールできるものではありませんが、どうすればもっと聴かれるのか、というのは考えようがあります。

 

そして、このことに気づかせてくれたのが「ブログ」だったんです。

色々なブログを読んでいた時期

「屋外の作業でも音楽は欠かせないブロガー」

話を変えて、今度はブログのことを。

 

私は現在はてなブログを中心にやっていますが、最初は数記事書いて放置、誰でも経験するようなパターンでした。

なぜ放置するのかといえば、「アクセスがほぼ無いから」です。

 

アクセスが無いと最初は本当に書く気が無くなる・・・これって・・・

 

「ライブやってもお客さんが数人しかいない」

「曲作ってネットにアップしても再生数は少ししかない」

 

で、やる気が出なくなる。

 

そう、本当に全てバンドの時と同じ現象なんですよね。

 

このことに気が付いた時に、私の検索グセは

 

「どうすれば曲を聴いてもらえるか」

「ブログのアクセスを増やすには」 

 

何度も何度も同じようなことが書いてある記事を読み、結果を出していて、さらに自分に近いロールモデルを見つけ、また何度も同じ記事を読み直して・・・

  

どの成功している人の記事を読んでも共通していることは

「とにかく続けること」

そして

「自分で考えること、分析すること」

 

次第にそれを繰り返すうちに、

「アクセスを増やす、集客をする」と言う「その先にあるもの」を考えるようになります。 

それは「対価」でした。

「自分が求める対価」を明確にした

「山の上に現れた高層湿原と湖(吾妻連峰)」

対価、と言えば色々あります。

お金

評価

宣伝

信頼

 

つまり、対価を考えることっていうのは、

「自分が何を与えられる代わりに、何を自分は欲しいのか」

 

自分がただやりたいことをやるだけでは続かないので

「これを続けると、相手や自分にはどんなメリットがあるのか」

 

それを考えることで、しっかりと継続する意思を固める軸になります。

 

無料で情報、曲を発信することで自分が得たい対価は何だろう?

私の場合は「曲の宣伝」でした。

   

「無料でもいいから、曲を使って欲しい」

「その代わり、自分の曲やサイトに他の人が興味を持って欲しい」

 

そのためには曲をたくさん書かなければならない。

まずゲームシーンをイメージして、100曲書こう、話はそれからだ、と。

 

私は鬼作業を開始、本業で疲れて帰宅した後に曲を書き続け「100曲」書きました。

 

そしてサイトを作りました。

・・・はい、閑古鳥ですね。

ここまで頑張っても閑古鳥。

アクセスなし!マジか・・・

 

バンドでオリジナル曲を100曲書きました!!

 

「いや、それがどうしたん」

「誰お前?」

 

これと同じ。 

悲しきかな、誰にも興味をもたれません。

 

作曲して曲を作り、SoundCloudやFacebookでアップしますが、SCは今も当時も外国人の方しか聴いてないしbotも多く、Facebookは身内でいいね、って言ってるだけ。

サイトを作っても閑古鳥。

またバンド時代とやってること一緒。。だめやんって。

 

曲が必要な人へ曲の宣伝をしたいけど、興味がない人ばかりに聴かせていたんですね。

かと言って、曲を作ってるだけでは、誰もお店へはやってこない。

 

そこでようやく

「ブログに火がつきます」

ブログで記事を書きまくった

「くつろぎながらリモート作業中の猫エンジニア」

放置していたブログは、1日に100前後アクセスあるか無いかみたいな感じでした。

更新もしていなく、SEOも意識していなく、 誰かの役に立つような記事を書いているわけでも無い。

 

そこで、曲を作りながらいつかちゃんとブログを書こうと、色々な成功ブログを読んで行くうちに、「人が読んで役に立つ記事を書くこと」これが必要だと知りました。

 

同時に、

「曲だけ作ってても、そんな人はごまんといる」

 

それって・・・

芸能人は日記を書くだけでアクセスを集めれるけど

凡人は日記を書いてもアクセスを集めれない

 

