音楽をやっていると少なからず「ドレミ」に関して疑問がわく瞬間が多いのです。
「ドレミファソラシド」
当たり前のように習ってきたこの音階は、どのように生まれてきたのでしょうか?
最近こんな本を見つけました。
音律と音階の科学
著者の小方厚さんは「ビーム物理」が専門で、学生バンドに混じってビブラフォンを演奏しているというジャズ好きな方のようです。
物理の専門、そして音楽好きという視点からの音律に対する解析がすごいです。
この本の良いところ
- ピタゴラス音律
- 純正律
- ミーントーン
- ウェル・テンペラメント
- 平均律
「ピタゴラス音律」から現在主流の「平均律」までの発展を、歴史と数字を用いて分かりやすく、かつ理論的に解説しています。
本書は数字がかなり出てくる上、1ページに書いてある内容が濃すぎるため、きちんと理解しながら読むと結構時間がかかりますが、どれも目からウロコの内容ばかり。
数字的な部分はさらっと目を通す感じでもOKですが、アナログ、デジタルの観点からコード理論、曲例 (ゲゲゲの鬼太郎など) まで用いてますので、この辺の考察は面白いです。
ただ著者は、音楽をする上でこの本は必要ないと言っており、決して理論を押し付けようというスタンスではありません。その冷静さがまた良いんですよね。
この本を手にとると、音楽の世界が広がるのでは無いでしょうか?
作曲者、クリエイターにもおすすめ
DAW でピアノのソフトウェア音源などを使用していると、少なからず「チューニング」の存在を無視出来ないのですが、通常では「平均律」を使用すると思います。
ピアノ音源ではさらに細かいチューニングを選択出来るのですが、ぶっちゃけ調べなければ意味不明だったりします。
「なんか色々あるな」って感じです。
例えば、気分でテキトーに違うチューニングを選択してコードを鳴らしていくと、ディミニッシュで不協和音になったりします。
「多分ミとファの間とか、半音間のチューニングが微妙に違うんだろうな」
こんな漠然としたイメージだったのですが、そういったことが詳しく書かれていますので、読んでいて「へぇ〜すごいな面白いな!」のオンパレード。
チューニングの発展を詳しく知りたい方にオススメです。
音楽の不思議
ドとレの間には「ド#、レ♭」がありますが、単純に「半音」と処理されます。
しかしその間には無限の世界が広がっており、どのように昔の人がドレミを発展させてきたかが気になりますよね。
そして平均律のドレミがなぜ今日の様々なジャンルで愛されているのか。
音楽は理論だけで作るものではありませんが、そのような理論だけでない部分を楽しむ為にも、このような理論、知識が音楽を作る楽しさを広げてくれるんだと思います。
いつも感覚で曲を作っていましたが、改めて「音楽は数学」と言われる理由も分かりました。
やっぱり音楽の世界は面白いですね。
最後に
本の内容を詳しくここに書いてもダレるだけなのでこの辺で。
楽器や音に関することがたくさん書かれていますので、気になった方は一度手にとってみてはいかがでしょうか?
これを知らずに音楽やっていたらかなり損していたと感じています (汗)
ずっと手元に置きたい一冊が増えました。