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ゲーム音楽の巣

フリー音楽素材サイト「音の園」の管理者及び作曲者。このブログではキーボーディスト、ゲームミュージックの作曲を中心に音楽雑記を書いています。3月はRPG/オーケストラ系の素材曲を作っています。

【作曲】小編成のトラック数で壮大な広がり感を生み出す『音色の組み合わせ』とは?

作曲テクニック集 アレンジテクニック集 作曲/編曲

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BGMの作曲をする時に知っておきたいのが「音色の組み合わせによるお得感」です。

例えば、壮大なオーケストラを作曲しようものならストリングス隊に加えて、コンセプトに沿ったオーケストラ楽器を使わなければそれらしい雰囲気にはなりませんし、バンドの雰囲気の曲を作るならドラムとベースは必須だったりします。

ですが、実際にそれらの楽器 (トラック) が本当にすべて必要かと言われるとそうではないのです。そう言った先入観があるのは、曲を聴く多くの人がそう言った既成のイメージを持っているからです。

例えば少しコツを知ればたった2、3種類の音色を組み合わせるだけでも壮大さを演出することが可能だったりします。つまり、相性の良い音色の組み合わせをどれだけ知っているかで、少ない労力でそこそこのものを生み出せる力をつけることが出来ます。

今日はそのお話をしたいと思います。

目次

小編成で作曲してみる

まず壮大な曲のイメージですが、一番わかりやすいのはオーケストラだと思います。

理由は「大編成のイメージ強い」のがまず一つ。単純にたくさんの人が同時に様々な楽器を鳴らす、そのように構成されている曲が「なんだか凄そう」「音も見た目も迫力がある」そんな印象を与えます。

しかし壮大さを出したいからといって、最初から大編成で曲を作ろうとするとほぼ失敗に終わります。

なのでまずはオーケストラの楽器の中でもメロディ、伴奏、エフェクトを意識してトラック数を最小化してみましょう。

音色の選定

では試しに、

  • メロディ=ストリングス
  • 伴奏=ハープ
  • エフェクト=シンバル

で組んでみましょう。

その音色の特性によりシンバルは壮大さを表現しやすい楽器の一つだと思います。

シャーン、ズゴオオオおおおおああああ〜、というように曲にエフェクトのような効果を与えてくれますが、使うべき場所で使えば効果は非常に高いです。

他にも壮大さを表現している要素として、低音域、高音域のダイナミクスの差であったり、曲そのものの雰囲気、メロディの動きであったりしますが、そこまで追求するともはや全部大事、と極論になってしまいます。

なので上記の3つの音色だけで作った曲を例に紹介します。

Blue Earth

ファンタジー音楽が好きなので、広い高原、ファンタジーRPGの広大なフィールドマップを意識してシンプルに構成してみました。

曲解説

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この曲では3つの音色しか使っていません。

  • シンバル
  • ハープ
  • ストリングス

3トラックでも壮大に感じさせるにはなるべく「広い場所をイメージさせること」を意識してみると良いかもしれません。

そのためには音域をなるべく広く使うことが重要になってきますが、

オススメは

  • アルペジオ+ロングトーン

ピアノソロでこの表現パターンは鉄板ですが、ストリングスなどの弦楽器は音が減衰するピアノと比べて音を長く保てますので、一つ一つのメロディの動きを大きく繋げることが出来ます。

ストリングス (弦楽器隊)

ストリングスの音色は手っ取り早く音圧を稼ぐには有効なので、コード的な弾き方、アプローチをする場合には積極的に取り入れたい音色です。

これらはスーパーファミコンなどのゲーム音楽でよく表現されているのですが、制限のあるトラック数を有効に使うため、人数感のあるストリングスの音色でメロディをシンプルに弾くという表現です。解りやすい表現で言えば、バンド編成でキーボーディストが弾くストリングスパートのようなイメージです。

ヴァイオリン、チェロなど弦楽器パートをさらに分けて内声を意識したアレンジも良いのですが、その曲の中で「何を中心に聴かせたいか」にもよると思いますので、必要に応じて使い分けるのが良いと思います。

ハープ

ハープの音色は小編成と大編成ではその存在感、立ち位置が結構変わります。

これは生演奏ではなく DAW 、ゲーム音楽ならではの表現ですが、リバーブを調整し、音量バランス的にも前面に押し出すことで「目の前に広がっているような空気」を出すことが出来ます。逆に小さい音量で奥で鳴らせば繊細な雰囲気も出せます。

このように小編成と大編成とでは音量バランスによって音色の情報量が変わることで、各楽器の表現力にも影響します。これは他の楽器にも共通することだと思います。

シンバル

シンバルのクレッシェンドは早めにスタートさせます。

そして音量が最高潮になる部分を (波形のピーク部分) 次の小節の頭に被さる、着地させることを意識してみてください。これだけで壮大さが出ると思います。

バンドであればクラッシュシンバルを頭からパーン、と鳴らすところですが、クレッシェンドはオーケストラの基本的なパターンなので両方覚えておくと良いです。オーケストラでも頭からシンバルを鳴らす時もありますし、曲によっては両方組み合わせる時もあります。

ただしあまりに使いすぎるとくどいので、間を置いて何度も聴いたりして最低限必要な箇所だけ入れるようにしましょう。

色々な音色の組み合わせを試す

上記の例で紹介したように、まだまだ他にも「効果の高い音色の組み合わせ」があると思いますので、ぜひ色々試してみましょう。

たくさんの楽器、トラックを使えば壮大さは出せると思いますが、少ない音数でも音色の組み合わせが良ければ曲の内容を充実させれるでしょう。

ピアノとストリングスだけで壮大さを出してみよう、など普段から色々コンセプトを立てて作曲してみると面白い発見があるかもしれません。

最後に

簡単ですが、小編成で壮大さを出すオススメの音色の組み合わせと曲例でした。

まずは「どんな壮大さを出したいか」これを考えることに尽きると思いますが、 色々な音がなっている壮大な曲を聴いてみてその中で「何の音色、フレーズがそう言った要素を出しているのか」を意識しながら聴いみてると良いかも知れません。

私はそのように聴きながら「もしこのブラスが無かったとしても壮大か」とか「このフレーズが無いと一気に曲の印象が変わるな」など、頭の中でトラックを消しながら出来るかぎりイメージしてみたりします。

たまにはそんな曲の聴き方をしてみると、どれが重要なトラックなのか、を常に考えるような思考になると思います。