芸能人は曲を作っても注目されるけど

凡人は曲を作っても見向きもされない

 

これと一緒やんって・・・

 

そうか、

「誰かにとっての特別な存在にならなければ、自分の作るものに価値が出ないんだな」

もしくは

「何かを与えなければ、自分や作品に興味を持ってもらえないんだな」

 

これが分かったんです。

 

分かれば当然の話ではありますが、、、分かっていても記事を書くのは大変でした。

 

実際書いて行くと、これを分かっていても継続して書くのは相当難しいんですね。

「分かっていても続けられない」

これはどんなことでも当てはまります。

 

「こうやって、こうやればうまく行くんだろうな」

 

やれないんですね。。

頭で考えたり想像するだけならどれだけでも出来るんですが、実行するには大変で、継続はさらなる困難を要します。

ブログが稼げると聞いて

「大慌てで猛ダッシュする介護士」[モデル:yumiko]

私はちょうど「ブログは稼げる」と流行りだした時にブログを始めました。

 

稼いでる、稼いでると思われるブロガーの記事を読み漁る。

そして、サイトがどうなってるかとか、キーワードやSEO、どのように集客してアクセスを増やして、収益をあげているのかを自分なりに分析しました。

 

「ブログ初心者は、まず最低100記事書けば少し収益がでる」

日記で100記事じゃなくて、本気で書いて100記事。

文字数は3000〜時に10000の時もありました。

1記事に3日使ったり。

 

100記事って・・・20、30、40でも専門性の記事を書くのは大変。

しかも作曲もやって、本業もやって、ブログもって・・・

 

決めました。

「ブログでアクセスを上げるまで、作曲はストップ」

ブログに一点集中しました。

たまに作曲してましたが、ほぼブログでしたね。

 

ブログを書いていた当時、

私のモチベーションになっていたのは「はてなブロガーの繋がり」でした。

今やその同期の方は数人程度で、読者の9割は更新ないか、WPへ移動しました。

 

検索エンジンからのアクセスが少なくても、数人でも読んでくれてる人がいると言うだけでどれだけ救われたでしょうか。

次第に検索からの流入も増え、一生懸命書いた記事に「役に立った」と言うコメントがつくようになり、嬉しかったんですね。

 

月に140円とかそんなレベルだったのが、アクセスが増えていてくと1000円、10000円、50000円と増えていき、ブログが生活の中で当たり前になっていきました。

 

月に1000円くらいの収益を超えた時にようやく気が付いたんです。

「そうか、価値が出たから稼げるようになるんだ」

 

そこで「100記事が最低限のスタートライン」と言われていた意味が分かって、それは100記事も書くと読まれる記事、読まれない記事が見えてくるということでした。

 

価値があるものと、ないものが分かってくる。

 

「これ、曲も一緒じゃん・・・全部一緒やん考え方」

 

そこから自分の発信する内容を考えるという。

 

上級者からすれば、20記事でも収益を出せる人もいるのかもしれませんが、何も知らない私のような初心者は無理なのです。

こおろぎさんがロールモデルだった

ブログと作曲を組み合わせることで、自分を知ってもらえる構造を構築いていく。

 

それを私に教えてくれた人は、みんなも知ってるあの人

ブロガー兼 作曲家の「こおろぎさん」なんですね。 

 

こおろぎさんは、曲のクオリティはもちろん高いのは当然で、ブログや音楽、ストック収益だけで食えるようになる、というコンテンツを自ら捨て身で作っていたんです。

 

音楽で飯が食えるようになりたい人は多いので、クリエイターはみんなこおろぎさん興味をもつ、という流れになりますよね。

それがヒントでした。

 

ブログは絶対にやるべきだ、って思ったんです。

 

でも、当然こおろぎさんを追いかけてるだけ、こおろぎさんのブログを見ているだけではそれは無理なわけです。

それがきっかけで、他の人のブログを見るようになりました。

それだけでもすごく大きかったんです。

 

