ファイナルファンタジー3 のゲーム音楽レビュー
#3 バトル1〜ファンファーレ
この曲は通常バトル「ザコ戦」で流れる曲で、FF3をプレイする中で
恐らくプレイヤーが一番多く聴く曲になります。
オリジナルサウンドトラックではメドレーになっており、同トラック内で「ファンファーレ」に続きます。上の動画はバトル1ですが、ファンファーレの動画は別々で切り離してありますのでもう少し下の方でご覧ください。
(FF3はスタートからラストまでずっと4人パーティ。FF1より登場した「ジョブシステム」をさらに拡大し様々な戦闘スタイルが可能。FF1は一度ジョブを決めてしまうと後から変更できないが、FF3では「ジョブポイント」を使用することにより、いつでも好きなジョブにチェンジできる。ジョブポイントは敵を倒すことで獲得でき、各ジョブのジョブレベルを上げることにより後からそのジョブに戻りたい時でも少ないポイントでチェンジが可能となる。画像のデフォルトジョブ、「玉ねぎ剣士」が最終的に一番最強のジョブとなる。)
プレイヤーとしての視点
戦闘に突入した時に流れるこの曲は、何回聴いたか計り知れません。長編RPGを最後までプレイできるかどうかは、正直このバトル音楽の出来がどれだけ影響を与えるかみなさんもご存知かと思います。
良くメロディを口ずさみながらプレイしたものです。
FFのバトルシステムは 「ヒット数」というパラメータがあり、この数字が上がると攻撃した時にキャラクターのアクションに変化があります。「ダダダダダダ」っと敵を叩く回数が増えるんですね。これが最初は1回ヒットなので「ダッ」って感じで寂しいのですが、回数が上がり「ダダダダ」って増えたときの喜びはハンパ無いんですねw
最終的に16回ヒットまで上がるのですが、バトルを楽しませてくれる演出の一つとしては素晴らしいアイデアですね。
作曲者としての視点
バトル1の構成的には
イントロ→主題→展開→リピート
過去のFF作のバトル曲と比べると、やはりFF3の音楽は王道になったと感じます。
FF1、2はメロディの始まり方などかなり独特な印象を受けますが、その要素としてメロディが「暗い」印象があります。
FF1 暗くダークな印象を受ける。まさに重い戦いといったメロディ。
FF2 暗さは少し消えたが、どこか悲壮感が漂う。
メロディの音程の飛躍が独特で装飾音符を駆使している
主題
今回のFF3だが、主題ではメロディがロングトーンで上昇してくので安心して聴けるw
ここが王道と感じられる要素だと私は勝手に感じるのですが、その他には植松さんの特徴としてメロディの区切りで早いオブリが入る。これが繰り返し聴いても飽きさせない要素の一つだと思います。さらにこのような早いパッセージが入ることにより戦闘音楽にアグレッシブな要素を演出しています。
展開
ここでベースラインが変化するのですが、このセクションからは主題と比べて
「戦いの辛さ、重さ」みたいなものを感じます。
主題は「さあ戦うぞ」といった前向きなメロディを感じますが
展開では「負けそう、でも諦める訳にはいかない」そんな印象を受けます。
特にリピート前のメロディが上昇していく部分ではそれを感じさせます。
続きまして
こちらは前述した「ファンファーレ」になります。
ご存知、バトルに勝利した時に流れる曲です。
ファンファーレの構成は
イントロ→主題→リピート
といった構成ですが、もはやイントロ+主題がテーマになっていると言っても過言ではないと思います。イントロするか迷いましたが、一応セクションの区切りではあると思いますので。
このファンファーレは勝利のテーマとして、これ以降もFF音楽を代表する曲になっていきます。FF10-2において一度失われましたが、様々なアレンジを経て引き継がれていきます。
FFバトルの特徴
今回よりFF3のバトル曲はホワイトノイズが加わったことによりFF1、2に比べて「リズムセクション」が強化され、よりノリが良い戦闘シーンが楽しめるようになりました。
過去のFFのバトル曲ではこのホワイトノイズが無く、矩形波と三角波のみで曲が構成されており、リズム感を演出する為の工夫がかなり見られます。
今回ホワイトノイズはドラムを演奏した経験がある方は「8ビート」というリズムの叩き方を耳にしたことがあると思いますが、この8ビートを演出しています。
実際はドラマーだけでなく、ピアニストでもギタリストでも楽器を弾く人なら8ビートは弾けなければなりませんが、ドラマーの方がこの言葉を耳にすることが多いと思います。
話を戻して、FFのバトルミュージックに共通している暗黙の法則があるのですが、それはイントロの「デデデデデデデデ」というベースライン。
これなくしてFFバトルにあらず、シリーズ共通の世界観を演出する要素の一つとなっています。FF1〜6までこのパターンで、FF7、8で一度失われ、FF9で復活、FF10以降はまた失われています。FFの歴史の一つと言えるでしょう。
次回は