ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。健康第一。

【演奏】ライブでは「無難に音を間違えない」か「感情を込めて音を外す」のどちらがマシか?

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人前で演奏するというのは難しいもので、一定の冷静さが求められます。

 

ライブなどで感情的に演奏すると、やはり冷静ではなくなり音を外してしまうことがあって、奏者側には色々とミスるまでに至る理由や動機があるのですが、聴いている側は単純に音を外した、ミスってる、と思っています。

 

音を大事に弾くということ

人によって音を出す、ということに対する感覚は違うものです。

 

それは元からある感覚はもちろん、成長過程においても変化はあるので、私は当時プロの人や師匠から「一音一音を集中して弾け」と言われたりしました。

 

当たり前のことなのですが、間違えずに弾く、ということは様々な要素を持っています。

 

ベストな演奏とは何か?

音を絶対に間違えない演奏はそれはそれで素晴らしいことです。

 

しかし、それを優先させるあまり抑揚や感情を抑えた味気ない演奏になっている場合があります。それは確かに音はあっているけど、伝わる演奏なのか、と。

 

「ミスっているけど勢いがあって良い」

「逆にミスっているのが生々しくて良い」

「良いところでミスるなぁ」

「音外したらやっぱり台無しだ」

 

ライブは色々ありますので完璧な演奏は難しいものです。

 

また、インストや即興ジャム、歌ものなど、ジャンルによってもサウンド一つ一つに求められるものは違うので、一概にミスらない演奏が良いとは言えません。

 

「音を外してもケツの穴まで見せている演奏なら何も言わない、ただテキトーに無難に弾いているだけの演奏は上手くまとまっててもつまらない。見ている客を楽しませろ、ミスることさえも客は期待しているんだ」

 

当時、あるライブハウスのオーナーに言われたセリフ。

 

「お前の演奏は無難すぎてダメ。なめてんのか?120%出し切れ。客は金払って見に来とるんだぞ?ステージで無難にリハか練習みたいな演奏するな」

 

そんな演奏はしていないけど、ケツの穴まで見せたか、と言われたら見せてない。

 

つまり恥を晒してでも、そういう熱いパッションのある演奏をしていないのは事実だったので、その価値観や意味もよくわかります。

 

また、お客さんは完璧な演奏はつまらない、という人は意外と多い。特にライブやセッションをよく見にくるお客さんはミスる部分を見たかったり、そこからどうやって挽回するかなど、そういった野球の試合のようなものを求める人もいるんですね。

 

圧勝しているゲームはいくら強くてもつまらない。観てる側もハラハラ、ワクワクしたい。

 

上手い演奏はそれはそれでもちろん素晴らしいが、そればかりを求めているというわけではないのです。

 

私の価値観

結局のところ、メインバンドなのか、サポートなのか、もあり、満足に練習せずほとんど初見で譜面を見ながら弾くような場面も多かったため、状況にもよる、としか言えないのですが、それも含めて自分の演奏をどのようにまとめるか、が大事だと思います。

 

それでそれを優先させた場合、事情を知らない人から何を言われても気にする必要はありませんしね。状況が人それぞれ違うのですから。

 

当たり前ですが、お客さんが奏者の事情を知らないのは共通していることなので、それも踏まえて人に伝えることは難しく、どのような演奏をするのかが大事です。

 

基本的にはスキルがあれば問題ない

上手ければ調整は可能だということ。

 

問題は、成長過程や苦手なジャンル、慣れてない曲でそういった状況になる時ですね。

 

よく言われてたのが、

 

「自分の評価を下げるような依頼はハッキリと断れ」

 

これはがむしゃらにサポートを頼まれた時に何でもかんでも引き受ける、断ることをしてない時に師匠から言われた言葉でした。

 

例えば、ジャズを弾けないのにジャズを引き受けるな、ということ。

 

何事も挑戦、と言えば聞こえは良いのですが、もし満足な演奏が出来なかった場合、そのいっときの演奏で自分の実力を評価されてしまう場合があります。

 

そのリスクをきちんと理解しているならやるべきだ、と。

 

結局お客さんのことと繋がるのですが、観ている人は事情を知りません。

 

なので、いくつもサポートを抱えているから満足な演奏ができてない、これは残念ながら単なる言い訳になってしまいます。

 

断れば次の仕事はない、という脅迫概念みたいなものもあったのですが、できないことは出来ないと言わないと、どのバンドに対しても半端な演奏をしてしまうことになります (これはサポートミュージシャンのパターンですが)

 

バンド演奏と、ソロの違い

感覚的にも違うのが、アンサンブルかソロか、という状況。

 

私の経験で言えば、間違いなくソロの場合「音はとにかく外すな」が正解だと思っています。どれだけ感情を込めても無残なことになります。 

 

激しい演奏ならまだあれですが、バラードやボーカルとデュオの状況時は音数を減らして、演奏難易度も下げて、とにかく実力以上のことはしない、のが私の中で鉄板でした。

 

ごまかすことについて

実は「ごまかすのも大事」ですね。

 

大事というより究極的に重要です。

 

ごまかすというのは一見聴こえは悪いですが、立派な技。うまくごまかせたら、それはミスってない、ということになるんですね。

 

事実をもみ消す、ひっくり返す。

 

ミスった時に、ミスりそうになった時に音をどう逃すかなど、反射的に逃げ道を用意しておくのも大事ですね。

 

どうにもならないミスもありますが、早弾きや装飾音ライクな感じでごまかす、音量を下げるなど。

 

楽器によって色々と小技があると思います。

  

最後に

このテーマ、何となく書きたくなったので書いてみました。 

結局は状況による、ということですが、自分の判断でその場でベストな決断をするのが大事だと思います。

 

演奏について色々と考えていたことがあるので、思いついたら色々と書いていきたいですね。

当時は自分の中でしまっていたことが多いので、演奏する人や、楽器始めた人、キーボードの演奏など応用できることが書けたら良いなぁと思います。