で、しばらく経った時に

 

「あ、ようやく自分、バンド時代と違う行動、視点、違う発想ができるようになった」

 

聴いてもらうためには、アクセスを集めるためには、稼げるようになるためには

 

全てこおろぎさんがきっかけでした。

特に稼ぐためには、って部分ですね。

 

どれくらい稼いでいるか、それは普通誰も言わないので、言ってる人に価値があった、んですね。

今ではリスクがあるので、サロンに誘導する人くらいしか実績好評で言わない人も多いですが、当時は貴重だったんですね。

「この人追っかけてれば、何かヒントがあるかも」って。

 

あ、これこそが「付加価値だ」って。

自分、曲以外でこの人に興味持ってる、これだ!って。

  

作曲の依頼を受けて思うこと

「「バカンス中に何で修正依頼がくるんだよ!」と背中で愚痴るスーツ姿の男性」[モデル:大川竜弥]

そこから色々あって幸運にもゲーム音楽の作曲をやることになりました。

ただ、作曲依頼は水物です。

安定させれるものではありません。

そこでブログは副業と考え、作曲はボーナス、と言う風にしました。

 

私は作曲よりも、ブログの方が結果が出たので、あまり作曲で収益化することに積極的ではありませんでした。

もし、ブログで結果が出ていなかったら、作曲で単発の依頼を受けても、それはバンド時代やキーボーディストとして活動してる時に、演歌やスーパー、野外イベントで単発の仕事をもらって稼ぐのと全く同じことだと思ったからです。

 

「ストック収益とフロー収益が必要」

 

消費される音楽を作るのか、残る音楽を作るのか。

 

自分でも色々考えていた部分であり、音楽だけで飯を食う、という視点と、音楽以外でも稼げる手段はある、と言う可能性を考えました。

改めてブログの役立ち具合が半端ない

「データ入力中のハリネズミ部長」

ブログをやったおかげで、どのサイトに言っても収益構造を分析したり、自分の収入の構成比をどのようにしていくかも考えるようになりました。

 

また、自分の性格的にどれが適しているか、どれなら出来るか、出来ないか、これもやはり考えるようになりました。

それは、全てブログで書いた記事の分析から出た結果です。

 

自分が出来ること、書けることって決まってきます。

それは、やり続けて改めて思うのですが、

「好きなことじゃないと苦痛で続けれない」

 

実際、好きでも結果が出るまでは苦痛ですから、好きでもないことは書き続けれないないわけです。

 

私は思うんですが、

曲だけ書いててもダメで、さらに言うと、曲のクオリティを上げても、素人目からしたら実はそんな大差は無いんだな、と思うようになりました。

実際、そう言う場面がかなり多いんですね。

 

音楽や作品というのは、何か違うコンテンツに付随して価値が出るものです。

私がゲーム音楽を好きな理由は、ゲームに実装されて、何回も聴いたから、です。

 

なので、自分がいくらゲーム音楽をイメージして曲を作ったところで、その曲だけではどうにもなりません。

使ってもらえて、そのイメージを共有してもらえて初めて価値が出るのです。

 

つまり、

「使ってもらえなければ、見つけてもらえなければ、存在していないに等しい」

 

では、発見してもらうには、その確率を上げるためには

「発信媒体を複数持つことが大事」

  

それでも正直足りてませんので、まだまだ色々と育てていく必要がありますが、ブログは様々なキーワードで発信できるので、やはり大きいと思っています。

終わりに

「自分の曲を必要な可能性のある人へ、聴いてもらえる確率を上げていく」

 

それを上げるためには「アクセスが必要」で、そのためには発信力が重要になってきます。

実際、本当に最後は「運」だと思っています。

 

100曲くらい作ったら曲は言ったん置いといて、どうやったら聞かれるかを考えて見るべきで、その1つが「ブログ」だと思ってます。

あと、100曲も作れば曲のクオリティも多少は上がるからですね。